【OAK】スプリングトレーニングの展望・見所
早いもので、今年もスプリングトレーニングの季節が到来しました。
何年MLBを見ても、バッテリー組がキャンプインしてから、実戦が始まるこの2週間程度のスピード感に慣れることは無いでしょう😂
慌ただしさの中、これから1ヶ月と少しに及ぶスプリングトレーニングが始まります。
プレーオフ争いに加わるほとんどのチームにとっては、スプリングトレーニングは主力の調整の場であり、若手やロスター外のベテランの競争のために残されたスポットは数えられる程度。
しかし、目下再建中であり、デプスチャートが不透明なアスレチックスの場合は話が別。
確約されたスポットは両手に収まるほどしかなく、残りは全てがスプリングトレーニングの競争に委ねられます。
スプリングトレーニングが持つ意味合いというものが、今年のアスレチックスの場合はことさらに重く、目が離せない状況となること間違いありません。
先発ローテ争い
STの競争の目玉となるのが、先発ローテ争いです。
新加入の藤浪晋太郎のローテ入りを気にする日本メディアもいますが、藤浪含めた3人のベテランのローテ入りは濃厚な雰囲気。
藤浪以外では、同じくアジアからの新加入のドリュー・ルチンスキ、そして昨年オールスター選出のポール・ブラックバーンがローテ入り確実と見られています。
開幕投手が藤浪になる可能性は無きにしも非ずですが、チーム最古参かつ実績のあるブラックバーンが大役を務めるオッズが最も低いでしょう。
ブラックバーンが開幕投手というのも、ファンからしてみればなかなか感慨深いものですね。
そして、残されたローテスポットは2枠。この2枠を主に6人のスターターで争うことが予想されます。
この中でも、実績はあるがオプションはないキャプレリアンが、ひとまずは開幕ローテに入る可能性は高いのではないかと思います。
キャプレリアンが昨年途中から図ったと思われる修正とそこからの復調については、こちらのnoteに詳しく書いています。
キャプレリアン以外の候補は、全員がサービスタイム1年未満の若手となります。
キャプレリアンに次ぐ候補と見られるのが、○を付けたグループ。ここは昨シーズン途中以降に獲得した投手プロスペクトで、前評判も比較的高い若手たちのグループです。
中でも、ウォルディチャックとマラーはTop100リストにも名を連ねた経験がある、大きなポテンシャルの持ち主です。
エース候補でもあるこの2人が競争を勝ち抜いてくれるというシナリオは望ましいところですね。
そして△を付けたのが、昨オフに獲得した中堅レベルのプロスペクトのグループ。
オラーとマルティネスの2人は○のグループほどのポテンシャルは無いかもしれませんが、昨年メジャーで揉まれた経験とリリーフ適性という強みを持っています。
そのため、ローテ争いのみならず開幕ロスター争いというカテゴリにおいても、注目に値するでしょう。
一塁手&外野手による争い
先発ローテ争いと同様、一塁手と外野手による争いも白熱することが予想されています。
主軸に成長しつつあるセス・ブラウン、復活を期すラモン・ローレアーノ、そして新加入のヘスス・アギラーの出場機会が確約されています。
そして、空いているスポットはまずセンター、そしてファーストあるいはレフト。後者に関しては、誰が競争を勝ち抜くかによってブラウンの一塁/外野の出場比率が変わってくるでしょう。
競争に加わると見られているのが、主にこの9名。
順当に行けば開幕ロスター入りしそうなのが、◎のグループ。
この3人はいずれも新加入で、フロントが長年望んだ待望の逸材たち、と言っても良い3人です。
ショーン・マーフィーのトレードで加入したエステウリ・ルイズは、獲得当初に正センターへの定着を期待されていました。
順当ならば、ルイズが正センターに収まるのではないでしょうか。
ブレデイはAJ パクとのトレードで加入した、貴重なスラッガー候補。本職は両翼ですが、昨年はチーム事情からセンターも多く守りました。
ブレデイもその期待の高さから、開幕ロスター入りが予想されますが、ブラウンとの兼ね合いから、センターで使って打席を確保するとの試みもあり得るでしょう。
ライアン・ノダはルール5ドラフトからの加入。ルール5ドラフティーはマイナーに降格させられないということもあって、ノダが開幕ロスターに残る可能性は高いと思われます。
○印はクリスチャン・パチェの1人のみとしました。パチェの処遇は、本当にこのスプリングトレーニングに懸かっています。
マット・オルソンとのトレードで加入したかつてのトッププロスペクトも、今やオプション切れ。
昨年はメジャーへの適応に苦しみ、今年はライバルが大量に加入したことによって、早くも正念場に立たされています。
パチェの問題はなんといっても粗い打撃。フロントはパチェがこの春にアプローチが改善しているかを見極めるつもりだそうです。
△印のグループの多くがプロスペクトとしては中堅レベルで、昨年もメジャーでプレー経験がある面々。
上記の4人に比べると、優先してロスターに入れる理由が無いといえば無いのが正直なところです。
ただ、怪我が発生した場合など、シーズン中に昇格するチャンスは数多くあるでしょうから、アピールをしておきたいところです。
昨年、短い期間ながらもインパクトを残したケイペルやガルシアらがデプスとして控えるのは心強いですね。
MLB.comのランキングで一塁手プロスペクトランキング5位につけたジョーダン・ディアスはシーズン中の昇格に期待がかかります。
AAAでの経験すら乏しいため開幕ロスターは現実的ではないですが、この春はWBCコロンビア代表としての活躍にフォーカスしてほしいですね。
ブルペンの最後の枠争い
補強をトレバー・メイしか施さず、セットアップだったAJ パクを失ったブルペンは非常に不透明な状態です。
メイに加えて、昨年も活躍したダニー・ヒメネス、ザック・ジャクソン、ドミンゴ・アセベド、サム・モールらは開幕ロスターに入ることでしょう。
候補は以下の通り。
まず40人枠内のスニードとスミスは、よほどのことがない限り開幕ロスターに入ることでしょう。
しかし、スニードとスミスを入れても、まだ7人。オーソドックスに先発5人・ブルペン8人で回すならば、まだスポットが余ります。
アダム・オラーやエイドリアン・マルティネスのような先発投手をロングリリーバーとして入れる可能性もありますが、アスレチックスは2020年以来必ずST招待選手(NRI)に枠を割いています。
NRIの中でも、最もロスターに近そうなのはドリュー・ステッケンライダーです。
2021年はマリナーズで62試合に登板してERA2.00の大活躍でしたが、昨年は一転して不振に。
ただ、球速の低下などはなく、コーチング次第では復活の可能性が高いと思います。
ステッケンライダーの次に来るとしたら、昨年オリオールズでも投げたリコ・ガルシアとジェイク・フィッシュマンの2人かもしれません。
ガルシアはホップ型の4シームを含めたスタッフに期待が持てる右腕で、フィッシュマンは変則左腕です。
そしてメジャー経験がない投手で興味深いのは、デラクルーズとウィリアムズの2名です。
制球面の課題こそあれ、2人とも元のチームでは有望株として評価されていた時期もあり、スペックの高さに期待できます。
開幕ロスターの予想&考察
ここまで、STで繰り広げられる競争について紹介してきました。
ここからは、ST前の状況での開幕ロスター予想をしていきます。
ひとまずはオプションがないパチェ、オプションが他のライバルに比べると少ないマラーがスポットを勝ち取ると予想しました。
ブルペンもステッケンライダーのセレクトを予想しましたが、正直このレベルの投手が並ぶのであれば6人ローテも検討すべきです。
スニード以下3名はリプレイスメントレベル。ウォルディチャックとシアーズがローテから漏れるくらいならば、ブルペンを1人削ってローテを増やしても問題ないのではないでしょうか。
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