どんより(2023/05/24)
今朝も出勤時に随分眠かった。深刻に疲れている感がある。
先日イゴールさんからトミーの商談に同席するよう云われた。担当外の得意先のこともある程度わかっておいてほしいというのがその理由だ。それはその通りだから「わかりました」と引き受けた。
今日がその商談の日だったのだけれど、今日になって畜山生太郎(ちくやま・しょうたろう)も同席すると知った。同席といったって、横に座って話を聞いていればいいのだろうと思って打ち合わせもせずにいたものだから知らずにいたのである。
「トミー、今日の商談に畜山も同席するというのは本当かい?」
「本当ですよ。今日は畜山さんからの引き継ぎ商談ですからねぇ」
引き継ぎでは仕方がないから、丹田に力を入れて我慢することにした。営業部からの放出以降、畜山がこちらに対して変に構えてくるからこういう時にやりづらくていけない。
一方、畜山の方でも自分が同席することは知らなかったようで、その場になって驚いた。
「え! 百さんが同席するのかい?」
「イゴールさんから云われたのだよ」
「じゃぁネルソン君は?」
「ネルソンさんの代わりという訳さ」
何だか面白くなさそうな感じが見て取れた。こちらだって好んで同席する訳じゃない。勝手に不服がればいいと思った。
先方は担当者と新人の2人でやってきた。畜山も新人氏とは初めてだったから名刺を交換した。それとなく見ていたら、降格になる以前の名刺を使っていた。
担当者は『死役所』のシ村さんみたいな人物で、畜山に対して随分リスペクトしているような様子である。畜山が随分便宜を図ってきたためだろう。
便宜を図るのは営業担当として当然だが、畜山の場合はこちらの利益を度外視する上、関係部署を恫喝してまで図るものだから、ついに処罰されて今に至っている。そこまでしていたのだから、シ村さんにしてみればありがたい人物だったのに違いない。
※
商談の後で店回りに出た。
夕方帰社すると、トミーが随分重い話を持ってきたからどんよりした。