1000字で特捜部Q (原作)語り
『特捜部Q』は、デンマーク生まれの作家ユッシ・エーズラ・オールスン(Jussi Adler-Olsen)によって書かれたシリーズ小説。
北欧ミステリーとジャンル分けされることもあるが、警察と犯人双方のストーリーが交互に描かれ 終盤で両者が重なり合う構成は、どちらかと言うとサスペンスに近い。
ストーリー運びが毎回巧みで、この冬どっぷりはまっている。
なお一部の作品は映像化されており、2024年現在各種配信サービスで見ることもできる。
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全タイトルはこちら。
この中のいくつかはガラスの鍵賞(2010・北欧5カ国)、黄金の月桂樹賞(2011・デンマーク)、バリー賞(2012・米国)等、国内外で数々の賞を受賞している。
※2023年、シリーズ最終話となる10作目が発表された。邦訳が待ち遠しい!
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コペンハーゲン警察の警部補であるカール・マーク。
偏屈な性格で周囲から煙たがられていた彼は、新設部署「特捜部Q」の責任者を任される。
地下室に作られたその部署は 過去の未解決事件を扱うのが仕事であったが、要するに厄介者のカールを体良く追いやった形であった。
更にそこへシリア出身のアサドと名乗る男が加わり、いつしか2人は多くの不可解な事件を調査することになる─。
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特捜部Qは、シリーズ全作品を通して取り扱うテーマが重い。宗教二世とか優生思想とか。
それでも娯楽として読めるのは、この2人のおかげである。
性格が捻くれていて、妻とは別居中。
仕事上の過失から部下を失いPTSDに悩んでいる傍ら、複数の女性に鼻の下を伸ばすカール。
職場にエキゾチックな食べ物や祈祷用のカーペットを持ち込み、不慣れなデンマーク語に苦戦するアサド。
パーフェクトなヒーローからは程遠い2人がいつも謎の事件に巻き込まれ、ドジも踏みつつ犯人を追い詰めるさまが、一度とりつかれたら抜け出せない魅力なのだ。
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幸福度世界一だとかヒュッゲだとか、そう言ったトピックで語られがちなデンマーク。
しかしここにあるのはデンマーク人作家による飾り気のない(むしろダークな)姿のデンマークである。
嫌いじゃないかも、と思われた方は、ぜひ一度手に取ってみて頂きたい。
シリーズ1〜7作目までKindle Unlimited対象(2024年1月現在)なので、この冬じっくり読む本としてもおすすめだ。
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⚫︎おまけ⚫︎
出版元である早川書房さんの公式ノート。
Kindle Unlimitedへのリンク付きです。
⬛︎見出し画像のコペンハーゲン警察写真:
《 Københavns Politigård.jpg 》
Wikimedia Commons
CC BY-SA-2.5(文字入れは筆者)