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留守番電話と尊敬語で考えた話(ランダム単語) 第三話
noteオリジナル小説を書きたいと思い投稿してみます。
ランダムに単語を出現させるサイトで偶然出た(留守番電話)(尊敬語)を組み合わせて考えた小説です。読んでいただけると幸いです。なるべく短い話数で終わる予定です。よろしくお願いいたします。下記よりスタートします。
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「そもそもあんたは気づかなかったのかい?この学校が突然おかしくなったってことに」
「どういうことです?」
「あたしらが入学したばかりの頃は、別に変ったことないただの平凡な学校だっただろ?むしろ今とは真逆で、みんな大人しい感じの奴らばかりだった」
「そ、そうだったんですか?い、いや、僕は入学式の当日から半月ほど休んでいましたから」
「あれ?そうだったけ?同じクラスなのに気が付かなった。そんだけ存在感薄いって事だろうけどね」
「ま、まあ色々あったんですよ・・・」
その話をさっきしようと思っていたんだけどな。
「それからしばらくしてだな、ある日を境に急にみんなの様子がおかしくなったのは。校長や先公までもがみんな乱暴になっちまった」
「つまり今の状態ですよね。僕も驚きました。半月休んでようやく遅れて新学期を迎えようとした矢先にあの雰囲気でしたから」
「まあ正直さっぱりわからないね。どうしてみんな急におかしくなっちまったか。最初は姉貴に聞こうと思ったんだよ。姉貴は三月であたしと入れ替わりで卒業したからさ」
「お姉さんがいらっしゃったんですか」
「・・・その、いらっしゃったとかいう喋りいい加減止めなよ、また目ぇつけられるぞ」
「そ、そう言われましても。僕は昔からこうやって躾けられてきたんですから・・・」
「あ~あ、あたしは無理だね、そんな喋り方。気持ちわりぃ」
咲はそう言ってそっぽを向いた。確かに今の咲にはお世辞にも似合わない喋り方だろうけど、例の白ワンピ姿の咲だったら、きっと似合うだろうし清楚で素晴らしい女性になるのになと思った。
「・・・あ、あの、それで話を戻しますけどお姉さんから聞いたって話・・・」
「ん?ああ、とにかく姉貴が言うには三月まで別に普段通りだったんだって。詳しく話を聞こうと思ったけど、それから携帯をあの有留の奴に取り上げられちまった」
「校則違反だから仕方ないですよ。それにここは全寮制だから外に行くこともできないですしね」
「そうさ、これじゃまるで監獄だよ。只でさえ山の上にある学校だ。街の様子も全くわからないし。姉貴の頃は全寮制であっても出かけるのは割と自由だったのにさ」
「そうですか・・・、いったいこの学校に何が・・・」
暫く沈黙が続く。すると校舎の方からチャイムが鳴るのが聞こえてきた。ふと我に返る僕。そういえば、僕らは自習の時間を抜け出してプール横の更衣室にいるんだった。いつまでもこんな所にいるのはまずい。また先生に見つかる前に教室に戻らなければ・・・。
「・・・よし、行ってみるか」
ふと、咲はそう言うと、校舎の一角をじっと見つめていた。
「あ、あの行くってどこに?」
「あんたもついてきな。ちょっとこの学校の謎を解き明かしてみようじゃないか」
咲はそう言って、小さく微笑んだ。彼女にとっては記憶にも残らない小さい仕草だったんだろうが、僕には強烈に印象に残る仕草だった・・・。