カナレット、ヴェネツィアとロンドン。のんびり見聞録 - 4
マイクロソフトエッジとグーグルクロームを用途によって使い分けているのですが、今日マイクロソフトの方を開いたらこんな素敵な絵に出会いました。ヴェネツィアの風景だそうです。画像はメトロポリタン美術館から。記事後半にはオクスフォード生の渾身のジョークもあるので、良かったら読んでいってください。
カナレットは18世紀イタリアの芸術家。説明によると、彼はヴェネツィアの風景を20もの絵におさめたのだとか。ヴェネツィアはわたしが大好きな街のひとつです。ヴェネツィア以外にも、彼が住んだロンドンの絵もあるのだとか。
先日ロンドンを初めて訪れたばかりなので気になって調べてみました。
ロトゥンダというのは、円形の建物などを指すそうです。画像のキャプションを押すと、ナショナルギャラリーのサイトに行くようになっていると思いますが、拡大していろいろ見てみると、生き生きした空気が伝わってくるようで良いですね。
真ん中のベンチに座る人を拡大してよく見てみると……透けている!?
絵のサイズを確認したら、「47 × 75.6 cm」とのことなので、かなり小さい油画であることが分かりました。なるほど、パソコンがなければ分からなかったことが見えてしまっただけでした。
わたしはいろいろと拡大するのが好きなので、なけなしのお金をはたいて買った一眼レフカメラを持って美術館や博物館に行くと(欧州では撮影OKのことが多いのです)、なんでもかんでも拡大して一部だけを撮っては、ホクホクした気持ちで見返しています。
こちらはイートン校。イートンって有名ですが、改めて調べてみたら、ケンブリッジ大学キングスカレッジ校の姉妹校という位置づけなのだとか。イギリスにはどうやら、9つの格式ある学校というのがあるらしく、イートン校もそのひとつ。
ロンドンを訪問した際、16時頃に街を歩いていたら、可愛らしい制服を着た子どもやティーンエージャーたちが友達同士、あるいはお父さんやお母さんに手を引かれているのを見かけました。そこで「Eaton」というロゴの入った鮮やかな緑色のハンドバッグを持った爽やかなお父さんと小さな男の子を見て、これがあのイートン校か~なんて思ったのですが、日本でもよく耳にするイートンは「Eton」と綴るのを、今回初めて知りました。
ちなみに「Eaton」の方も気になって調べてみると、こちらもとても良さそうな学校でした。
ロンドンでは、教育にお金をかける家庭が多いんでしょうね。逆にお金をかけられないと、ちょっと治安が心配な地域で暮らさなければならないということもあるようですから、社会を見るときは様々な角度から見ることが大切です。こう考えると、公立校でも一定以上の教育を受けられる日本というのは、たいして悪くもないんじゃないかと感じます。といっても、個人的には日本の学校がどうも肌に合わずに苦労したんですけどね。
こちらの「イートン校」の絵を拡大してみると、右下の方に背中を丸めた犬がいるのが分かります。イートン校だけでなく、オクスフォード大学など寮(ハウス/カレッジ)に学生が住むような学校では、寮で動物を飼うことが多いのだそうです。よく飼われるのは犬だそうで、この犬ももしかしたらイートン校の生徒たちに愛された犬なのかもと思うと、なんだか絵の見え方も変わってきます。
先日ロンドンを訪れた際、日帰りでオクスフォードにも行ってきたのですが、そこで参加したツアーの現役学生ガイドによると、オクスフォードの各カレッジでは、亀を飼うことが多いのだそうです。というのも、亀は長生きだし、キャベツか何かをあげておけば基本的には健康でいてくれるからだそうな。
アフリカの考古学を専攻する話し上手な学生の話は続きます。
あるとき、とあるカレッジの飼い亀が突然姿を消したのだそうです。そのカレッジの亀(♀)は、「カレッジ対抗亀レース」で毎年優勝していた貴重な亀。いなくなってはカレッジ全体の損失です。どこを探しても見つからないし、いくら亀レースで連続1位を獲得していたとはいえ、亀は亀、そんなに遠くに逃げるはずもありません。しかも40年ほど同じ建物でおとなしく飼われていた亀なのですから、突然逃げ出すはずはない!と考えたカレッジの学生は、敵対する隣のカレッジを疑い始めます。そこで彼らはある作戦を思いつきました。
ところで、オクスフォード大学では「芝生」がとても大切にされています。芝生に立ち入ることは、基本的に誰であっても禁止されているのです。たしかに観光中、どこの芝生も綺麗に手入れされており、必ず「立ち入り禁止」と書かれたプレートが付いていました。
隣のカレッジの亀盗みを疑う学生たちは、これを利用しました。まずひつじを用意した彼らは、1匹目のひつじに「1」と書き、敵対するカレッジの芝生に放ちました。2匹目のひつじには「2」と記して、同じように相手の芝生へそっと放ちました。ひつじたちは美味しそうにせっせと草を食みます。
さて、3匹目のひつじにはなんと書いたのでしょう?
なんと彼らは3匹目のひつじに、「4」と書いたのです。
敵対する学生たちが、ずうっと3番のひつじを探し回るように!
……これが、考古学の学生が自信たっぷりに話してくれた笑い話でした。大学生ってどこの国でもこういう面白いことを思いつくものなんでしょうか。イギリスの「カレッジ」というシステムは、わたしには馴染みもなければ興味もないようなものと思っていたのですが、こういう話を聞くともっと知りたい!と感じるようになりますね。
この楽しい考古学の学生は学生ローンを借りているそうで、おそらく生活費を工面するためにガイドのバイトをしているようです。どうか彼が、彼の望む道を進めますように!