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第47回・イロトリドリノ世界を束ねましょう

私には、小さい頃から収集癖がある。

日本のバブル経済絶頂期、欲しいモノが簡単に手に入った時代の中で育った、私や同世代の人間に刷り込まれてしまった、一種の現代病とも言っても良いのかもしれないが、だからと言って、その時代の日本に生きた全ての人間が、そうではないと、始めにハッキリと書いておこう。

それを言い訳のように書いたところで、今度は私が色々と勘違いと誤解を刷り込んでしまう結果にもなりかねない。
ほぼ冗談で書いたことで、ナンダカンダと言われても、対応が大変だし面倒だし…まぁそもそも対応もするつもりはないから、だから正直に書いて先に収束させておこう。

収集癖は、生まれ持った性分です!自前です!と。

もう何年も前になるが、あるブランドが、何十種類ものカラーバリエーションでフリースを販売した時は、着もしないのに、何色も欲しくなった。
当時の私がそこそこ手持のお金を持っていたら、何かの勘違いと誤解で、全色買っていた可能性もある。

まぁ、私は何を着てもそこそこ似合ってしまうので、ほぼほぼ全色持っていても困りはしなかっただろうけど、とりあえず試しに一際気に入った色を1着だけ買った。
結果、全く着なかった覚えがある。
好みの色と、似合う色は、必ず一緒とは限らないのだと、あの時勉強させていただいた。
勉強だと考えれば、安くて最高に良い買い物だった。
なので収集は1色で済んだ。感謝である。

もう、文房具店なんて行ったら大変だ。
常に強く興味がある場所なので、年に1度や2度は足を運ぶのだが、その度に、ペンやクレヨンや絵具などなど、全色揃えたい衝動を我慢するのに、エネルギーを使い過ぎてしまい、結局お店を出る頃には、疲れ果てて、その足で喫茶店に飛び込み、しばしの休憩をとる羽目になる。
そして、思い出すのだ。
「あれ?文房具屋には…何しに行ったんだっけ?」と。
実際に筆ペンは60色くらい買ってしまったこともあった。

初めての収集は、キーホルダーだった。
何故か父親が出張の度に、お土産にキーホルダーを買ってくるようになり、それを大切にしていた。

キーホルダーは、読んで字の如く、鍵をまとめて束ねておくモノだが、私が最初に貰ったキーホルダーには、その後に貰った、えげつないほどの数のキーホルダーが束ねられた。
目の前に出されたら、一瞬それが何なのか…大きくて重い金属系の塊。
たぶん、その気になれば、凶器にもなったと思う。

ただ、それを収集と言って良いのかは、微妙なところだ。
それらは、父親が選んで、私にくれたモノを、私が大切に束ねていただけなのであって、自分で選んではいないからだ。
あれでは収集癖ではなく、収束癖だ。

では、次回は自分で選んだモノの話をしようと思う。

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