【朝礼 9/3】Bリーグの経営戦略をオリックス元宮内オーナーの書籍から答え合わせをしてみる
「諦めないオーナー プロ野球改革挑戦記」という日経BPさまの書籍の編集に携わった白壁さんから献本いただき、拝読させていただきました。
オリックス前オーナーとしての34年の軌跡であり、長期低迷からパリーグ3連覇までの裏側が赤裸々に記されています。手前味噌ですが、宮内前オーナーの長期間かけてたどり着いたオリックスという球団の成功とプロ野球とはどうあるべきかの答えと今のBリーグの経営戦略はかなり近いなと感じましたので、朝礼でお話しさせていただきました。
長期低迷の要因として2つ挙げていました。
1.多忙すぎて、球団にエネルギーを注ぐことが出来なかった。
2.球団経営の採算性を現場に強く求めすぎた。
特に2.が興味深かったです。決して、野球で儲けようと考えていたわけではなく、毎年少しづつ赤字幅を減らしていき、自立の道を歩むべきだという信念があったようです。欧米では、スポーツもビジネスとして成立していたことも念頭にあったようです。この考えは、正しいはずなのに、なぜ上手くいかなかったのか。
現場が、収支をあわせねばと考えた時、稼ぐよりもコスト削減に走り出したとのことです。稼ぐよりも抑える方が楽ですからね。結果、ケチケチ経営、その場しのぎ経営になり、今シーズンどうするか、短期的な視点に陥ったと。チームにおいても、場当たり的な補強を繰り返して、うまくいかなかった。やはり、チームワーク、チームバランスが大切だとも述べていました。激しく同意です。
コストダウンだけでなく、自ら事業創出をしてなんとかしなくてはなりません。つまりビジネス、稼ぐことに向かう組織カルチャーが重要であると説いています。これは単なる一球団の話ではなく、どの球団も収益を追求するからこそ市場は大きくなり、プロ野球が発展すると。他球団オーナーにも働きかけたとのことです。
オリックスだけでなく、プロ野球の復活の背景には、このような動きがあるのだと思いました。やはり、球団がビジネスに貪欲になることと業界発展の因果関係はあるなと確信。つねに、クラブの成長無くしてリーグの発展無し、リーグの発展無くしてバスケ界の繁栄無し、と言っている身としてはかなり共感共鳴できました。
やはり、赤字が続くと短期視点の経営に陥りやすい。また、帳尻合わせになる。逆に黒字体質になると、長期視点で経営ができることが大きいとも。まさにです。短期視点は必要ですが、長期視点もないと長い繁栄はあり得ません。自転車操業では厳しいですから。
ビジネスがうまく回るようになり、長期視点経営とチーム作りができるようになったことで、チームは強くなり3連覇に繋がったと。短期的な現場と長期的なチーム作りの両面のバランスをとるGMを置いたのも功を奏したと。現場感覚と経営感覚のバランスは大切ですね。
球団が赤字だとプロ野球は発展しないと結んでいます。
Bリーグに置き換えると、あらためてしっかりクラブが稼ぐ、稼げるようになることが大切です。リーグは、ガバナンスを効かせて、全体最適に導く。今、ようやく黒字体質になったことでBリーグもキッズ、ユース、海外戦略など長期的に取り組まないといけない事業にも投資できるようになりました。まさに、B.革新が様々な課題解決のエッセンスを概ね包含しています。
宮内オーナーが34年かけて挑んできた歴史とBリーグのアプローチを重ねることで、クラブが稼げる仕組み、リーグも黒字体質を維持していくことの重要性を確認して、長期視点で持続可能なリーグを作っていきましょうと結んでいます。
Bリーグの関係者の皆さまには、進んでいる道は間違っていなく、自信をもって良いことだと思ってもらえたら嬉しいです。今日も頑張りましょう。