7.0の所感
FF14の最新パッチ(7.0)、黄金のレガシーを7月末にクリアしました。
色々考えが深まるまで記事を書くことを控えたかったので、実際に書き出すまでかなりの時間がかかってしまったのですが、14プレイヤーのみなさんの賛否両論を拝見した上で、現段階での私なりの感想を記しておきたいと思います。
可能な限り冷静な視点で書くように努力しておりますが、人によっては不愉快に思われる表現もあるかもしれません。ご容赦ください。
ストーリーの質は担保されている
正直なところ、当初思っていたほど悪い印象のものではなかったなというのが端的な感想です。前回、日記でかなりネガティブな印象で黄金を捉えてしまっており我ながら恥ずかしいぐらいなのですが、現状そういった思いです。
【※参考】前回の記事
今回のストーリー自体はエオルゼアから見るとオーバー(ロスト)テクノロジーとしてのSF要素が増していて、自分は好きでした。ネタバレになるので詳細を語ることは控えますが、物語終盤で入れるようになる某エリアはFPSや最新のゲームの流行(見た目・カラーリング)を取り入れようとしている努力はすごく感じました。歩いていてワクワクしました。そういった新規要素と、これまで伝統的に築いてきたFF(14)らしさをうまく融合させようと図り、一部齟齬が出てしまったというのが今回の物語なのかも…と感じています。
以下、見かけた感想について自分なりに考えたことをメモしておきます。
暁月(~6.0まで)の方がよかった
色々な感想をお読みして、よくこういう主旨の発言を見かけました。ですが続きものの大河ドラマと、新規で始まった新シリーズ…そもそも比べる土俵が違うと思うのは私だけでしょうか?
暁月のストーリーは確かに素晴らしかったと思います。丹念に積み上げられてきた謎解きが一気に解明されていくあの感じ(実はまだ自分なりに理解していない所もたくさんありますが…笑)。10年間の仕事の上で積み上げられてきた重厚なストーリーは、クリアしなければわからない濃密で圧倒的な体験だったことでしょう。
しかし、黄金は一度それらを全て終えた上で始まったストーリーなわけです。
FF14のストーリー自体を続きものと考えると、最初からすべてを開示してしまえばシリーズものにする意味がないですし、ゾラージャの母親はだれ?など細かな部分では色々アラがあるのも知っていますし、指摘も見かけましたが、今後また明らかになるかもしれません。そこは敢えて謎を残しているという見方もできます。謎の解明のためにストーリーを追いかけるのは、このゲームの楽しみの一つです。
よってまた心機一転、10年かけて新たなストーリーを積み上げていく、という意味でのスタートとしては悪くないパッチだったのではないか…と思います。
暁月までのストーリーは確かによかったと思うんです。でもそこを基準にしちゃうと後発の物語へのハードルが上がりまくるし、渾身の力を込めた(であろう)最終作品と、心機一転の新シリーズとを比べて批判するのはやや無粋が過ぎる気がします。
素直に新シリーズ楽しいね!と受け入れられれば幸せになれるのでしょうけど、10年の積み重ねがあるがゆえに、そうではない方も多いのかもしれません…。歴史の長いシリーズであるからこその難しい問題の一つかと思います。個人的にはガンダムシリーズと似ている現象で、ある程度ジャンルの歴史があるが故の派閥が発生してしまっているのが今回の黄金パッチなのかもしれません。
質が落ちた(昔のほうがよかった)
この感想も時々見かけました。
私はそもそも新生エオルゼアの黎明期(2013年前後、新生パッチがリリースされたぐらいの頃)を知らない、2022年からの新規プレイヤーです。なので、その時点と比べてどうかという事に対し自分が正しく回答を出すことは難しいです。ただ、相対的に質が改善されてきていないとここまでユーザーが増えることは通常ないと思うので、コミュニティも含めて良くはなってきているのだろうと考えています。
MMO運営の難しいところではあると思いますが、古参プレイヤーに目を向けると新規層が入りづらいものになり、反対に新規に迎合しすぎると古参がやる気をなくしたりするのでこの辺りのバランス感覚は現在進行形で運営さんも悩んでいると思います。
自キャラが主人公ではない(オブザーバーになりたくない)
正直、今回のパッチはうっすらとでもいいのでウクラマトを好きになれないとかなりきついものがあると思いました。ストーリー開始から最後まで、おまけにラスボス討滅でも出突っ張り…もし私がウクラマトを嫌いなら、もう最初の方でストーリーをリタイアしてたかもしれません(もしくは全部スキップ)。
今回シリーズ自体が仕切り直しというのもあり、エオルゼアにおける主人公の役割も【英雄】⇒【オブザーバー】というものに明確に変更されています。個人的には「先生役もいいじゃん」と思うのですが人によっては「どうして私のキャラが主人公じゃないの?」と思われてしまった原因にもなっているかもしれません。
メタ的な意味合いとしてはかつては英雄として世界を救ってきた主人公が、今度は英雄(となり得る存在)を見守る立場となり教えを受け継がせていく…という部分はFF14が運営から10年以上経ち、P含む運営サイドの方々もそれなりのご年代になられているはずで自分が築き上げてきた成果を「人に託す」というフェーズとなんとなく被ります。
パッチの名称もそうですが、ストーリー自体もそのように感じさせるシーンが多く、こういう受け継ぐ系のストーリーは世代的に合う・合わないがはっきり出そうです。
自キャラの印象が変わったので、プレイできない
それは私もショックでした。
正直黄金の前半はしばらく話に入れなくて、ストーリーを進める意欲も沸かず、ミラプリを何度も見直したりキャラクリをやり直したりしていました。しばらくは慣れなかったんですね。黄金始まる前後に自分が一番ショックだったのはこの部分でした。
特に初期ベンチのキャラクリ画面が本当に心の調子を崩しかねないぐらいショックで、このゲームをこの先も続けるかどうかかなり考えてしまいました(今でも画面に映るアングルによっては考えてしまう)。ただそれと別で、最終的にストーリーは楽しめたのでなんとか黄金のパッチを楽しむことができました。そのため見た目問題については一旦保留です。
(運営含めた)全体的な印象
今回起こった黄金プレイヤーの分断、日記、炎上、そのほかもろもろについては14プレイヤーのみなさんはエオルゼア&運営さんが大好きだった方が多いと思うので(※私の印象)あまり違いがショックすぎ、裏切られたような印象でやりきれず、誰かにこの気持ちをわかってもらいたい方が多いのだろうな…と感じました。
ただ私はもっと運営が杜撰なMMOもプレイしたことがあるので、こういったまともなストーリーを提供し、プレイヤーへのしかるべき対応や、不具合対応に向き合い、かつそのコンテンツがずっと続いていく…というのは粗が見える中でも喜ぶべきことかなと思いました。
これだけ様々なゲームや娯楽があり、プレイヤーの好みも様々に分散している中である一定のクオリティのものを担保し提供してくれているということについては素直に安心します。運営体制含めクオリティが低すぎる上にもう続く見込みもなさそうなMMOなんて怖くて課金できないです。大人になるとたとえ娯楽であっても無駄なものに時間とお金を割く余裕がないですし…残念ながら。
14は今のところそういうマイナスの気配は(まだ)見受けられないので、現時点では安心して課金できる数少ないタイプのMMOだと私は考えています。これからも末永く、このゲームをプレイできるよう自分も健康には気を付けたいですし運営チームのみなさまにも尽力していただきたいです。
最後に
今回のパッチに関してはnote、ロードストーン、X等で多種多様な意見を拝見しました。私自身としてはどの立場のご意見についても同意できる部分があり、結果的にFF14自体を見限った方、まだ続けてみようと思った方、どちらにも当てはまらない方、そのどれもが正しい選択だと思いました。
結局大切なのは自分がどう考え、感じるかで、自分が考えて出した結論であればどんな結論であっても、間違いということはないと思います。
今までFF14をプレイされていた方、今もプレイされている方、これから黄金を楽しもうと思っている方…どうかあなたの旅路が良いものでありますように。エオルゼアの片隅よりお祈りしています。