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薬局の本棚🔸健康診断

来週、会社の健康診断があるのだった。
中年になってみると、とりあえず心配なのは血圧・コレステロール・血糖値。わたしもお年頃(=更年期)なので、コレステロールは順調に上がってきております(辛)。

薬局にも「健診で引っかかって」と、初めて降圧剤や抗コレステロール薬の処方せんを持ってこられる方がいらっしゃる。
そして、検査値が基準から外れたから治療しなければならない…と素直に薬を飲み始めたものの、じきに、
「これって一生飲まないといけないの?」
という疑念に駆られたり、
「なんで血圧が高いとダメなの?」
という逆ギレしてみたり(と言って悪ければ、そもそもの理由を納得してなかったり)、、、。

たぶん、医師は最初に〈こういう理由で、このような目標で治療をしますよ〉と説明している(はずだ)と思うのですが、人間、一度言われたことをぜんぶ覚えてはいないもので。腑に落ちないときは、何度でも聞くようにしてほしい!です。

さて、今回紹介したい本は、ドイツのSF小説『メトーデ 健康監視国家』。

近未来のドイツが舞台の、ディストピアもの。
健康ディストピアといえば、伊藤計劃の傑作『ハーモニー』を真っ先に思い浮かべてしまいますが、また違う視点のおはなし。一章ずつが短く、テンポ良い感じ。謎解き要素もあって読みやすい。

設定がすごく緻密なわけではないのだけど、人々の挨拶が「サンテ」(フランス語で「健康」)なのが妙にリアルで。
「サンテ、皆さん」とか、つい言いたくなってしまう!
(「お疲れ様です」みたいなノリかな。)
あと、この世界では酒・タバコはもちろん、カフェインもNGなので、お客には白湯を出しています(笑)
読後感はというと、爽やかではないけれど。

いやー、健康って、なんなんでしょうね…。

世の中、〈からだにいい〉が最高善みたいな風潮があるけどそれって良くない気がしている。からだにいいから食べる、からだにいいからスポーツする…?おいしいから、楽しいから、でいいじゃない。

なんのために健康を維持したいのか…突き詰めるとその人の生き方の問題になってくる。

自分が医者にかかる、とか、薬を飲む、ということ自体に耐えられない人もいるだろうし、
病気を持っていても治療は治療としてやって、人生でやりたいことは極力できるようにしていこう、という人もいるだろう。
それもグラデーションで、日頃は良い患者として振る舞っていても、あるときは「もう病院なんて行きたくない、薬飲みたくない」ってなることもあるだろう、と思う。

「ジム行ったりいろいろしたけど結局、ピタバスタチン(抗コレステロール薬)飲み始めたの、そしたらコレステロールも下がったし体脂肪も減ったのー」
と、先日いっしょにクラフトビールのイベント(めちゃ楽しかった)に行った、年上の友人が言っていたので…
わたしもある程度やばめの数値になったら、素直に薬に助けてもらうつもり。そして好きなもの食べるんだ〜♡(え、コレだめなやつ!?)

とりあえず、来週まではおとなしく普段の粗食を維持する予定です。
ではでは、また。

サンテ!
お読みいただきありがとうございました!





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