花宴
今日を見渡せば、まだ夜が始まらない。
激しく降ると言われた雨も、
まだ気配を感じはしない。
明日を諦めれば、遠雷に気が付かない。
潰されて弾けかける太陽が、
夜の前に激しく燃え上がる。
もう、会えない貴方を思う。
記憶にならない様に
思い出にならない様に。
青く浮かぶ月ならば、誰かが悪口を言う夜。
曖昧に浮かぶネオンの隙間からは
いつも灰色に揺れて見えた。
夜に凍るネオンを辿る。
何も思い出さない様に
もう何も見上げない様に。
今宵は夕陽に潰された月が笑う。
貴方は誰ですか。
黄昏は貴方、そのまま。
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