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『豊かな人生』その3

⭐️ 秘訣3: 愛の力を信じる

恐怖より愛に目を向けることで、人は本来の治癒力と幸福を取り戻せる。

事故で脊椎を損傷した若い教師・スーザンは医師から「歩けなくなる」と宣告されても、彼女は“愛されている実感”と“骨は再生し得る”というイメージを育てた。まるで災害で破壊された街が復興するように、自分の体が再生していく様子を頭に描いた結果、予想を覆して再び歩けるようになった。

がんを二度経験した著者の自己イメージ療法は、一度目は自然療法で、二度目は西洋医学の力を取り入れながら、どちらも“自分の身体を愛する”姿勢を貫いた。腫瘍を「小さな手提げかばん」にたとえ、「ほかの悪い細胞も全部連れて出ていってね」と穏やかに語りかけるイメージによって、不安と恐怖を払拭した。

自分を愛することがすべての土台である。生まれたときの外見を理由に母親から愛を拒まれたパメラは「自分は醜い」という思い込みを抱え続けていたが、医師や周囲からの愛を少しずつ受け入れる訓練を重ね、ついには自分を肯定できるようになった。その結果、長年苦しんだ心身の不調も改善した。

どんな選択も「愛からか、恐怖からか」。人生の大きな壁に直面するとき、恐怖に押し流されるのは自然なこと。しかし、その状態に留まるかどうかは選べる。愛を基準に自分をケアし、自分の身体や状況を信じる態度が大切だと著者は何度も強調する。

ほんの小さな光が暗闇を照らす。洞窟の闇を一瞬で照らすマッチのように、わずかな愛が恐怖や絶望を一掃する力を持つ。愛は抽象的に聞こえるが、具体的には「イメージによる自己対話」「周囲の声援を受け取る練習」「身体を信じ、労わる姿勢」など、小さな行動で育てられる。

恐怖と愛は常に隣り合わせだが、愛こそが人を癒やし、人生を前向きに変えていく大きなエネルギーになる。愛を信じることは、身体の治癒力や心の回復力を目覚めさせる最良の手段。自分を大切にし、周りとのつながりを受け入れることで、どんな困難も乗り越えられると著者は説いている。

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