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105\\\ ぼくが空気を見ていたら、空気の方もまた、ぼくの方を見ていた。
長いこと、太極拳風の練習をしていました。太極拳「風」というのは、ぼくはまだ「正式」に、中国の太極拳の老師から直伝や真伝を得たことはありませんし、日本人の太極拳の先生からは少しは学んだことはありましたが、あれが「本当」の太極拳かどうか不明です。そういうわけですのでぼくは、太極拳「風」という表現を、よくしております。
正式伝統太極拳ではなくて、ぼく式の「太極拳風」です。ですから、ぼくは練習の時に、自由に練習スタイルを自分流に遊び風に楽しめる様にアレンジしたものにしています。
特に音楽を取り入れたり、踊り風に動いてみたり、全身をゆるめるための変わったチカラヌキ運動をくわえたり、相手との触れ方も、前衛風舞踊にしてみたり、などなどです。
正式な伝統太極拳に学んでゆくというよりは、どこまでも自分の内側のエネルギーの流れを表現した呼吸法や型の動き、触れ合いコミュニケーションとしての練習スタイルにしています。
ゆっくりと柔らかく動く時は確かに太極拳風ではありますが、使う音楽をアルゼンチンタンゴで動けば、それはもう太極拳どころではなく、東洋的なアルゼンチンタンゴ風となったり、沖縄音楽を使えばなんだかカチャーシー風だったり、時には阿波踊りを使ったりで、それはもう、とても楽しいものです。
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正式な太極拳の練習の中では、立ち姿勢で、両腕で大きめの輪を作り、やや重心は下に落とし、そのまま静かに立つという「立禅」というのがありまして、これは、体内の気の流れを養うものであり、静をもって動を導く感覚を養うトレーニングです。
その時「眼」はどこに置くのか? ということが重要な課題になります。眼の置き場が気の流れを作りますし、意識の集中をも作りますので、眼というのはとても大切なものです。
散漫な視線の眼をしていれば、気の流れも散漫になりますし、あまりにも固定された視線の眼をしていれば、固くて流れない気の状態になってしまうのです。
ぼくも、自分の眼の使い方には、自分のスタイルでたくさんのメソッドを持っていまして、一番好きなのは、「目の前の空気を見る」というものです。
ある日、この「立禅」をしながら、約3メートルくらい前に見える「空気」を見ていましたら、はじめはぼんやりとした「ただの空間」だったのが、その空間がだんだん濃厚な円の形に集まって来て、直径2メートルくらいの丸い空気のイキモノのようになってしまったのです。
直径2メートルの丸い空気の真ん中には「点」がありまして、ぼくがその丸い空気の真ん中の「点」を見ていると、その丸い空気の真ん中の「点」もぼくを見ています。
ぼくとその丸い空気は「点」のところでお互い見つめ合い、不思議な交流感覚を感じました。意思の疎通というのか、そこから何かがやってくるのが感じましたし、ぼくの方も、その丸い空気の真ん中に向けて自分を見せていました。
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ぼくが空気を見ていたら、空気もまた、ぼくの方を見ていた。
これは、今でいえば、『薔薇の呼吸』そのものです。
その丸い空気とは、ずいぶんと長い付き合いとなり、とうの昔に「ひとつ」にはなってしまいまして、今は、自分の中に空気が棲んでおりますし、自分もまた、空気の中に棲んでいるような感じでもあります。
この体験は、もうかなりかなり前の前のことでした。それはもう、そういうことは自分の中では「当たり前」になっていて、人の身体と空気とは、こうやって仲良しになれるのだ。そういう交流のことをここでは「呼吸」と言っているのです。
『薔薇を見ていたら薔薇の方もこちらを見ていた』という(元は禅の世界でのお話しでした)、お話しをある経由から聞いたのは、2022年の12月でした。つい最近です。それはそれで、もう大変感動して、そのいきさつでぼくは『薔薇の呼吸』という「呼吸」をつくろうということになったわけなのです。
しかし、考えてよくよく思い出してみると、自分でもずいぶん昔々には同じことをしていたよね? という次第だったわけなのでした。
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「呼吸」のつくり方。
・~ 薔 薇 の 呼 吸 ~・
この『薔薇の呼吸』をいちばん素晴らしい「呼吸」といたします。
薔薇を宇宙と見立てた「呼吸」なのです。
しらのゆきひと///呼吸のデザイナー
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