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「空飛ぶ龍を見た」 友人が長野で体験した不思議な話

以前、身代わり札に守られて生きる知人の話を紹介しましたが、

この話もそんな霊感体質のK子が長野県で体験した不思議な話です。

大学時代の夏休みの小旅行で、友人二人と連れ立って長野県の箕輪町を訪れた彼女。南アルプスの雄大な自然を眺めながら、おだやかに過ぎゆく時間。東京生まれ東京育ちの彼女にとって、風光明媚なかの地で過ごした数日は、今でも記憶に残る貴重な体験だったそうです。

ある日のこと。午前中から観光を楽しんだ一行は、休憩がてらに町内の公園に行ってみることに。広々とした公園内には、大きな川が流れていました。

おだやかに流れる川面を見ながら、何をしゃべるでもなくボーッとする三人。ふとK子さんは空を見上げたそうです。夏らしい入道雲が空に浮かぶなか、雲ではない何かが蛇行しながら飛んでいるのを目にしました。

「蛇? 空を飛んでる? なんで!?」

白色ではなく色があった。間違いなくくすんだ黄色に近い細長い生き物が飛翔していた--。そして次の瞬間、再び驚愕します。

「よく見ると、胴体に手が生えているし、頭にはツノがある…もしかして、龍!?」

もともと霊感の強いK子さんは、日常生活でも動物ではなにかを見かけることはよくあったそうですが、このときばかりは声を上げて「ねえ! あれ見える!? 龍じゃない!?」と叫んでしまいました。

ところが友人たちは「え、何も見えないよ? 雲じゃない?」と訝しむばかり。

K子さんは「絶対に違うのに!私、はっきり見えてるよ…!」と心のなかで声を上げましたが、せっかくの旅行で頭のおかしい子と思われるのが嫌で、「そ、そっか…見間違いかな…」と唇を噛んだ。

生まれて初めて龍を見た興奮で、その後公園でどのように過ごしてかはっきり覚えていないようですが、ひとつだけ衝撃とともに記憶していることがあるそうです。

旅館へと帰るときに、公園の入り口にある石造の看板に何気なく目をやると、

「みのわ天竜川公園」

という文字が目に入ってきました。

「天高く飛ぶ竜…やっぱり私が見たのは龍だったのかもしれない」

一説によると、天竜川の命名の由来にはこんな話があるそうです。

天竜川の名前の由来は、龍が天に上る時に現在の天竜川を使って
上ったことから天竜川という名前がつけられた。

それ以降、一度も天竜川を訪れてはいないというK子さん。

コロナ禍でなかなか旅行に行くのが難しいご時世ですが、今度天竜川を訪れる際は僕も一緒に連れて行ってほしいとは、彼女に伝えておきました。



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