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2024良かった美術館・アート企画展

今年、2024年も多くの美術館・アートの企画展にも脚を運びました。
私自身、離婚を経験していなかったらこんなにも美術館やアートの企画に間違いなく行っていなかったと思います。
当然今の状況に望んでなったわけではないですし、最初は観て、感じて、考え、自分の中で言語化するその過程が、ココロの空白を埋めることに寄与している気もしていましたが、今となっては必要不可欠なものになっている気がします。

今年脚を運んだ美術館・アートの企画展をわかる範囲で最下段に書いてみましたが、40を超える美術館・企画展でした。
端折ってるところもあるかと思うので、細かいところもカウントすると実際はもっと沢山だったかと。
全然意識していなかったけど、こうやって振り返って見ると、けっこう色んな作品に触れさせて頂いたのだなと思いました。
2024年は芸術祭も多く開催された年で、私も、「札幌国際芸術祭2024」、「100年後芸術祭」、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024」、「北アルプス国際芸術祭」と4つの芸術祭にも行くことができました。

これもまた「2024読んで良かった本」と同じで、どれが良かったかと甲乙つけがたいのですが、完全なる私の主観で、今年行って良かったなぁと思う美術館やアート企画展BEST10(10個内の順位は付けません!)を
ここに掲載させて頂きます。

それでは、どうぞ。

①佐久島
アート×島というと、瀬戸内海を思い浮かべる方が殆どかと思います。私も2023年に多くの瀬戸内海の島アートに足を運びました。
そんな中未だ行けていなくて行きたかった佐久島へ。
本当は2月に名古屋に行く機会があったので、その機会に立ち寄ろうと思っていたのですが、土砂降りで断念。
春の訪れを感じる3月に行ってきました。そう、ここは愛知県にあるのです。控えめに言って良かった。中部地方に住んでいらっしゃったら、都会に疲れたりしたら日帰りでここに来るのいいなと思いました。
フェリーで直ぐに島には渡れるものの、一度島に入ると、何処にいるのかわからなくなるような、そんな美しい風景でした。
ママチャリをレンタルし、気持ちよく散策。島全体がアート。私は青木野枝作の「空の水一山」が好きでした。

イーストハウス
荒木由香里作「星を想う場所」
ママチャリで周る。チャリ通学を思い出す
おひるねハウス
青木野枝作「空の水一山」

②清春芸術村
山梨県には子供の頃から何度も来ているのに、知らなかった清春芸術村。
北杜市の南アルプス近くにあります。
安藤忠雄さんの建築物を調べている時にこの清春芸術村の存在を知りました。南アルプスを望めるその場所に幾つかのアート建築が建てられていて、気持ちの良い空間です。
私はその中でも、安藤忠雄設計の「光の美術館」が好きでした。人工照明が一切なく、日の光りだけで、天候や季節、時間によって内部の雰囲気が変わる、とても趣のあるところです。光の美術館内部に飾られている、ピカソの後継者とも言われるアントニ・クラーベの作品も素敵でした。

ラ・リューシュ
光の美術館 安藤忠雄設計
時間や天候で中の様子は変わる
照明は一切無し
アントニ・クラーベの作品
ルオー礼拝堂
茶室 徹 藤森照信設計

③茅ケ崎市美術館(フランシス真悟~色と空間を冒険する~展)
現住まいからも近い茅ケ崎市美術館で行われたフランシス真悟さんの展覧会。
昔、この美術館に本当近い場所に暮らしていたこともあるのだけど、その時はこんな素敵な美術館があるとは知りませんでした。その頃は、中小企業診断士の勉強やサーフィンがメインでアートをなかなか観に行ってなかったというのもあるのだと思います。
フランシス真悟さんの作品、初めて観ましたが、すごく好きになりました。見る角度、光の量によって、まったく違う景色になる。
こんな言い方は良くないかもしれませんが、静止画のジェームズ・タレルのような。作品点数は多くなくても、かなり長いこと見入っていました。写真や動画も撮って良いと。また展覧会があった時には必ず来たいと思います。

見る角度で異なる表情を魅せる
陽の入り方、照明によっても見え方が異なる

④中札内美術村、六花の森
北海道は帯広にある、中札内美術村、六花の森。
中札内美術村と六花の森は、別々の敷地にあるものの、ほど近く、そして、同じ六花亭がプロデュースされていることで纏めて。
中札内美術村、六花亭アートヴィレッジ。自然の中に美術館が幾つも配置された素敵な場所。
私が行った時、六花亭のブラスバンド部の方に引き留められ(ブラスバンド部があるのですねぇ)、拝聴しました。アート作品もさることながら、大自然の中でこだまする音楽、良かったです。

六花の森の方は、坂本直行の作品がメイン。
六花亭といえばあの包装紙…で有名ですが、それを描いた坂本直行の絵達を観ることができます。もともと山岳絵画の描き手の坂本直行。様々な日高山脈の絵たちが素敵でした。写真は撮れない空間でしたが、私は「直行絶筆館」に圧倒されて今も記憶に凄い残っています。坂本直行が最期に描いた風景。未完となった『原野の柏林と日高山脈』が公開されているのですが、その迫力が凄くて。
そして、”森”というだけあって、素晴らしい空間でした。

自然がそのままアートのような空間
六花亭ブラスバンド部
相原求一朗美術館 敷地内に美術館が複数在る
ロダンの作品も
坂本直行の作品を多く鑑賞できます
六花亭の包装紙を思い出しますね
六花亭の限定の御菓子も購入できます

⑤富山市ガラス美術館
富山駅に近い市街地に現れる外観も際立ったその姿。
内部も外観に負けない素敵な空間。
そして、展示されているガラスアートの作品は息を飲むものばかりでした。
逆に車では行きにくいので、是非、新幹線などで富山を訪れた時は行ってみて欲しいです。

外観はガラスのような際立つ美しさ
内観もとても美しいです
一番好きだった松尾里奈さん作「unknown unknown」

⑥北アルプス国際芸術祭2024
長野県は信濃大町。町全体で繰り広げられた北アルプス国際芸術祭2024。北アルプス国際芸術祭の存在はかなり前から知っていて、
毎回ホームページを見ては行きたいなと思ってただけで留まっていたいたこの芸術祭。やっと見に来ることができました。
山に溶け込み、湖に溶け込み、空に溶け込む。いい景色とアートが観られました。

目[mé]作「Tangible Landscape」
ヨウ・ウェンフー〈游文富〉(台湾)作「竹の波」
アレクサンドラ・コヴァレヴァ&佐藤敬/KASA(ロシア・日本)作「水の記憶」
ケイトリン・RC・ブラウン&ウェイン・ギャレット(カナダ)作「ささやきは嵐の目のなかに」
ダナ・アワルタニ(パレスチナ)作「道がぶつかる時」
浅井裕介作「土の泉」
宮山香里作「空の根っこ -Le Radici Del Cielo-」
イアン・ケア(イギリス)作「相阿弥プロジェクト モノクロームー大町」
山本基作「時に宿る」

⑦国東半島アート(アントニーゴームリー作「ANOTHER TIME XX」)
大分県にある国東半島。
ここで約10年前に行われた芸術祭のアート作品が未だ多く残っており、
行ってみたいなと思っていた国東半島にも来ることができました。なかなか大分に来る機会は無いものの、貯まっていたマイルを使って。

崖の上からずっと人知れず佇むアントニー・ゴームリー作「ANOTHER TIME XX」。2013年から瀬戸内海を見つめている。風雪にさらされ、10年以上。
時を経て、来るタイミングによってその姿は違うでしょうし、鉄の塊であるこの像もいつか山に還るのでしょう。
私がこの崖を登って観に来た間、誰も来ませんでした。
この像が観ている景色を30分ほど私も観て、この場を後にしました。今、この時も何があろうとあそこに居る。その思い返すこの過程自体もアートのような気がしてなりません。

東を向く。その先には瀬戸内海
実に10年以上この地に
そして今もあそこに在る

⑧不均質な自然と人の美術館
こちらも同じく国東半島にある、不均質な自然と人の美術館。
国東半島に行く機会があった時には必ず寄ってみたいと思っていた所。
館内は「太陽と月の部屋」、「海の部屋」、「森の部屋」の3つがあるのですが、その中でも「太陽と月の部屋」が素晴らしかった。

288個の小窓で覆われていて、それぞれのピアノの音に合わせて開閉。私が行った日は曇りがちな天気だったということもあり、最初、あまり陽が差し込んでいませんでした。何故、“太陽と月の部屋”という名前なのだろう?と思っていましたが、暫く居ると、晴れてきた。それでわかりました。
確かに、太陽と月が床に映し出されている!と。私は長居をしたのでわかったのですが、同じタイミングで入られた方は出ていってしまった人もいたので、これを見せてあげたかったな。
スタッフの方曰く、その場にいる人の数などによって、小窓の動きやピアノの音など違うらしいです。
国東半島、晴れている日に行かれた方は是非行ってみてください。

アートな部屋が3つ
現れた太陽と月

⑨ラムネ温泉
アートなのに温泉?と思いましたよね笑。
仰る通りなのですが、この温泉が感動的過ぎたのと、アート要素もあったので、ノミネート。
まず、建築が素晴らしく、これも今年に行きましたが、滋賀県、近江八幡にある“ラコリーナ近江八幡”、そして②の清春芸術村の中にも作品がある藤森照信さんの建築で、イラストは南伸坊さんのイラストでした。
そして肝心の温泉は…、
私は温泉に詳しいわけではないものの、私が過去に入った温泉で、一番効果を感じられた温泉でした。正直凄いの一言。
大分や別府から車で1時間ほどなのですが、ラムネ温泉もあるこの"長湯温泉”のエリアは世界屈指の炭酸が豊富にある温泉地のようですね。高濃度天然炭酸泉。世界的に見ても大変希少な温泉だそうで、世界有数の炭酸温泉地と知られる長湯温泉内でもここラムネ温泉が1番炭酸ガス含有量が多いそうです。
その炭酸ガス含有量は1400PPM、入浴剤バブの15倍だそうです笑。泉温は32°Cと低いので、寒い時期は併設されているサウナや、温かいにごり湯と併用が良いようです。
私はラムネ温泉に1時間くらい浸かって、その後にごり湯に入るといういう形でした。本当、温泉に入って気づくと身体中に泡が付いています。このラムネ温泉の主な効果は「血行促進」だそうです。
どうやら、これだけの炭酸を皮膚から取り込むと身体が酸素不足だと勘違いするそうで、酸素摂取量が自ずと多くなるそうです。結果、ダイエットやトレーニングにも良いのだとか。
何より、入った後の身体のスッキリ感と、顔にも入った後、何もつけなくても突っ張ったりせず、いつもと違う感じがとてもわかります。びっくりしすぎて、2日間の滞在で2回来てしまいました。しかも、温泉自体に殺菌効果もあるので、洗い場など無し。純粋に温泉に入るのみのシンプルさでした。マジでオススメです。

南伸坊さんの可愛いイラストがお出迎え
建築は藤森照信の設計
私が入った過去一の温泉でした
本当に沢山横断してますw
可愛いニャンコ達がお昼寝


⑩江の浦測候所(冬至光遥拝会)
神奈川県は小田原、根府川にある江の浦測候所。
杉本博司さんプロデュースのアート施設です。
私も既に何度か行っています。
冬至の朝には晴れて陽がきちんと入ればこの施設内にある冬至光遥拝隧道を朝陽が貫く。
その姿を見たくて今年も応募(抽選に当たらないと入れません!)。
何と有難いことに2年連続で当選しました。
そして、今年は冬至光遥拝隧道を貫く朝陽を見ることができました。
これはまた別途記事として書きたいと思いますが、今年もBEST10の中に入ってくる美しさでした。
江の浦測候所は冬至光遥拝会でなくても本当に素敵な空間ですので、是非行ってみてください(入場は要予約です!)。


冬至光遥拝隧道
隧道を貫く朝陽
言葉が出ない


以上が私の2024良かった美術館・アート企画展BEST10でした。
こうして少し俯瞰して見てみると、私は自然とアートが溶け込んだ、そんな空間が非常に好きなのかもしれません。
勿論、絵画単品、彫刻単体で見る、そのこと自体も素晴らしく、好きなのですが、空間全体で感じ取れる何かが好きなのかもなと改めて感じた次第でした。

あくまで私の独断と偏見ではありますが、行かれて後悔することは無い、
どれも素敵な場所、アートですので、少しでもこの記事を読まれた方の参考になれば幸いです。
長文にお付き合い頂きありがとうございました。

最後に私が今年訪れた美術館・アート企画展を掲載しておきます。
・アーツ前橋(ニューホライズン 歴史から未来へ)
・原ミュージアムアーク
・札幌国際芸術祭2024
・あべのハルカス美術館(円空-旅して、彫って、祈って)
・相国寺承天閣美術館
・豊田市美術館(未完の始まり~未来のヴアンダーカンマー)
・メナード美術館
・静岡市美術館(高畑勲展)
・建長寺(水墨無常~現代水墨表現~)
・麻布台ヒルズギャラリー(オラファーエリアソン展)
・東京国立近代美術館(美術館の春祭り)
・国立新美術館(マティス展)
・佐久島
・清春芸術村
・山梨県立美術館
・MIHO MUSEUM
・佐川美術館
・100年後芸術祭2024(千葉県)
・市原湖畔美術館
・茅ケ崎市美術館(フランシス真悟~色と空間を冒険する~展)
・中札内美術村
・六花の森
・二子玉川ライズスタジオ&ホール(鈴木康広展)
・Coffee Supreme×アダチマリ展
・中谷宇吉郎雪の科学館
・富山市ガラス美術館
・富山県美術館
・富山県水墨美術館
・谷村美術館
・大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024
・大谷資料館
・teamLab Borderless
・北アルプス国際芸術祭2024
・国東半島アート(大分)
・不均質な自然と人の美術館
・ラムネ温泉
・Comico ART Museum
・大分県立美術館(かわいい日本美術)
・北のアルプ美術館
・諸橋近代美術館
・ポーラ美術館(フィリップ・パレーノこの場所、あの空)
・江の浦測候所(冬至光遥拝会)

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