映画「ペナルティループ」鑑賞感想(ネタバレあり)

新感覚ループ作品。ループ物の新しい潮流に乗った感覚。乗り遅れずに良かった!と心底から思った。

憎しみとは何か?から、人間の感情とは?と考える。感情、特に憎しみは一種の呪縛だとこの作品を観て、再認識。

相手を知れば知るほど憎しみから遠ざかり、自身の(憎しみという)呪縛から解放されるのではないか?相手を知れば憎しみの濃度が希釈され、自身がそこから解放されるのではないか?

憎悪に生身の人間のパーソナリティが追加情報として入る事で許せる場合も往々にしてある。
最近のエンタメに出てくる悪役もしかり。そのバックボーンを知れば、ある程度許容出来てしまう。
個人的に一番恐ろしく愚かだと思うのは、自分の正義に溺れて、相手を攻撃することが目的化する事。しかしながら、多くの人が無意識に陥っている人間の弱さ。それもまた、いと恐ろし。主人公も憎しみから相手を殺めることが目的となるが、やがて作業となり……の感じからもね…笑

やはり、本質を知るという意味でも、相互理解は必須で敵対する相手にこそ、向き合う姿勢と対話、更には時間が必要。それがお互いを許容できる唯一の方法かなと。
マクロでは戦争、紛争とか(まぁ、こちらは思想、主義だけでなく、宗教、利害関係とかも絡んで複雑でしょうが…)、ミクロでは身近なSNS環境や人間関係においてもね…。
結果、自身としてはオープンマインドと想像力が大切かな。感情って疲れるし、面倒な装備。それでいて、人というのは哀れで愛おしい存在として感じてしまう私も哀れ。とか思考もループする。

負の感情程、持ち続けるには体力いるし、体力使うなら他で使いたい。人にどういった形にせよ、影響を与えるなら、その責任も丸ごとおう覚悟も必要。

人間の情念がループする事によって変遷する様を感じ、マクロからミクロまで様々な問題を考えさせられた作品でした。

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