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【OAK】オフシーズンの概観

2023シーズンはとても重要!

アスレチックスは昨オフから再び再建モードに入り、FAが近づく主力を一斉に放出。
再建2年目となる2023シーズンは、再建のフェーズを推し進める上で非常に重要になってきます。

A'sは昨年ニック・アレン、シェイ・ランガリアーズ、ケン・ウォルディチャックといったプロスペクトたちがデビュー。
さらに現状のファームシステムの2トップであるタイラー・ソダ―ストロムとザック・ゲロフが共にAAAでシーズンを終えるなど、傘下のプロスペクトたちも昇格が目前に迫っています。

こういったプロスペクトたちをマイナーから卒業させ、MLBでプレーさせること、そして誰が次の勝負期を担う選手になるのを見極める、というのが2022年後半に引き続き2023年のテーマになってきます。
また、内部からの育成を促すのみならず、中長期的なオプションとなり得る選手がいれば、外部補強にも積極的に動いてほしい所です。


2022-23オフのポイント!

2023シーズンの出来が再建の命運を握っていると言っても過言ではない、と思っています。そしてもちろん2023シーズンに臨む上でオフシーズンもとっても大事です。以下からは「売り」と「買い」の両面でのポイントを挙げていきます。

ショーン・マーフィーを売り切れるか?

オフに突入する時点で盛んに噂されるのがショーン・マーフィーのトレード放出です。

前回の勝負期からの正捕手であるマーフィーは、今季キャリアハイとなるfWAR5.1を記録。昨年ゴールドグラブ獲得の高い守備力はもちろん、捕手としては十二分な打力を有する球界屈指の捕手に成長しました。

マーフィーは今オフが初めての年俸調停となり、保有期間は残り3年とまだまだFAまで先がある選手です。
再建のサイクルを考えても、エクステンションを試み、次の勝負期でもマスクを被ってもらおうと考えるのが普通だと思います。
しかし、未だに新球場計画の目処が立たず、財政事情の先行き暗いアスレチックスにはエクステンションできる余裕はありそうにないのが現実。

チームはマット・オルソンとのトレードでマイナー屈指の捕手プロスペクトであるシェイ・ランガリアーズを獲得し、ひとまずマーフィーの後釜候補を確保。
ランガリアーズは順調な成長を見せてメジャーに到達したため、今オフで価値の高いマーフィーを放出し、来年からは正捕手をランガリアーズに託すというのが既定路線のように思われます。

個人的にも、今オフ中に放出すべきという意見です。
マーフィーは素晴らしい選手ですが、保有期間が3年残る今オフ以上にトレードバリューの高いタイミングが来る、という可能性に賭けることは悪手です。もともと怪我とは無縁というわけではないですから、そろそろ勤続疲労も気がかりです。
何しろ、ランガリアーズという最高の保険が控えているため、売りの方が安全策になるでしょう。


今オフはFA市場にウィルソン・コントレラス、クリスチャン・バスケスら、さらにトレード市場にもブルージェイズの優秀な若手捕手陣(モレノ/ジャンセンら)と、移籍市場に捕手の選択肢が多いのも確か。

その中でマーフィーが他の選択肢と差別化できる要素があるとすれば、

・純粋なパフォーマンスで一番。
・まだ28歳と衰えのリスクは低く、これから全盛期を迎える可能性も。
・Arb期間のためコストパフォーマンスが抜群。

といった要素が挙げられます。
トレードを介しての獲得のためプロスペクトを失うことにはなるでしょうが、それを押してでもマーフィー獲得にチャレンジするであろう球団をいくつか考えてみました。


まず最も噂されている球団がセントルイス・カーディナルスです。カーディナルスは引退したヤディアー・モリーナの穴埋めという難題に直面しています。

また、カーディナルスは例年150-160M付近のペイロール推移ですが、2023年は既に確定している契約分+調停予想総額でおよそ123Mほど。サラリースペースも潤沢とは言えない状況ですから、コストパフォーマンスに抜けるマーフィーを追い求める理由はあります。
また、対価の問題も、ノーラン・ゴーマンやアレク・バールソンをはじめ、ポジションが埋まっている若手の整理で解決する可能性があります。


そして、タンパベイ・レイズも候補のひとつです。
捕手のデプスは、メジャー・マイナー上級ともに絶対的な存在は不在。常に優秀な若手の整理に追われるレイズが、マーフィーに食指を伸ばす可能性をジョン・モロシ記者などが報じています。
レイズからの対価としては、ジョシュ・ロウやジョナサン・アランダら既に昇格済みのプロスペクトが思い浮かびます。マーフィーとほぼ1:1とのトレードになるような大ぶりなピースが動くよりも、量が担保されるトレードになるのではないでしょうか。

良いパッケージを引っ張れるめぼしいトレードアセットはショーン・マーフィーで最後になります。ランガリアーズ、アレンでセンターラインは固まりつつあるため、打撃に期待できる次世代のコア候補の獲得に期待しています。


ローテーションはほぼ補強いらず?

ここからは補強について。

まず補強が特段求められないポジションは、先発ローテでしょう。現時点で先発ローテのスポットが確約されていると言って良いのはコール・アービンのみですが、頭数自体は揃っています。

ポール・ブラックバーン(健康であれば確約されそうですが)
ジェームズ・キャプリエリアン
ケン・ウォルディチャック
JP シアーズ
アダム・オラー
エイドリアン・マルティネス
ザック・ローグ

と今年ローテーションを経験した投手だけでも7人います。さらに先発再転向すればAJ パク、有望株のルイス・メディーナとホーガン・ハリスなども先発ローテ争いに加わる可能性があります。

それでも通年でローテーションを回した経験がある投手はもちろん不在。マイナー契約などで、ベテランを確保するのは必須事項でしょう。
もしローテ投手とメジャー契約するのであれば、ショーン・マナエアのような投手とバウンスバック狙いの単年契約を結ぶといったことが考えられます。


補強できるポジションはコーナーIFと控え捕手

レギュラークラスの補強を必要としないポジションは、ローレアーノとブラウンが埋める外野2ポジション、ケンプが務める左打ちの2B/LFのオプション、アレンが守るSSとランガリアーズが担うであろう正捕手でしょう。

育成を重視しながらも、補強に動いても良いと思うポジションは、コーナーのポジションです。

一塁に関しては、ダルミス・ガルシアにジョーダン・ディアス、そしてジョナ・ブライドが現存するオプションですが、いずれも右打ち。
左打ちの一塁手にはブラウンがいますが、ブラウンの守備適性は一塁よりも外野にあり、外野で使っていたほうがバリューも高まります。また、一塁手の方が打力にこだわった選出ができるため、ブラウンを外野に回せるような一塁手を補強するほうが良いと思います。

もうひとつのコーナーのポジション、三塁は現存のオプションがどれをとっても小粒。MLBレベルにあるヴィマエル・マシーン、ジョナ・ブライド、ケビン・スミスらはいずれもUTタイプで、コーナーに相応しい打力を発揮できるかに疑問が残ります。

先ほど挙げたノーラン・ゴーマンの獲得が成ればいいのですが、そうでなくともFA市場でエヴァン・ロンゴリアのようなベテランとの契約も有りだとお思います。


そして、マーフィーをトレードとした暁には、控え捕手の追加が必要になります。内部には控え捕手の適役が存在しないため、ここばかりは外部からの補強に頼らざるをえないでしょう。
ルール5ドラフトやマイナー契約での補強も視野に入れつつも、タッカー・バーンハートのような経験あるベテランとの契約を狙ってほしいところです。


ブルペンは枚数を増やすべき

ダニ―・ヒメネスやザック・ジャクソンをはじめ、たくさんの掘り出し物が見つかったブルペンですが、今年も新たな掘り出し物を見つけるべく動いていくでしょう。

前回の再建期でブレイク・トライネン、ヘスス・ルザルドとシェルドン・ノイジーをトレードでもたらしたのは、2人のリリーバーなのです。

補強候補として挙がってくるのはシェルビー・ミラーやカルロス・エステベスといった地味ながらもアップサイドのある投手たちです。しかし、アップサイドを見込んでいる球団は他にも数多くおり、この2投手は既に市場で興味を集めているようです(やめて~)



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