③病気、なのかな
乳がん健診の予約を入れたものの、母の入院が重なり、一旦キャンセル。
その時の私は、まだ自分の体のことが分かっていなかったし、目先の事(母の入院)で頭がいっぱいだった。
でも今思えば(今思えばってセリフ、多いなw)保険に入ったばかりで、その時に乳がんが発覚していたら、私は軽く路頭に迷っただろう。
とりあえず母が退院して落ち着くまで自分のことは後回しにした。
年が明け、2月半ばに母が退院。
私は忘れかけていた「乳がん健診」をギリギリ思い出し、再度予約を入れた。
人気の病院なのと、仕事で休めそうな日を考え、少し先の予定しか取れなかった。
3月17日。
触診、マンモ、エコー。
触診もマンモも問題なし。
でも最後のエコーで引っかかった。
「右のここ、形がいびつでね、気になるの。紹介状書くから大きい病院で調べてもらって。安心できた方がいいから。ね?」
先生の言葉は優しかった。
でもなぜか私はこの時、もう決まった気がしてた。
この時のことはもちろんよく覚えている。
健診の時間より早くに着いたので、近くの神社にお参りしたんだ。
帰りにまたその神社の前を、ぼんやりと通ったっけ。
さっき来た時とは何かが違う気がした。
気持ちなのか、何なのか、わからないけど、景色すら違って見えた。
なんでもありませんように。
何度も、何度も、心の中でつぶやきながら帰った。
翌週の3月23日、紹介状を持って病院へ。
翌日24日、組織診。
部分麻酔をして組織を取り出し病理検査に出すのだとか。
「緊張してる?」
「はい、朝ご飯食べられませんでした」
「ああ、だからお腹なってるんだー」
は、恥ずかしい!!!
「音がするからね、びっくりしないでね」
優しい先生。
多分注射器みたいなのを使ってる。
バシンッ!という響き。
麻酔してるから痛くもなく、怖くもなく。
お腹のムシのBGMの中、あっという間に終わった。
先生が取り出した組織をケースに入れて見せてくれた。
「これね、この小さいの。」
なんか、水の中にプカプカ浮かぶゴミみたいなものが4つ。
これが。
ひょっとしたら。
検査結果は来週。
それまで、私はふわふわしながら過ごす。
気になるけど、どうもできないこの感じ。
なんでもありませんように。
何度も何度も心でつぶやくけど、それもどこかふわふわしてた。