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仕事やプライベートに忙しいZ世代もペットに癒されたい?
こんにちは、10INC.で主に定量調査を担当している村松です。
今回は「Z世代のペット意識」というトピックでお伺いした結果についてご紹介いたします。
一般社団法人ペットフード協会が2023年に実施した「全国犬猫飼育実態調査」によると、犬・猫の飼育頭数が、犬は684万4千頭、猫は906万9千頭の合計1,591万頭という結果になったそうです。そしてこの合計数は、同年の15歳未満の子ども人口、1,417万人を超えているのです!少子化が示すように「産まない選択」をする人が増える一方で、「ペットを家族に迎える、迎えたい」と思うZ世代はどれくらいいるのでしょうか?
ペット飼育についての考え方も併せて意見を聞いてみました。
Z世代のペット意識
ペットを飼っているor飼いたいと思う割合は?
「ペットと一緒に暮らしている」人は8%と少数ですが、「現在ペットを飼っていないけれど飼いたいと思っている」人が半数に上ります。
同居問わずペットを飼っている人と飼いたいと思っている人を合わせると、65%がペットを飼うことに前向きという結果になりました。
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飼いたいと思うペットの種類はダントツで「犬」。2位の「猫」と倍の差がついています。
なお、犬、猫両方選択は33%(12人)、犬のみ選択は47%(17人)、猫のみ選択は8%(3人)でした。
飼いたいと思うペットの種類(複数回答)(ペット飼育/飼育意向者ベース:n=36)
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ペットを飼う良さとペットと一緒にしたいこと
「ペットを飼う良さ」として“癒し”が多く見られました。お世話や触れ合いを通じて、癒しや元気がもらえたり自身の健康的な生活の一助になることも期待されているようです。
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ペットと一緒にしたいことは「自家用車でのドライブ」や「一緒に食事を楽しむ」が多く、家族や友人、恋人と同じような存在感です。
一方で、「公共交通機関」よりも「自家用車」が高いことから、交通手段の制約が意識されている様子もうかがえます。
ペットと一緒にしたいこと(複数回答):Top5(ペットを飼っている/飼いたいと思っている人n=36)
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ペットを飼うことの懸念点は?
ペットを飼いたいけれど飼っていない理由(懸念点)として多くみられたのが「ペット可の物件」探しや引っ越し。次いで、飼育費用や毎日のお世話が挙がりました。ペットと暮らす住環境の確保に難しさが感じられています。
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次世代ペット?ペットロボットについて
“ペットロボット”にどれくらい興味がある?
では、“住環境の調整もお世話も不要!”を実現する「ペットロボット」について。Z世代の70%が興味を示していませんでした。
やはり“生き物”である暖かさや予測不能な動きなど、現在のロボットにはない点がペットに求められているようです。一方で、“ロボットであること”を最大限に活かし、日常生活をサポートしてくれる機能搭載を期待する声もみられました。
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まとめ
Z世代の多くがペットを飼って癒しと元気をもらいたいと感じているものの、住環境や費用、お世話への懸念から踏み出せない、だけどペットロボットはちょっと違う・・・。
理想のペットライフはいくつもハードルがあり、実現が難しいと感じながらも、リアルなペット≒癒しの存在を求めるZ世代のキモチを垣間見ることができました。
ペット飼育意向の高さからペットビジネスの市場規模も拡大が期待されていますが、同時に生活必需品の物価高や住宅面積の縮小化など、ブレーキをかける要因も連日のようにニュースになっています。
一方、海外にも目を向けてみますと「ペットヒューマニゼーション」、ペットを家族の一員として扱い、食生活やライフスタイルのトレンドを人間同様に当てはめるいわゆる「ペットの人間化」の傾向が広がっています。
この傾向は特にZ世代や、より若いミレニアム世代で顕著となっており、米国が2022年に実施した世論調査では、Z世代の70%が「子供を持つよりもペットを飼うことを好む」という結果もあります※1。
ペットを“子供”と同等に扱う人が増えたことでペット産業も拡大、こだわりの食事から高度な医療まで、ペットに関するサービスも多様化し支出も年々増加しています。
ただし、ペットへの支出を厭わない人は「経済的な余裕がある」層に限られているようです。
首都圏で暮らすZ世代にとって癒しのペットはどのような存在となっていくのか。様々な視点から深堀、確認を継続的していきたいと思います。
最後に
時々YoutubeやSNSでキラキラした飼い主とキラキラしたペットの生活を目にすることがあり、すごいなぁ、と感心しています。
とはいえ個人的には保護犬、保護猫ちゃん達がたくましく成長して、安心して暮らせるおうちと巡り会って穏やかに暮らしているものが好きです。
将来は保護猫をお迎えしたいと思っているので、今回の調査で挙げられたハードルを一つ一つクリアしつつ、双方が幸せなペットライフに向けて準備したいと思います。
【参考データ】
※1 Furry Family Members: The humanization of the pet care industry
https://www.linkedin.com/pulse/furry-family-members-humanization-pet-care-industry-niqbrandbank
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【調査概要】
実査機関:自主調査(10INC.)
調査手法:オンラインコミュニティ調査(MROC)
対象地域:一都三県
調査期間:2024年9月18日(水) ~ 2024年9月24日(火)
調査対象者: 20歳~27歳のZ世代・48人(男性23人:女性25人)
※本調査結果を転載される場合は、
「10Inc調べ- https://10inc.co.jp/」と併記をお願いします。