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古典は心のリセットボタン?働きながら楽しむ読書【前編】
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』という本が売れている、と聞いて、
「その本は読めるんかい」
と突っ込み入れた人〜〜?
そして、その本を読んでいないにも関わらず、
「いや、べつに読みたくないのなら、無理に読まなくてもいいのでは」
と思ったり、
「そもそも、働いていると本が読めなくなるって本当なのかな」
と思ったりした人〜〜?
Podcast/YouTube「ゆる言語学ラジオ」の方が言っていたように、〈読書〉って高尚な趣味だと思われているっぽいけど、なんか違うし、
仕事vs趣味、とか、仕事vsプライベート、って必ずしも対立するものではないと思う今日この頃。
たぶん(読んでないけど)この御本『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』の趣旨も、そんなに仕事に全身全霊を傾けなくていいから、仕事も趣味もどっちもほどほどにしようよ〜っていうことかと。
むしろ、働いている人にとっての読書の効用として、その日仕事で嫌なことがあっても、本の世界に入り込めば気にならなくなる…という点が大きいのでは。
本の世界に没入するためには、世界観がしっかりしていて、スケールが大きいほど良い。つまり、古典文学が最適です。(急いで追記しておくと、最近書かれた作品ですが、SF大作『三体』とかも激推しです!)
いまわたしが読んでるのがまさにそんな本で、
ドストエフスキーっていう人の本なんですけど。
体力要りそう?と思いきや、本のほうにパワーがあるので意外と大丈夫。こちらです↓↓
はい、『悪霊』ですね。
すごくたくさん人が死ぬ話、と聞いてまして、いま全4巻のうち、2巻の前半1/3くらいのところを読んでいますが…まだ誰一人、死んでませんよ!!どういうこと?決闘シーンもあったのに。不穏さがどんどん高まる一方だわ。インフルエンザ患者さんに接したくないムーブをしまくる同僚薬剤師への憤りなど、どうでもよくなるのである(どうでもよくはないはずだ…)。
一般に、古典的な名著と言われるものとか、The・文豪!みたいな人が書いた本って、とっつきにくいとか難しいと思われがちじゃないですか?でも、全然違うんですよ〜。
まるで昼ドラ(古い)みたいな、ドロドロしてたりハラハラドキドキの話も多いし、つまりは面白いから長く読まれてるんだなあと実感。そして、「あの名作読んでるぜ」っていう満足感もオマケについてきます(笑)
ただ、どんな本でもそうだと思うけど、相性というものがあるようで。なぜか何回読もうとしても挫折する本もあります。
わたしにとってはトーマス・マン『魔の山』がそれ。上巻の途中でいつもやめてしまい、あきらめてBOOKOFFに売っちゃいました。長いからだめなのかも、と、マンの『トニオ・クレーゲル』を手にとってみたところ…いちおう読了はしたものの、なんだか腑に落ちないままでした。
うん、君とは気が合わんわ。無理せんとこ。
あと、若い頃に読んだ本でも、中高年になって再読すると全然視点が違ったりして驚きがあります。
例えば、アガサ・クリスティのミステリ。読書好きな人なら高校生とかで一回読んでると思うけど、当時は犯罪のトリックとかに集中しがち。犯罪の動機にはあまりピンとこなかった。むしろ、そんなことが原因で人を殺すか?と思ったりもしたような。
でも、大人が読むと、いや、わかる〜!!ってなる。
そうそう、こういう他人の悪気ない一言に怒りを覚えて憎悪がだんだん育っていくのとか、超わかるわ〜!と、二度おいしいのです。再読おすすめ。
ほかにも、いわゆる古典ですごく面白かった本がいろいろあるので、そのあたりの紹介など、また後編で書いていくつもりです。よろしければお読みくださいませ。
※ 最近、寝る前にはコレを少しずつ読んでます!
サイエンス×人文学のエッセイ集。安眠できますよ〜♡