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団塊世代から団塊ジュニア、そしてその子どもたち

団塊世代とは、第二次世界大戦後の1947年から1949年に生まれた世代を指し、このわずか3年間で約800万人が生まれました。この現象は「第一次ベビーブーム」として記憶されています。そして、その団塊世代の子どもたちが成長し、1971年から1974年に生まれた世代を「団塊ジュニア世代」と呼びます。この時期も約800万人が生まれ、「第二次ベビーブーム」として注目されました。

しかし、その後の日本の出生動向を見ると、団塊ジュニア世代の子どもたちによる第三次ベビーブームは発生しませんでした。なぜでしょうか?

団塊ジュニア世代と少子化の背景

団塊ジュニア世代が子どもを持つ年齢(20代~30代)に達した1990年代から2000年代、日本ではすでに少子化が進行していました。特に1989年には、合計特殊出生率が1.57まで低下し、「1.57ショック」として社会問題化しました。この時期、以下のような要因が出生率の低下に影響しました。

  1. 晩婚化・非婚化の進行
    団塊ジュニア世代は、晩婚化や非婚化が顕著になった最初の世代です。経済的安定が難しい時代背景もあり、結婚を選ばない、または遅らせる傾向が強まりました。

  2. 就職氷河期の影響
    団塊ジュニア世代は、1990年代の就職氷河期に社会に出た世代です。非正規雇用が増え、長期的な経済的安定を得るのが難しく、結婚や出産を先延ばしにする人が増えました。

  3. 女性の社会進出と価値観の変化
    女性の教育水準が向上し、キャリア志向が高まったことで、結婚や子育てを後回しにする選択が増加。また、仕事と育児を両立するための社会的支援が十分ではない状況が、出産数の減少を助長しました。

現在の課題と未来

団塊ジュニア世代の子どもたちによる出生数が増えなかったことで、少子高齢化はさらに加速しています。この背景には、経済的不安定や社会制度の不備が大きく関係しています。現在では、育児支援や働き方改革が進められていますが、根本的な解決にはさらなる取り組みが必要です。団塊ジュニア世代が直面した課題を理解することが、少子化を食い止めるヒントになるかもしれません。


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