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小さな海
あなたが目から落としたものはこの紫色の鱗ですか。それとも小さな海ですか。
記憶がまちまちなんだよ。一度も記憶したことのない日々が香り付きで襲ってくる。銀色の色鉛筆がただのねずみ色になっちゃうみたいな、現実にしたらいけない思い出。
確かに好きだった気がする。すごく好きだった気がする。「気がする」メインの恋愛。君の住む街で育った野菜をわざわざ買うような僕だったね。
僕はどこまで変わっても僕のままなの。もらった言葉は忘れたよ。どうやって好きって伝える人だったっけ。3回引っ越したよ。結婚しちゃったよ。名前さえ変わったよ。一緒に見た瀬戸内海を吸い込んで、ろ過して目から流さないでよ。今は東京湾を眺めているよ。さよなら
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![伊藤七 | ライター](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/4573567/profile_166b13571ac80dd6dd9bcce4952683c2.jpg?width=600&crop=1:1,smart)