
Kバレエ「マーメイド」鑑賞記録
Kバレエ「マーメイド」、9月23日(月・祝)のソワレを観てきました。
小林さん&堀内さんの回。
子ども向けだし見送ろうかな〜と思ってたけど、トレーラーがあまりにも素敵でチケットをとってしまった。
以下、ネタバレありです。
最初は酒場のシーン。
伊坂さんが、いるーー!!
事前にキャスト表を見て酒場のオーナー役で出演されることを確認しガッツポーズしていたのだが、実際目にして嬉しさ最高潮に。
エプロンから布巾を出すだけの一挙手にも反応してしまう。
肩こり設定らしく、肩たたいたりぐるぐる回したりしてて、こういうクスッとさせてくれるところ大好き。
しかし娼婦のいる店に来て、一緒に踊っちゃう王子、大丈夫か?
物乞いにスられたことが分かってもそのままあげちゃうし……心配……。
でも王子が王様から剣を手渡されたあと再びオーナーから剣が手渡されるシーンで、もしかしてオーナーは第二の父的な存在なのでは?と想像の翼を広げたことで、酒場の常連らしき王子の振る舞いも奥深い設定があるのかもと思えた。
正直伊坂さんばっかり見ててあんまり中心の踊りは見れず。目が足りない。
そのあとの海の場面で次々に登場するイルカ、トビウオ、ロブスター、カクレクマノミなどの海の仲間たち……頭、どうした?
特番で映ってたキャラクター全開の被り物は変更前のものかしらとほんのり期待していたのだけど、たぶんほぼそのままでした。
Kバレエ眠りのカエルみたいなかんじ。
私の好みの問題でしかないのだけど、ああいう被り物が苦手な私は辛かった。シュール。
ヒレのデザインは素敵だったんだけどな〜。
シュールといえば、第1幕4場冒頭も青い物体がうぞうぞ動いていてウミウシかと思った(ヤドカリだった)。
でも!マーメイドと珊瑚の衣裳はすっっごく良かった!!
これは小さい子はもちろん、大人も憧れる〜!
ダウンスタイルの髪にエクステつけてたりこめかみにキラキラストーンつけてたり、細部までこだわりが行き届いてた。
海の仲間たちが被り物ばかりだったのが手伝って、マーメイドの美しさが際立っていた感もある。
むしろこれを狙っての被り物だったのかな?
海中の舞台セットもディズニーシーのマーメイドラグーンのような綺麗さ。
照明で床に海面の模様を映してるのも含めて世界観がつくり上げられてる。
海のシーンでは皆ゆらゆらした動きをしていて、無理なく海中を再現してたのが一番すごい。
舞台の上なのに自然に海だった。
中でもシャークは、すやすや寝てるシーンでもゆらゆら身体を動かしてて愛らしさのある悪役だった。
しかもヒレをシーツ&ブランケット代わりにしてくるまってるんだよ〜可愛い〜!
1幕最後は人間になる薬を飲んだマーメイドが天井に吊り上げられていって幕が閉じていく。
その構図が絵画みたいに美しかった。
Kバレエは舞台写真をポストカードにして販売してほしい。
第2幕ではオーナーが再び登場し、まさかの踊るパートも。
オペラグラス忘れないで良かった。ガン見しました。
ディズニーとは違って最後は原作通りの切ないエンド、なんだけど、マーメイドが去ったあと王子が本当の恩人に気づくというすれ違いも描かれてる。
堀内王子のハッとした表情が切ないだけじゃ終わらない余韻を残してた。
その後一旦暗転し、誰もいない海中にシャボン玉がたくさん飛んでいき、そのまま幕閉じ。演出が天才。
全体的に、展開が早くて飽きないよう工夫されてるところやキャラクター性の強い衣裳は宣言通り子ども向けを意識してるんだろうな〜と感じられたけど、一方でマーメイドの造形や海中の雰囲気のつくり方は大人の本気を見せていて、子ども向けでも妥協しない姿勢が素晴らしい。
今日は子どもたちが一段と多くて(子ども向けと銘打ってくれると行きやすくて良いよね)、帰り際に手で尾ビレの動きを真似する子どもを見かけて微笑ましかった。
あんなマーメイド見たら憧れちゃうよね、私も見惚れちゃったもの。
隣の席のお客さん(大人)はエンディングで泣いてたので、決して子どもだけに向けたプロダクションではなかったと思う。
私も被り物アレルギーがなければもっと楽しめたのにな〜とちょっと悔しい。
そうそう、カーテンコールでのシャークは立ってるときもお辞儀するときも腕をゆらゆら動かしている徹底ぶり!さすが〜!
杉野シャークも見たかったけど、石橋シャークも最高でした。