【フォーマルの境界線】マスクのドレスコード
たまにはプライベートな話にもお付き合いください。
以前、親会社のオウンドメディアの企画で「日常会話をはかる」という企画をやったことがあります。
「すぐやります!」の「すぐ」って、定義がないから個人差が大きいし、ときにミスコミュニケーションにつながることも。それなら、みんなが思う「すぐ」は実際どれくらい? というアンケートをつくりました。
「フォーマル」もまた、ものさしがあるようでないようなものだなぁと思っていて。
つまるところ「相手が心地よいと思うかどうか」かもしれませんが、それこそ人それぞれだし、環境やバックグラウンドからも影響を受けると思っています。カジュアルとフォーマルの境界線ってむずかしい。
学生時代の女友達が、とある表彰を受けるらしく「何を着たらいいかわからない!」と、グループLINEに送ってきたのが木曜夕方。表彰式は週明けです。
靴とワンピースは決まっていたけど、ジャケットとアクセサリーが決まっていないようでした。
ファッションは決して得意ではないけれど、プチフォーマルな服を着ることは多かったので相談に乗っていたら、一人よりは二人で行ったほうがいいんじゃないか…ということで買い物についていくことに。(ちなみに最近のお気に入りはワークマンとGRLです。コスパ主義なもので)
上野のスタバで待ち合わせ。ジンジャーブレッドラテとクランベリーブリスバーを食して初めて私の冬はやってきます。
流れで服を買うことはあっても、目的ありきで買うことは今年3月の弟の結婚式以来。
ただでさえ乏しい知識を総動員して、友人をあちこちの「きれい系」のショップに連れて行き、サイズだけ聞いて着せ替え人形のように片っ端からジャケットを着せていきました。たぶん10着は着せたと思う。
ボタンふたつの襟ありがフォーマルと思っていたけど、最近はボタンどころかクリップ式が多くて、襟なし、若干オーバーサイズっぽいのがトレンドのよう。自分の服だってこんなに試着しないので勉強になります。
結局、ショッピングビルにあるフォーマルな服を扱う専門店で買ったのだけど、決め手はこの道20年のベテラン店員の接客でした。
「表彰式でも襟なしジャケットはあり?(アリらしい)」
「お祝いの場合、どこらへんまで崩してもOK?(結局ジャケットじゃなくてボレロにした)」
「表彰状もらうとき、時計はないほうがいい?(時と場合によるけど、今回の場合は光り物はないほうがいいらしい)」
「ストッキングはどうしよう?(ワンポイントつきのものもアクセントとして使えるみたい)」
基本的なことを聞いても不思議な顔ひとつせず、それはもう近所のお母さんのように優しく、そして的確にビシバシ答えてくれます。店が上野だったから、勝手に「上野の母」と呼ぶことにしました。
上野の母いわく、「多様性」の波はフォーマルファッションにも少なからず影響を及ぼしているらしい。フォーマルとはいえ、想像していたよりも随分カジュアルになっていた印象。
会計をして帰り際「あなたたち、これ持っていって!」と渡されたのがこの本と、スポンジのポンポン。
ポンポンは、ファンデが服についたときに落とすものでした。ハンカチだと落ちなくなるらしい。どこまで母なのでしょう。
そして上野の母、最後にひとこと。
「マスク、忘れずにね」
そうだ、マスクだ。
いただいた冊子がいつ制作されたものかはわからないけれど、マスクのことは載っていませんでした。
ただし、弟の結婚式場でも総レースの華やかなマスクは(けっこういい値段で)売っていたし、ここ1〜2年のドレスコードに「マスク」が追加されたのは明らか。完全に盲点だった…。ありがとう母。
不織布のマスクでも悪くはないと母は言っていたけど、確かに少しフォーマルな布マスクは一枚あったほうがいい気がする。
いただいた冊子の次の改訂には、マスクのドレスコードも載るのかな…と職業病じみたことを考えながらお店を後にしました。
結局、マスクはこちらになりそうです。伝わりづらいけど、ほのかにキラキラした生地のマスクで、洗って使えるみたい。
こうやってドレスコードは変化していくのかな、なんて思った週末でした。
おしまい。