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患者さんの運動指導上手にできていますか?

おはようございます。今回は運動療法での声掛け(キューイング)の仕方について書いていこうと思います。

なぜ書こうと思ったかというと、現在、整形外科クリニックで働いているのですが、僕自身の臨床の悩みとして

・運動療法を行うけど患者がどんな動きをしたら良いか伝わってない
・患者さんに「続かない」「家だと正しく運動を行うことができない」
 と言われる
・運動療法で代償動作がでる→自分が手で介助してしまう→患者が一人 
 ではできないと感じてしまう→患者がクリニックに依存し、家で生活習慣    
 の見直しや運動をしなくなる
・そもそも自分の言い回しのレパートリーが少ない

こういった悩みがあり、今でも時折悩むことがあります。
そこで、声掛けに注目してより運動療法の効果を引き出すコツを書いていこうと思います。

運動療法についてメニューや指導に悩んでいる方の参考になれば幸いです。

目次
1.キューイングとは
2.キューイングの種類
3.実際でのキューイングの例

1.キューイングとは
キューイングとは対象者が運動を行う時に、相手に気づきを与えて、動きの癖を考えてもらうことヒントを出すことだと思います。

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リハでは患者に必要と思って様々な運動療法を行うと思います。しかし必要な運動=患者が苦手、もしくは日常で足りない運動になるので代償動作が多くみられます。そこで運動を正しく行うためにヒントが必要になります。そこでキューイングが必要になります。

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理学療法士の方だと「知識はあるけど、患者に説明するときに専門用語になりすぎて、うまく伝わらない、」もしくは「ここをこうやってください、膝の曲げ伸ばしをしてください」と抽象的な表現になったり、このリハの何が大事なのか上手く表現できないことがありませんでしたか?

少なくとも僕はそうでした、、

リハ中に大事なのはメニューも大事ですがセラピストがセラピストが患者さん自身に体の動かし方、自分の癖を考えさせること(キューイング)でより効果を引き出すことができると思います。

2.キューイングの種類
キューイングには大まかに3種類に分けられます

①ビジュアルキューイング(視覚的)

見てわかる、視覚でわかる指示のことです。見本を見せたり、逆にNG動作を実際に行って見せてあげたりすることです。初めてやるときはまずは手本を見せることで患者さんもイメージしやすくなると思います。

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運動方向や回数を身振り手振りで表すジェスチャーもビジュアルキューイングに当てはまると思います。

また、ひと工夫として鏡や窓の位置、天井を基準に声替えするとさらに患者さんがイメージしやすくなります。

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例)四つ這いで骨盤前傾を促したい→「尾てい骨を天井に向けましょう」→自然と骨盤前傾を促せる
横臥位で運動する時→「鏡に体の前半分すべて映るように姿勢保ちながらやりましょう」→鏡に映った自分をみることで自然に骨盤の前傾後傾方向に崩れるの防いだり、上半身が丸まるのを防げる

このように視覚によってヒントを与えて行います。

②タックタイルキューイング(直接身体に触れる)

タックタイルキューイングは直接患者さんに触れてヒントを出していきます。基本は押したり、引っ張らないようにします。

また、複数個所には同時に触らないようにします。(左右対称の場所はOK)同時にいろんな箇所を触ってしまうと情報過多になりかえって何をしたらいいかわからなくなるからです。

理学療法士の場合、ROMや評価で直接触れる機会が多いため、ついつい運動するときにも自分の手で誘導してしまうことが多いのではないでしょうか?

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しかしタックタイルのみよりはビジュアルキューイングや後述するバーバルキューイングも組み合わせることで運動療法の効果をさらに引き出すことができます。

③バーバルキューイング(聞いてわかる指示)

バーバルキューイング(イメージキューイング)とは相手に動きをイメージさせてヒントを与えていきます。

例として、
胸椎の伸展を出したい時→「自分が風船になって上に体が浮いていくように」
骨盤後傾を出したい→「おへそに水が流れ込むように」
股関節屈曲を出したい→「股関節の付け根で割りばしを挟むように」

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このように相手に動きをイメージさせてヒントを与えます。ついつい「胸を張りましょう」と直接的な表現で言ってしまうと、患者さんだと普段胸椎が動いてないので代わりに腰椎が過剰に前弯したり、顎が上がったりしてしまいます。

なのでイメージしながら行うことでより自然に出したい動きを引き出すことができます。

気を付けることはたくさん言いすぎないこと、動作に合わせて動きを止めさせないようなタイミングで声掛けするようにします。

3.実際のキューイングの例

実際に僕が声掛けで行っているキューイングの例として、

ブリッジでは、

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「スプーンでお尻から背中へ持ち上げられていくように持ち上げていきます」「降ろすときは背中から順にひとつひとつ背骨を降ろしていきます。」
上げるときには股関節伸展の促通、骨盤の後傾、下げるときには骨盤の前傾、脊柱を分節的に動かすことができる

「おへそをみぞおち側に引き込みましょう」
→骨盤後傾、腹筋群の促通、大腿直筋など股関節前面のストレッチを強めることができる

四つ這い位での運動では

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「尾てい骨を天井に向けましょう」「前に握手するように手を遠くに伸ばしましょう」「後ろの足は鉛筆のように遠くに伸ばします」

尾てい骨を天井に向ける→骨盤の前傾を促す  
前に握手→肩が内旋位にならないよう誘導  
後ろの足が鉛筆→骨盤の前弯増強、回旋による代償を防ぐ

横臥位での運動では

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「体の前半分が鏡に映るように姿勢を整えましょう」「後ろは崖になっているので後ろに傾いて落っこちないようにしましょう」「おなかの下から噴水が出てると思って服が濡れないようにしましょう」

鏡に映るように、後ろが崖になっていいる→骨盤が後ろに流れたり、上半身が前に流れるのを防ぐ
噴水が出ている→骨盤をニュートラルポジションで保持できるように誘導する

このようにさまざまなキューイングを取り入れることでより運動療法の効果を引き出すことができると思います

また、個人的な感覚ですがより患者さん自身が「難しいけど楽しい」と言ってくれたり、「家でやってるけど他にもできる運動や生活で気を付けることある?」など以前より患者さん自身が運動や日常生活について興味を持ってくれた気がします。

臨床の参考になれば幸いです。最後まで読んで頂きありがとうございました。



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りょう 理学療法士×ピラティス
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