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伝統を守りながら進化する老舗茶舗
100年企業探検隊 第30話
本日の老舗茶舗の歴史は、明治時代にまで遡る。創業当初は茶葉の取り扱いではなく、山の産物や道具の販売を手がけていたが、時代とともに経営の軸を変えてきた。特にシイタケの販売を経て、現在の茶業へと移行したのは約60年前。
この企業は、全国の百貨店や物産展を通じて販路を拡大し、特に北海道や東京、大阪といった大都市での販売に力を入れてきた。シイタケと違い、お茶は日常的に消費されるため、継続的な売上が見込めることが、この業態転換の大きな決め手となったそうです。
しかし、時代の変化により、日本茶の市場も大きく様変わりした。かつては一世帯あたりの茶の消費額が8,000円を超えていたが、現在では4,000円を下回るまでに減少している。一方で、ペットボトル入りのお茶の需要は増加し、競争が激化。大手飲料メーカーの専用工場も建設され、従来の茶葉販売だけでは生き残りが厳しくなっている。
このような状況下で、同社は新たな挑戦を続けている。例えば、外国人観光客向けの体験型プログラムを充実させ、茶道や日本文化の体験を提供することで、新たな顧客層を開拓している。さらに、英語対応のウェブサイトやSNSを活用し、世界中に向けた情報発信にも力を入れています。
また、地域とのつながりを大切にし、大学生とのコラボレーションや地域イベントの主催にも積極的だ。特に、地域資源を活かした観光振興や教育プログラムを通じて、若い世代への伝統継承にも取り組まれています。
一方で、事業承継の問題にも直面している。現社長の娘は別の道を歩んでおり、後継者の確保が課題となっている。しかし、同社は「お茶にこだわらず、地域に貢献できる形で存続することが重要」と考え、シェアハウスや文化施設としての活用も視野に入れているとの事でした。
伝統を守りながら、時代の変化し、地域とともに歩みながら、新たな価値を創造するこの企業の未来に注目していきます。
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