分散化する社会とメディアの変遷
インターネット時代の到来により、情報発信の形態は大きく変わりました。例えば、新聞は200~300万部を発行し、5000人のスタッフで制作されていますが、YouTubeではたった1人が150万人ものフォロワーを持つことが可能です。影響力の面では似ているかもしれませんが、個人での活動には限界があり、長期間続けるのは難しいでしょう。
5大新聞、5社ニュースがネットでは多チャンネル化。そのような中でトップに立つ期間は短く、リーダーとして社会に影響を与え続ける人物が少なくなっています。
また、インターネットではアルゴリズムによって情報が操作されており、一般の人々がアクセスできる情報は全体の10~20%に過ぎません。たとえ有名なインフルエンサーであっても、国民全体に影響を与えることは難しく、結果として社会は多くの「島宇宙」に分断されてしまいます。
このような分散化された社会において、従来の民主主義の在り方も見直す必要があるでしょう。世代や地域、職業、趣味が異なる人々の間で共有できる論点が少なくなり、メディアが中立性を保つことが難しくなっています。選挙においても、候補者を選ぶ際の情報処理は限界に達しており、新しいアプローチが求められています。
今後は、人間が発信するチャンネルだけに頼るのではなく、無意識的なデータまで活用することで、より分散化された社会に適した民主主義の形を模索していくことが重要となります。
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