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【生きのびる日記】ライター以外にも少しだけ収入がある

目が覚めると、お腹がきりっと痛む。PMSのせいだ。今日明日はゆったり過ごしても良いだろう。抱き枕を抱えながら、そう決めた。

とはいえ人との約束は守りたい。木曜日は本の発送日だ。わたしはエッセイ集と歌集を販売していて、歌集は今回初めて出荷する。

ひとりひとりに小さな手紙を書き、クイックポストの準備をする。車に乗り込みセブンへ向かい、宛名を印刷。そのままセブンのポストに本を投函する。

郵送作業は苦手な方だ。手先が不器用だからテープやのりをきれいに使えないし、あると思っていた文房具が手元になくて何度も買うはめになる。物理的な事務作業は向いてない。

それでも「やりたくない」とは思わない。本を届けられる嬉しさを感じられるので、細々と続けていきたい気持ちの方が強い。

わたしは今、Webライターを本業にしている。だけどきのうは出張占い鑑定を、今日は本の発送作業をした。副業というよりは、小さな生業(なりわい)と呼びたいものたち。

自分の仕事を小さくやる人たちは「なりわい」という言葉を好むけど、実際のところはどんな意味だろう? 新明解国語辞典を引いてみた。

【生業(なりわい)】
「生業(せいぎょう)」のやや古風な表現。家業。

【生業(せいぎょう)】
生活のもとでを得るための職業。家業。

【元手(もとで)】
何かをする元として必要なもの。元金。

新明解国語辞典 第八版

想像していたよりもライスワーク感が強い。では、同じく好まれる言葉「小商い」はどうだろう。

【小商い(こあきない)】
小資本でする商売。

新明解国語辞典 第八版

うーん、いまいちピンとこない。

小さいながらも生活を助けてくれるわけだし、「小さな生業(なりわい)」と呼ぶのは不自然ではないだろう。そういうことにしておこう。

本が5冊売れると、売上は5,000円。たった5,000円と感じるか、されど5,000円と感じるか。

やりたいことをやって、お金を払ってまで買ってくれる人がいるありがたさ。まず、何よりもこの関係性に強い意味を感じる。ありがとうございます。

まとまった給与に比べたら、5,000円という金額は少ないかもしれない。でも、好きな種屋さんの種を16種類も購入できる金額だ。1,000円の寿司ランチなら5回食べられる。ちょっと高めの本は2冊購入できる。約1ヶ月分のガソリン代とも言える。バイトだったら、5時間働かなきゃもらえない金額だ。だとしたら、5時間をプレゼントされたと言ってもいい。

「5,000円でやれること」を具体的に考えると、それは決して小さな金額ではないことが分かる。人に生かされているという感謝の気持ちも溢れてくる。

去年の今頃は、Webライターではなく、自分の仕事だけで食べていこうと思っていた。占いやイベントがその例だ。でも、自分の特性やスピードが分かった結果、いきなり自分の仕事だけで食べていくのはハードルが高いと感じた。だからライター業も始めることにした。

これは失敗だったのか?そうは思わない。去年いろいろと手を出したおかげで、小さな生業を持つことができた。思ったとおりにはいかなくたって、イコール失敗ではない。自分の手札として、十分味方になってくれている、小さな生業たち。

ライターとして生活費を稼ぎつつ、小さな生業をいくつか持つ。週5で出勤して働くルートからは外れたわたしでもできる働き方。

いくつかの収入源を持つこと。それも「クライアントの分散」などではなく、仕組みからまったく異なるものを複数持つこと。

王道の働き方ができない人間にとっての生きのびる方法のひとつだな、と思った。ライター業も小さな生業も、まだまだこれから。全部自分の味方にしながら、長期戦で育てていく。


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伊藤七 | ライター
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