見出し画像

浪漫飛行、80s邦楽そして洋楽の話

米米CLUB「浪漫飛行」のカバー集が出るとの報。

YouTubeには、公式からはライブ版しか上がってないよね、と思ったらオリジナルのスタジオ音源のPVもトリビュート盤発売告知した日に上がってた。

常々気になっていたのは、オリジナルのアレンジの起伏の少なさと淡々としているさま(後半に向けて音数は増えるものの)。

イントロからメインフレーズはシンセ、ドラムは打ち込み、ベースもシンセベースだし手弾きか判断に迷う。ギターもなし(2コーラス目Aメロのバックの歪んだ単音はシンセと判断に迷うけど)。シンセも派手なオブリガードは無し。

が、その淡々とした感じがメロディの良さを最大限に生かしているとも感じる。ギターやベース等、アタックを出す楽器がないからこその浮遊感も。

この曲の初出は1987年(シングルカットされ、ヒットしたのは1990年)。
思えば、この淡々としたアレンジというのは80年代のカラーの1つだったとも言えるか。
70年代ハードロックやプログレからの揺り戻し、パンク、3分間ポップスの復興。

Time After TimeにEye in the Sky(この2曲はミスチル「Tomorrow Never Knows」制作時に意識されていたらしい。イントロ〜1サビまでの淡々さ)。

Hold Me Now (よく言われる「そして僕は途方に暮れる」はEvery Breath You Takeのパクリ説、意識してるのはどちらかといえばこちららしい)、等々。

ちなみに、「淡々さ」を感じさせる要素としては、
1、抑揚の少ない8分音符の刻み(主に鍵盤かベースかドラムス)
2、シンプル、ミニマルなフレーズの繰り返し
3、コードの動き、展開の少なさ
4、コードの切り替わりが小節の頭
5、ギターの存在感の希薄さ
あたりが挙げられると思う。

それにしても、PVに出てるメンバーでレコーディングに参加したのって、カールスモーキーとあと誰よ。コーラスもほぼ自分っぽいし。
でもこの曲に関しては、そんな記名性の薄さが淡々とした浮遊感と相まって、普遍性に繋がったように感じる。

と、ここまで書いて検索してみたら、本当にカールスモーキー1人でやってたのか。

石井「レコーディングは俺一人なんですよ。あれ、よ~く聴いてみてください。俺の声しか入ってないんです。“アーアー”とかやってる、“アーウーもの”のコーラスから、“アーウーオー”のみんなでやっている風な声まで、全部俺の声なんです」

どこまで本当かわからないにしても、メンバーにそっぽ向かれた曲がミリオン行くこともあるのだから、それもまた面白い。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?