名刺交換の脱・マンネリ化。点字名刺にしたら無性に誰かに渡したくなった
新学期、新生活、新年度。
なにか新しいことをしたいと思って、会社の名刺を変えました。
合同会社thousandsmilesは、社名のとおり「もうあと1000人を笑顔に」を企業理念にしています。だから名刺を渡すときに、おおっ、とか、ニヤッとしてもらいたいなって思って。
ぴかぴかの新卒時代、たった一枚の名刺を渡すだけであんなに緊張したのに、数年経つと「名刺足りねぇ…」「名刺申請しなきゃ…」「あっ初対面…名刺あるっけ」と事務作業化してくるもの。慣れってほんと怖いですよね。
そんな名刺交換の、脱・マンネリ化をはかるべく、ココロスキップ・点字名刺プロジェクトさんに点字を刻印してもらいました。
サウザンスマイルズとしては点字名刺は初めてですが、10年前にわたしが新卒入社した別の会社では当たり前のように点字名刺を使っていたので、なんだか懐かしい感じです。
あの頃は「点字が入ってると、名刺交換したときに話題が生まれやすいから」と説明されました。
なるほどな〜と思ってはいましたが、かなり体育会系の会社だったため、毎日ほぼ無意識に名刺をばらまくように配り歩いてました。あれから10年か…歳とるわけだ。
今回、いろんな偶然が重なって点字名刺にしたのですが、気付かぬうちに原点回帰していたみたい。
思いっきり個人情報のため、写真では社名以外隠しましたが、おわかりでしょうか。この点字のクッキリ感。社名と名前、電話番号を点字で入れてもらっています。
名刺の印刷は自分で行う必要がありますが、申し込み、入金して名刺を送ると視覚に障害のあるスタッフが一枚一枚、点字刻印してくれます。
誰かに渡したくなって、さっそく最近お世話になっている、点字に詳しい先生に渡しました。点字を触りながら「機械みたいにクッキリしてるけど、もしかしてこれ手打ち?! すごくうまい!」と絶賛。
私「えっ、先生点字読めるんですか?」
先生「少しはね〜。サウザンスマイルズって、サウザンとスマイルズがくっついてるんだねぇ」
視覚に障害があっても、全員が点字を読んだり書いたりするわけではないことも、今では分かります。メールや口頭で何度も社名は伝えていたけど、点字名刺を渡してはじめて気づいてもらえたし、あのとき間違いなく先生はニヤニヤしてた。点字打ったのはわたしじゃないけど…なんだかうれしくて、こちらまでニヤニヤしてしまいました。点字を入れてよかった。
なにより、誰かに渡したくなる。これがいちばん大きいです。さっそく今日は先生の1スマイルをいただきました。1000スマイルズへの大きな一歩。ちょっとうれしい。
10年経って、名刺交換がわくわくするなんて。交換する機会そのものは減ったけど、だからこそ、しっかり覚えてもらいやすい気がします。
「点字名刺だと名刺入れが膨らむんだよなぁ…」と反抗期みたいなことを思っていたあの頃。
最初に入社した会社が、わざわざ点字名刺にしていた理由が今さらわかった気がします。ろくに会話も続かないわたしが、相手から「点字入ってるんですね!」と声をかけられて何度も救われた新人時代。
会社からの親心みたいなものを、今さらだけどちゃんと理解しました。だいぶ遅いけど。
余談ですが、これは点字名刺が入った返送用封筒。お気づきですか? なんと切手が貼ってありません。
点字郵便は郵便局の「第四種郵便」にあたり無料で発送することができるそうです。知らなかった。(当然ながら発注者から名刺を送るときは送料がかかります)
たかが名刺、されど名刺。点字を入れてもらったことで、なんだか大事なことを思い出した気がします。点字名刺、大切に使おうっと。
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