民藝旅 vol.2 沖縄 \市場メシと竹おばさん/
おはようございます。お腹がすきました。
朝すば
ゲストハウスからもぞもぞ、歩いて市場へ朝ごはん。
まるで香港マフィアの巣窟。ジャッキーなチェーンが空から落っこちてきそう。朝なのに真っ暗。
赤提灯がともるディープな沖縄、グッドモーニング!
お目当ては、ここ。ソーキそば専門「田舎そば」
怪しすぎる。
通り過ぎるふりをして、店内を覗き込む。
市場の兄ちゃんと、品の良さそうなご夫婦。カウンターの向こうには、グラスにウィスキーを注ぐママ…じゃなくて、どんぶりに汁をよそうお母さん。
ドアの前を2回通り過ぎて、窓ガラスごしに様子を伺ってから、入店。
(たぶん、一番怪しいのは、もじゃもじゃ頭だった。)
貼り紙が多すぎて、なにがなんだかわからない。でも、おすすめはソーキそばで390円であることは一目で分かった。いいデザインだ。
お母さんに、一押しのソーキそばを注文する。お茶はタンクに入っていて、セルフサービス。温かいお茶を飲んで、ふぅと体の緊張をほぐす。
390円って破格すぎるし、目視も難しいくらい小さな肉の端切れが、チョコンと乗っかっているだけなのかもしれない。期待しないでおこう。
そんな斜めに構えていたら、「はい、ソーキ。」と3分くらいでどんぶりが到着した。
ちょっと待って!原価は大丈夫?
大きなソーキがドーンと2つ。麺もデデデンとボリューミー。
熱々のスープから立ち上る、鰹出汁と甘辛い肉の匂い。
麺をひとくち噛むと、細麺でシコシコと歯切れもいい。
ソーキの軟骨は、程よく歯ごたえが残っていて、100点満点。
(あれ、これフード系ブログだっけ…)
とにかく、とても美味しいのだ。
汁まで全部飲み干して、お会計。
やっぱり、390円だった。
(このあと4回トライしたのですが、全て売り切れで再訪できなかった。また来よう。)
民芸協団ってなんだろう?
市場から壺屋・やちむん通りにやってきた。
小さな一軒のお店に入ってみる。かわいいな、だるまシーサーだって、うふふ。
ウキウキ上を見上げると、不思議な地図を見つけた。
日本民芸協団…?
1963年の地図と、年代不明の地図。
笠間焼が入ってる…?民窯…民芸…?
いったい、どういうことだろう。
お店にいた男性に聞いてみても「さぁ…」との答えだった。
愛媛県でお世話になった漆作家の穂高さんが北海道から送ってくれたハガキに書いてあった三宅忠一と関係があるのかも。
ひたひたと迫る影のように、うすうす感じていた「柳宗悦とちがう”民芸”」がとつぜん姿を現した。
今後、柳先生から離れていった“民芸”を調べてみよう。
彼らはなぜ、柳宗悦とはちがう“民芸”を作り出したのか。
どんな必然と理由があったのか。
肉味噌の竹おばさん
学生時代から、実家と近所へのお土産は、牧志公設市場の「竹おばさんの肉味噌」だった。
甘くてねっとりしていて、なのに後味がさっぱりしている最高の肉味噌。
それが、竹おばさんの肉味噌。
竹おばさんは、誇り高き肉味噌職人。
「豚肉は沖縄県産100%。デンマークは油が臭うからすぐわかる、使わない。赤身の上等なところだけ。油を使わないから、常温で50日もつさ〜!」
市場人特有の伸びのある声で教えてくれた。
竹おばさんの肉味噌には、沖縄県産豚肉100%の証であるシールがキラキラと輝いている。
ふと、島根県の斐伊川和紙7代目の言葉が頭に浮かぶ。
「純なもので作る、真面目な仕事。手間を省かない。健康な和紙。それが民藝の和紙。」
もし食べ物に民藝があるなら、竹おばさんの肉味噌を「肉味噌の民藝」と呼びたいくらい、美しい。
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牧志公設市場は、現在改装中。
でも、スーパー竹おばさんはの2つ目のお店があるのでご安心を!
\肉味噌はここ/
又吉食肉店
那覇市松山一丁目18−7
098-868-8031
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竹おばさんと話していると、ぶら下がっている“輪っか”と“丸いやつ” が気になった。
「竹おばさん、これなに?」
おばさんに聞いてみると、与那国島の日用品らしい。
「近くにこれ(丸いの)を作ってるおばあちゃんが住んでるから、会ってみるといいさ〜」
そういうと、おばあちゃんの電話番号を教えてくれた。まるでRPGゲーム。
クエスト開始のメロディーが聞こえる。
「いやぁ、それにしても、この高校生、よかったねぇ。」
竹おばさんは新聞を開いて、お医者さんにお金を貸してもらった少年の話をはじめた。
「オーナーがどこかの離島で買ってきた…」
竹おばさんに恋愛相談をしていたら、いつの間にかお昼になってしまった。
美味しいベジタリアン料理を食べるなら、「浮島ガーデン」
ベジタコライス食べた。
この美味しいお肉じゃないお肉は一体何からできているのか…
食べ終わって、ショップスペースをうろうろしていると、見覚えのある輪っかが目に入った。
あれ、竹おばさんの所にあった輪っかと似ている。
素敵な鍋敷きだなぁ。でも、値札がついていない。
店員さんに聞いてみると、「オーナーがどこかの離島で買ってきた非売品です。」ぐゎーんと頭で鐘がなる。どの離島なのかは、分からないらしい。
竹おばさんから紹介してもらったおばあちゃんは、丸いやつを作る人だから、輪っかは作っていないだろうし、惜しいな…
後ろ髪を引かれながらカフェのドアを開けて、しとしと雨が降るなかをゲストハウスへ。夜は節約、好物のチキンラーメンを啜って眠りについた。
明日は \“うぶる”作りのふみえさんと与那国/ お楽しみに!