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NFTを新しい体験に昇華するzoraにワクワクが止まらない

こんにちは!ぐっさんです。

今日はzoraに関する記事を書いていきます。zoraはプロダクトというよりも体験のアプローチが面白くてみてます。

zoraの僕のアカウントです。
https://zora.co/0xguss3

zoraはdAppsですが、Baseと同じくoptimismのsuperchainを使ったアプリケーション特化型のL2チェーンであるzoraチェーンも展開しています。


zoraの体験は、「❤️=mint」

zoraはソーシャル系のdAppsです。

ベンチマークにinstagramがあり、instagramのいいね機能に近い新たな体験としてmintを位置付けています。

zoraのXでも「instagramでいいねをもらってもお金にならないけど、zoraだったらお金になるぞ」と言った感じのpostをしています。

お金を払っていいねをするのか

instagramのようないいねをmintへ転換したときにユーザーは多少なりともお金を払う必要が出てきます。ここで一つ疑問が湧き上がります。

わざわざ単なるいいねをするのにお金を払う奴がいるのか?ということです。

これはあくまでも仮説であり、自分の思い描いている未来の話ですが、僕の回答はYESであり、いいねと一緒の位置付けにmintという体験が来ることはおかしくないと考えています。

mintがいいねの上位互換になる世界観は、いいねを押すのにお金を払わなければいけないという強制力よりも、お金を払ってでも自分がこのコンテンツを支持しているという意思表示に近いと考えています。

自分の現状の整理ではpolymarketが金銭的なリスクを抱えることでリスクに応じた重みづけが可能になりその予測精度が大手メディアや金融領域の中で採用されている実情に近いものを感じます。

思えば「この投稿に100いいねしたい!」ということもあれば、何となく目に留まって気軽にいいねするということもあります。

コストを払ってでもいいねをするというのは、いいね欄に順列をつけることができるようになるわけです。


zoraのオンチェーン分析

zoraってどんな感じでトラクション出てるのかなと思ったそこのあなた。
オンチェーン分析をやりましょう。


今回はダッシュボードは作ってないのでクエリだけ貼っておきます。

また、zora networkについては、sealaunchのダッシュボードもあるのでこちらをご参照ください。

基本的なトラクション

  • コントラクト数:215万

  • トランザクション数:6,600万

  • アドレス数:83万

  • 1アドレスあたりのトランザクション数:79

ちなみにzoraの生みの親と言っても過言でもないOptimismと育ての親と言っても過言でもないBaseと比較してみます。

Optimsmのトラクション概観

  • トランザクション数:3億3000万

  • アドレス数:1150万

  • 1アドレスあたりのトランザクション数:28

https://dune.com/Marcov/Optimism-Ethereum

Baseのトラクション概観

  • トランザクション数:6億1500万

  • アドレス数:3700万

  • 1アドレスあたりのトランザクション数:16

https://dune.com/Marcov/base-overview

2つのチェーンと比較するとzoraは1アドレスのトランザクション数が多いです。実際の偏りを見る必要はあり、さらにいえば、BaseやOptimismと違ってアプリケーション特化型のチェーンです。

なので一概に比較することはできませんが、zoraのユーザーは他のチェーンよりも熱量が高い可能性やzoraの「❤️=mint」という気軽さがトランザクションに現れていると考えられます。


週次でのトラクション推移

zoraは2024/6/17~2024/6/24あたりで急激な成長を見せていますが、これは主にonchain summerが原因ではないかなと思います。

zoraはBaseエコシステムの印象が強かったのですが、思った以上にzoraの独自チェーンのトラクションがあったことに自分も驚いています。

zoraのmintのtransaction数の推移

しかし、ユーザ数の推移を見ると、ユーザ数自体が増えているわけではなく活発になっているだけのようです。

zoraのmintのユーザー数推移

次にGMVについてですが、基本的にはmintのトランザクション数に応じてfeeも増加するのでオンチェーンサマーのタイミングで伸びているのは、トランザクションの推移と変わりありません。

オンチェーンサマーではbaseが有料で企業とのコラボのNFTを出していたのもあり、BaseのGMVが伸びていると考えられます。

逆にオンチェーンサマーが落ち着くと、販売よりも現在主流になっているfree mintの近いものが増加するため、GMVは減っていきます。

zoraのGMV推移

ちなみにzora network上で作成されたcontractの推移は以下のようになります。contract数は波を描きながらも右肩上がりで増加しています。

なぜ、mint数は突然増えたのに、contractは徐々に増えているんでしょうか。一応考えられる理由としてzoraはNFTの発行がめちゃくちゃ簡単だけどdistributionがうまくできないというのはあると思います。

どういうことかというと、当然、zoraのアプリ内でmintをしてもらうことは可能ですが、instagramと同様に、基本的にフォロー間でしか見ません。実際に私がそうなんですが、zoraのNFTのmintはzoraのアプリ内ではなくtwitterからの流入がほとんどで、見つけにくいです。

なのでXでのアテンションがめちゃくちゃ重要になるはずなるため、オンチェーンサマーのようなXでのアテンションが集まったタイミングで急激な増加に繋がったのだと思います。

zoraのリテンション

おそらくzoraは他のアプリケーションと比較してユーザーのリテンションが高いです。全部比較しきってるわけではないので一概には言えません。

OpenseaやUniswapのようなexchange系はトランザクションの目的が定まっている分、ハードルが高いはずです。実際にUniswapやOpenseaのリテンション率は20~30%ですが、zoraは80%です。

Openseaを見に来ることはあっても、そこで購入までするというのも考えにくいです。

zoraのリテンション
Openseaのリテンション
uniswapのリテンション

zoraから考えるロイヤリティ設計の可能性

zoraのNFT発行は単に画像をアップロードして発行することもあれば、create with canvasという機能を使うことでNFTの発行を行うこともできます。

このcreate with canvasが個人的にめちゃくちゃ刺せっています。

canvasという名前の通り、キャンバス上にNFTや写真、文字などをステッカーのようにペタペタ貼ることができる機能です。

create with canvas

そして、ペタペタと貼ってこんな風に作品を作ることができます。

https://zora.co/collect/zora:0xf363649334df247bcb6e546a44be047ebb47ff73/2

この作品の出来自体はどうでもいいんですが、すでにあるNFTや既存のアセットを使って新しいNFTを作るというこの概念自体に非常に魅力を感じます。

この機能はNFTのコンポーザビリティを遺憾なく発揮している機能だと思います。cryptoのコンポーザビリティというのは、常に外部性を孕んでいると同義です。

例えば、自分がThirdwebを使ってNFTを発行したとして、それをOpenseaで出品することもできれば、トークンゲートを作ることもできますし、Duneで分析することもできます。

consomeさんが以前出していたPrincipia of Cryptoに下記のような図がありましたが、create with canvasは既存NFTとの競争関係になるのではなく正の外部性をうむ機能です。

引用:https://paragraph.xyz/@zkether.eth/principia-of-crypto

また、以前からNFTのロイヤリティの新しい形を考えていましたが、zoraのcreate with canvasが一つの解を与えてくれるような気がしています。

ロイヤリティに関する自分の主張としては、コントラクトで流通を制限してロイヤリティの支払いを強制するというのは筋が悪く、ユーザーが払いたくなる仕組みを実現する方が正しいエコノミクスであるというものです。

流通を強制するというのは先ほどの外部性やコンポーザビリティを損なうことを意味しています。

そんな中でzoraのcreate with canvasですが、先述した通りキャンバスにはNFTを貼ることができます。

そして、発行されたNFTをmintする際にユーザーは少額を払う必要があるのですが、支払われた料金の一部を使用したNFTのクリエイターの元に還元しているのです。

支払われた金額は下記のように図示されます。

zoraのロイヤリティ収益

ロイヤリティ収益は下記の式で表せます。

ロイヤリティ収益 = 流通回数×単価×ロイヤリティ率

これまで盛り上がっていたブルーチップ系のNFTは単価をあげてロイヤリティ収益をつくるというモデルが多かったです。

一方でzoraは、現在のSNSの「いいね」に近い体験のためNFTのmint単価は高くなく、流通回数を上げることでロイヤリティの還元を強化することが可能です。

これは、ユーザーがロイヤリティを払いたくなる仕組みに最も近いものだと考えています。

まとめ

zoraがすごいゾラ!ということで、zoraについて記事を書きました。

以前、記事で書いたBaseエコシステムがCMFを狙っているという話にも近く、zoraはその一端を担うプロジェクトに思えます。

zoraのロイヤリティの仕組みやcreate with canvasは、個人的に刺さりまくっているので、引き続きウォッチしていきます。


最後にお知らせです。

今回も取り上げましたオンチェーン分析ですが、私、GussanはDune Japanというオンチェーン分析ツールDuneの日本コミュニティを発足しております。

10月11日に渋谷centrumでDune Japan初のmeetupを開催するので、ぜひご参加ください。

Twitter:0xguss3

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