![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/32009577/rectangle_large_type_2_d13cabfedd727e05fd2517d0f58e171d.jpeg?width=1200)
生きていくこと
人生とは、ままならないものだと感じる方は多いと思います。
もちろん何事も思い通りに進むなどということは、まずないことでしょう。
人が病気になるということも、まさにそういうことだと思います。
私がSLEという病気になったときも、そんな感じでした。
23歳という、元気いっぱいで何事も恐れずこなせるような年齢のときに、病気に突然なるなどと誰が予想するでしょう。
私は本当に、元気だけが取り柄の人間でした。
元気に仕事をしていれば、資格や知識がなくてもとりあえずは受け入れてもらえます。
その時の仕事の介護現場では、ご高齢の方々に元気な若者は孫のように可愛がってもらえました。
あって当たり前だと思っていた元気が、突然なくなるなんてどうして予想できるでしょう。
今手に持っているものは、いつまでもその手にあるとは限らないのです。
なくなったものは、容易に取り戻せるものではありません。
なくなってしまった、自分にはなにもないと、嘆いても戻ってきません。
それでも泣くな嘆くな、すぐに前を向けというのは、なんとも酷な話です。
なくなったものの重要さが一番わかるのは、そのなくしてしまった本人でしょう。
なくしてしまった辛さや悲しみも、その人が一番わかるでしょう。
悲しんだり落ち込んだりするのは当然です。
すぐに立ち上がれる人など、そういるものではないでしょう。
それでも、残念ながらいつまでも嘆いてばかりいても始まらないのも、また事実です。
人生とは、本当にままならないものです。
それでも、人生は歩んでいかねばならないものです。
生きているのですから、生きている人間は人生を歩まねば。
SLEは難病ですが、死が間近にある病気ではありません。
かつて務めていた介護現場に、ALSの患者さんがいました。
その方は既に、首から下は全く動かすことができずにいました。
将来、呼吸が難しくなった際の人工呼吸器の装着は、拒否されていました。
日々着実に、死に近づいていく病気です。
その方に、この病気になったので仕事を辞めるご挨拶に伺った際に言われた言葉が、私がくじけそうになったときの、人生を歩もうと思える支えです。
「君は死ぬことはない。だから頑張って生きなさい。普通の人と違う体になってしまったが、君は死なない。だから生きなさい。」
病気になって弱気になっている、絶望している心を見透かされているようでした。
いろんな辛い病気があるでしょう。
いろんな辛い人生があるでしょう。
それでも死ぬことはないのなら、生きなければ。
生きているならば、人生を歩まねば。
辛いこと、ままならないことばかりの昨今ですが、日々生きて少しでも歩を進めて。
沈んでしまっているときは、沈んでいてもいいのです。
沈んでいても、生きているのですから。
生きていれば、人生を歩んでいけるのですから。
深呼吸をしてみて下さい。
それが生きている証拠ですよ。
#沈んでいるとき
#生きていくこと