やさしさは想像力

美味しいパンと珈琲と本とボサノバ

これがあれば、わたしの生活はかなり満たされる

うん　ほぼ満たされるのではないやろうか

そんなことをぼんやり思っていたら、珍しい人から電話

以前の同僚で、若さをフルに活用して、実に手際よく仕事をこなす彼女

忙しい仕事の合間に、楽しい時間を上手に設定し、生活そのものを楽しんでいる

仕事では、愚痴も文句もいっぱいあるようやけど、それに対してぶつくさ言いながらも、立ち向かっていく

そんな彼女の仕事を、短時間だけお手伝いすることになった

仕事の内容は、面白そうだけど、わたしの得意分野でもなく、やっていけるのか？という不安は大きく

でも、挑戦するならもう今しかない

体力にも気力にも、自信を失いつつあり、そんな状況を見極めて、今の仕事を3月で撤退しようと密かに思っていたところ

彼女へのサポートは、今の仕事に少し関係するもの

うまくできるかどうかはわからんけど、少しだけでも彼女の気持ちが軽くなる時間を作れるかもしれんし

いや、むしろ、最後にこんな風な、アドレナリンがどばーっと放出されるような仕事の機会をもらえたことに、こちらが感謝するわ

この興奮状態をずっと続けるのは無理やけど、限られた時間ならばできるような気がする

不安な部分は、しいたけ占いに励ましてもらうことにして
（還暦のわたしでも、しいたけ占いの言葉は大きくひびく。
言葉は栄養。言葉はエナジー。まさしく。）

それにしても、私より２０歳以上年若い彼女

私やったら、同じくらいの年齢だったとしても、彼女と同じくらい多忙やったら、休日はひたすら寝ていたやろうなあ

だらだらしながら、充電～～とか言うてたやろうなあ

彼女は違うようやわ

寸暇を惜しんで、旅行に行ったり、ライブに行ったり、食事に行ったり、たくさんの人たちと連絡をとりあい、そこからエネルギーを得ている

それだけでなく、物作りも大好きで、ぐっと集中して好きなものを作りあげる楽しみ方も知っている

ほんま　意欲の塊やな

気配りもよくできていて、さりげない言葉の中に、わたしの体調への気遣いが伺える

慣れない職場で、こういうことが必要なんちゃうやろか

こういうところを無理する人やから、こんな声掛けした方がいいんちゃうやろか

遠慮されるのは嫌がる人やから、要望はちゃんと伝えた方がいいんちゃうやろか

体育会系で、ばりばりと仕事をこなす彼女の言動から、そんな声が聴こえてくるようやわ

さりげないねんなあ

やさしさは想像力

そんな言葉を思い出したわ

相手のことを考えてみる

それって、忙しい日々の中ではなかなかできんよ

しかも、一見、そんな風には見えない彼女やし

美味しいものをバクバク食べるし。
肉・甘いもの・肉・甘いもの。
野菜・果物は大嫌い。

おしゃべりは止まらないし。
誰とでも、会話をはずませられる。
イライラしている気持ちも、遠慮なく言葉に出す。
感激していることも、即座に言葉にする。

面白いことを、とことん面白がれるし。
できるできないよりも、面白いかそうでないかが基準なんやろうなあ。

大人になってからも、お兄ちゃんと大喧嘩をするようやし。
どうやら、どつきどつかれの激しいやつみたいやわ。
すごいわ。

そんな彼女と以前一緒に働いていた時よりも、副作用のせいで、かなり痩せてしまっているわたし。

そこに、加齢も加わり、覇気は以前の半分以下。（言いにくそうな夫の言葉やったから、よっぽどやな。）

副作用の影響を考慮して、仕事中の昼食もお断りをしている。

そんな私に、

「体調は大丈夫ですか？」

とは、一言も聞かない彼女。

もちろん、わたしの病気のことは知っている。

その代わりに、先回りをして、いろいろと準備をしてくれているんだろうな。

想像力豊かな彼女に、ほんまに感謝しかないわ。

うんと年下の人のやさしさが、もう少し頑張ってみようかと思わせてくれる。

幸せなことやなあ。

昨日は、そんな彼女に教えてもらった、山の中にポツンとあるパン屋さんに出かけてきた。

開店すぐだったのに、もう行列。

こんな山の中やのに、よっぽど美味しいんやなあ。

腕自慢の夫が入れる珈琲と一緒に食べようと、ウキウキしながら帰路につく。

が、初めての道で、一旦停止の標識に気づかず、おまわりさんがどこからともなく現れてきて、声をかけられる。

「すいませんねえ。ほんまにわかりにくい標識の場所で、ほんますいませんねえ。いやあ、すいませんねえ。。」

ずっと謝ってはったけど、それもどうよ。

そんなに謝るんやったら、もっとわかりやすい場所に標識を付け替えてくれたらいいのに。

そこには、想像力はないんか～～～～～。

７０００円の罰金は、ほんまに現実的やったわ。