2024年8月19日(月)満月

外に出ると、雨だった。
言うまでもないが、手動車椅子ユーザーは傘がさせない。
背中もシャワーを浴びていた時に、肉離れしたのか攣ったのか、一部が永遠に痛かった。
健常者は色々と信じられないかもしれないが、カーテンを自分ひとりでは開けれない環境で暮らしている(2022年春から家賃を下げなければいけなくなったため)僕は、雨雲データや天気予報は見たが、外に出るまでは(雨が降っているのか)解らなかった。
一瞬、引き返したが、電車に乗り遅れたくなくて、雨に濡れる覚悟を決めた。
車椅子のハンドリムはアルミ製のツルツルの鉄で、雨に濡れると手の摩擦がなくなる。大変だった。
天下茶屋駅の最終列車で日本橋駅へ。
土砂降りの中、びしょ濡れで車いす移動。
目指していたカフェに着いた。
近くにいたメイドの格好をした女性に段差介助をお願いした。優しく対応してくれた。
カフェのドアを開けた。下に向けて3段くらいの大きな段差があった。
店内は満席で、みんな一斉に僕を見た。
一瞬で、僕は店を出た。
雨は相変わらず強く、隣のホテルの前で雨宿りした。まさかの、3年前に宿泊したホテルだった。
例のカフェに電話した。
一言一句そのまま書くとこうだった。
「すみません、今、お店の前にいるんですけど、僕が車椅子でして、抱えて入れていただけませんか。」そう伝えた。
すると、「あー、うちはそういうのやっていないんですよー。」と即答だった。
なるほどだった。
カードコンシェルから聞いてもらうことにした。経験上、男性スタッフが2名以上いたら、大概の所は対応してもらえるし、コンシェルから言ってもらったら対応が逆転したことが何度もあったため。これも悲しい現実。
電話してくれたみたいだが、①何かあった時に責任が取れない、②カフェのオーナーから「対応できない」という指示があった、という二つの理由で対応不可能で入店できなかった。
責任は求めていない。
障害者差別解消法は、まだまだ現場によって、あってないようなもの。
土砂降りの中、心斎橋から難波へ向かった。
深夜でも開いている店をスマホで検索したかったが、速度制限がかかっていた。急いで1Gバイト購入した。しかし、速度は変わらず遅かった。
何とか、Googleマップに24時間営業と書いてある店に電話した。
しかし、閉まっていたり、テイクアウトのみの店が続いた。
やっと、ガストを見つけ、入店できた。
高い段差が2段あったが、介助して上げてもらうようにお願いした。
恐らく、若い留学生アルバイトの方だと思うが、躊躇せず受け入れてくれて、互いに息がぴったりスムーズに入店できた。
彼の対応と理解力は神対応と言っても過言ではなかった。10秒ほどのやり取りだった。
人口10万人強の地元にもガストはあって、中学生時代までたまに利用していた。ガストは不思議と、良い事しかない。

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