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7冊目


7冊目。
『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』
(講談社/川上弘美)

次の一冊は、まだ最近発売されたばかりのこちら。
読み終わってまず思ったのが、
秋に合う………!という超主観的な感想でした。

最近、中学三年生の国語の教科書を読む機会があって、そこに載っているメンバー(?)の凄さにびっくりしました。穂村弘、坂本龍一、村上春樹…。わたしの学生時代と比べると、かなり現代作家が多くなった印象で、わ〜!なにこれ授業楽しくなっちゃうじゃん!と。その中に、川上弘美さんの随筆も入っておりまして。立ってくる春という短い随筆(エッセイって、教科書では随筆って呼んでたなと懐かしくなりました)が、すごくよかったんですよね。

当たり前ですけど、教科書って学習する時期も考慮して編集されているので、序盤のほうにのっているその随筆は春を感じるものでした。川上弘美さんは、季節だったり食事だったりの、日常を繊細にひろう表現がすてきだなあと思いますね。

https://www.kyoiku-shuppan.co.jp/r3chuu/kokugo/index.html

「立ってくる春」は、こちらに収録されています。

半世紀ほどの後、東京で再会した。
積み重なった時間、経験、恋の思い出。
それぞれの人生が、あらたに交わり、移ろっていく。

これが恋でも愛でも、どちらでもいいなと思える主人公たちのやりとりが随所にありました。人間同士で大切に想う、許しとやさしさの積み重ねの日々です。

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読書の秋、秋のうすぼんやりさみしい感じに合う、あたたかい川上弘美さんの一冊でした。
ちなみに、『光ってみえるもの、あれは』
の一節、この言葉もとても好きなので残しておきます。

「ああ。僕にもいつか本当に終わりが来るんだな。」

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