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▶︎ビジョンファースト経営を学ぶ

noteの #お店note イベントにて「『ビジョンファースト経営』を実現するには?」をテーマにしたトークイベントに参加しました。

登壇者は中川政七商店CDOの緒方恵さんと、急遽通りがかったnoteの運営会社であるpiece of cakeのCXO深津さん。

■登壇者profile

緒方恵さん
東急ハンズにてバイヤー、ビジュアルマーチャンダイザーを経てWEBチームに異動
ECサイト運用から始まり、デジタルマーケティング・ソーシャルメディア・オムニチャネルなど、東急ハンズのWEB/デジタル領域を横断的に担当
2016年8月から株式会社中川政七商店にWEB/デジタル領域全てを担当する、執行役員/CDO(Chief Digital Officer)として入社
2018年3月より、取締役就任
上記に加え、店舗事業・卸売事業など含めた全顧客接点の統括担当
=店舗事業、卸売事業、EC事業、マーケ・メディア、システムなど
深津貴之さん
大学で都市情報デザインを学んだ後、ロンドンの芸術大学、セントラル・セント・マーチンズに留学し、2年間プロダクトデザインを学ぶ。2005年に帰国し、株式会社thaに入社。2009年に株式会社Art & Mobileを設立し、独立。以降は、活動の中心をスマートフォンアプリのUI設計に移し、2013年THE GUILDを設立。17年、株式会社ピースオブケイクのCXO(Chief eXperience Officer)に就任。

■ビジョンとは 意志 / 情熱 / 目的

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■ビジョンとは?

そもそもビジョンって?ということから始まったこちらのイベント。

創業300年の老舗企業で主に麻や綿の織物を作り続けてきたメーカーである中川政七商店のCDO緒方さんの回答は「ビジョンとは意志であり、情熱であり、目的」。

工芸の流通総額が40年前と比較して5分の1にまで落ち込んでいる今、ものづくりの現場ではものがどんどん買い叩かれ、高品質なものを作れる職人が淘汰されている現状があります。

そこでポジショニングやブランディングに力を入れ始めることになるのですが、やはりものづくりにおいて最も大切な存在は、ものを作っている張本人である職人たち。

工芸のスモールビジネスをいかに大きくするかという上で、職人たちに工芸の人間としての課題感、危機感を植え付け、業界としてのビジョンを染み込ませる教育が必要となってくるわけです。

■ビジョンキーワードの作り方

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■ビジョンキーワードに必要な要素

必要な要素は以下の5つ。

戦略が表現されているか
愛情が表現されているか
判断基準として機能するか
事業成長と紐づけられているか

誇りを持っているか

③の「判断基準として機能するか」というのが結構重要で、例えば上司からヘンなことを言われたとしても「ビジョンに合ってないから違う」と反論することができます。

すなわち上司・部下の関係がなくなり、風通しのいい健全な組織を作ることができるのです。

また②の「愛情が表現されているか」というのは、チームメンバー間でのカルチャーを育てることもできます。

これら5つの要素が含まれたビジョンを掲げることはめちゃくちゃ大事!

■ビジョンづくりのきっかけ

もともとビジョンを作ろうと思っていた訳ではなく、いろいろなことを試し打席に立ちまくった中で気付いたことだった、と緒方さん。

社内で仕事をしている中で、無意識にはできているけど言語化できていない、みたいなことがよくあると思います。

それらをビジョンとして、新しく加わった人たちにも分かるように定めようということになったのだそう。

■ビジョンを1つに絞る必要はなし

ビジョンは一度決めたら絶対に守らなければならないものというわけではなくどんどん変えていくものである、と緒方さんと深津さん。

緒方さんの場合、ものづくりだけではなく地域全体の課題を変えることで産地を元気にすることをミッションとしており、その中でビジョンを変えなきゃいけないタイミングもあるんだそうです。

ビジョンを1つに絞らなきゃ、という先入観に捉われると変化がなくなり、成長も見込めなくなります。

■ビジョンを決める過程

ビジョンを決める過程にも様々あります。

「ミッションファースト」を掲げるnoteの場合、まず最初に着手したのがビジョン決め。

チームで大事なことや価値観を統一するワークショップを開催し、以下のようなことに関して意見をまとめていったそう。

~ビジョン決めワークショップ~
・piece of cakeとして大切なことは何か?
・piece of cakeに何がなかったら辞める?

ここで出た意見を擦り合わせてミッションを作り上げていったそうです。

一方で中川政七商店は「自然発生型」

普段の業務を通じてみんなが思っていることや頑張っていることを体現する形でビジョンを設定したので、特別ワークショップを開いたりすることもなくみんなに納得してもらえたそう。

大事なのはその過程というよりどれだけビジョンがチームメンバーの心に火を灯すことができるかなんだそうです。

■ビジョンの浸透

ここで大事なのがビジョンの浸透。しかし大事であると同時に難しいのがビジョンの浸透。

緒方さんはビジョンの浸透までに4、5年かかったそうです。

浸透の施策は以下の通り。

①ビジョンを言い続ける
②喋らせる

①に関しては、経営陣がひたすらビジョンを日常の業務で言い続け浸透し続けることを指します。

②は、チームメンバーに自分でビジョンを口にしてもらうことで、経営陣と自分のビジョンの手触りの違いを実感を伴って理解させることを指します。

この2つの施策によってチームメンバーにビジョンを骨にまで染み込ませるのです。

チームのメンバーにビジョンを浸透させ「自分の価値観にフィットする1つの背骨である」と思わせるのが一番のゴール。

緒方さんは自身が出されている本を採用の教科書にしたり、ビジョン浸透の内部ツールとして使っているといいます。

メディアの取材も受けるし一石二鳥!(笑)

まとめ : ビジョンファースト経営は企業が当事者意識を持って取り組むべき一番の課題

1つのビジョンを掲げそれをチーム全体で目指していくビジョンファースト経営。

本イベントの中ではよく北極星に例えられていましたが(位置を見失ったり、位置情報がバラバラでもとりあえず目指しておけばいい指針)企業のカルチャーや組織育成、ビジネスの拡大において一番徹底しなければならない課題がビジョンではないかと思います。

今回はスタートアップの企業の取締役2人が登壇してくださいましたが、スタートアップに限らず大企業でもビジョンを意識した経営を怠るべきではないと思いました。

自分がいる組織のビジョンを再考し気持ちを新たに頑張ろうと思えるきっかけになったイベントでした!

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