WEB版無職転生10週目した感想(※ネタバレ注意)
初めまして。
2期決定記念に7年ぶりに読みました。
当時がどうだったか踏まえながらよかったところをまとめてみました。
・男性キャラを含むキャラクターの魅力
無職転生はとにかく男性キャラ魅力的で個人的にはヒロインより好きなキャラが何人かいます。なぜ無職転生のキャラ魅力的かというと弱みを人間臭くするということだと思います。
オルステッドの場合はコミュニケーション能力、ルイジェルドの場合は常識を知らない、パウロの場合は下半身が弱いなど男性キャラに限らず弱みがあり、そこが人間臭くて良い部分になっています。この人間臭さがキャラクターの深みが増す要因になって話の都合に作られたロボットというのを薄くしています。無職転生は1章からの感想返しから考えると最初から最後まである程度の構想が出来ていた作品と思われていて、プロット通りの話にするために多少強引な展開にするときがありましたがキャラが人間臭かったおかげでプロットに動かされるキャラという感じはしませんでした。
弱み以外にも無職転生はギャップというのがよく出ていた作品でクリフが人気になったのは初登場時とのギャップでした。初登場時は典型的な噛ませキャラだったのがエリナリーゼと付き合った後小さい体ながらも男を魅せて話が進むごとに人気になり決戦編で病気の時駆け付けた時はさすがクリフパイセン!ってなるほどです。クリフの使い方は「ゼロの使い魔」のギースに似たようなのがあります。クリフ以外にもナナホシとアリエルは初登場時は嫌味なキャラでそこまで人気がありませんでしたが、そのキャラメインの話やると人気になりましたしとにかく読者の好感度が上下するので連載中は5chでは○○株買った売ったなどのやり取りが盛んでした。アニメで作者や公式がパウロ株といってたのはこの流れです。
・ターニングポイント
無職転生といえばターニングポイントは欠かせません。
よくエリスと別れる帰郷編まで面白い、迷宮編まで面白い、配下になってから面白い、と読者が面白いとこがバラバラな作品です。つまりは失速があまりない作品というわけですがそれはターニングポイントのおかげでもあります。ターニングポイント2の後はいつターニングポイントが来るんだという緊張感を持ちながら読むことになり、特に学園編はターニングポイントのおかげでダレても読み進めたり、中弛み解消につながったと思っています。
・読み進めれば進むほど深くなる世界観と設定
無職転生は前半は布石、後半から本番といわれますがその理由は世界の全容が分かり世界を巻き込む話となったのが人神編後からでそれまではルーデウスとその周りの話となっています。そのスケールの差から最後まで読んだ読者から後半から本番という声が多いのだと思います。
話が進めば進むほど深くなるとは1章は村、2章は町、3章~6は5分の3世界を一周と世界が章ごとに世界が広がっていきました。7章で中央大陸北、12章でベガリット大陸に行ったのでもう読者はこれ以上世界が広がることはないだろうと思っていたときにターニングポイント4がいままでの倍以上世界観が広がり今までキャラの行動メインで語られたのが設定の考察がメインになったほどです。今までは異世界テンプレ世界にランスのクジラからヒトガミを作ったような世界観だったのが独自の世界観になり六面世界に魅了された人は多いと思います。
・異世界で本気で生きた意味
他の作品と違ってわかりやすい目標というのがありませんので期間毎に学園行くために家庭教師になる、エリスをフィットア領に送る、EDを治す、ゼニスを助けるのような小目標はありますが、大目標は最初からサブタイにある通り異世界で本気で生きるというのが目標でありテーマです。これが最後まで読まないと分かりづらいから無職ってどんな話?と聞かれたらニートが異世界で本気で生きてく話といっても伝わりづらいのです。その最後がとにかくすごくくて当時はヒトガミ倒さないでどうやって〆るのか心配だったけど想像を超えたいい終わり方でした。
無職のすべては最終話のこのシーンに詰まっていると思います。
>「俺もよくわからないけど、今、こうして穏やかな気持ちでいられるのは、お前のおかげという気もする。お前という明確な敵がいなければ、俺はここまで満足できなかったと思う」
>うん。そうだな。
>もしヒトガミがいなければ、俺は多分、20歳ぐらいからダラけていっただろう。
>シルフィと結婚して、それなりに働きながら、それなりに頑張って。
>それなりに人生を終えて、それなりに満足して、死んだ。
>きっと、そんな感じだったに違いない。
このシーンの何が良いかというと読者から割りと不評な学園編も無駄ではなかったと再評価できる点です。学園編までのルーデウス見ればヒトガミと戦わなかったから本気で生きてはいないと説得力があります。ルーデウスが頑張ったのはすべて仲間や家族を守るためで敵がいなければ十中八九ダラけていたでしょう。最初は前世の家族に対する失敗から始まり、異世界で生まれて自分より年下の両親が出来るも親とは思えず、親を失い親と始めて認識したり家庭を作り家族のために本気で生きたってのはすごくきれいに纏まって感慨深いものがあります。
ヒトガミ倒して欲しかったって人もいると思いますけど個人的に倒さないで肩ポンエンドが一番で封印して終わりよりこっちのがカタルシスあると思います。
・文体がよかった
書籍とはめちゃくちゃ合わないので一巻が書籍化した時メモ帳言われてましたけど、WEBで読むときこの文体はすごく読みやすいなと思いました。個人的には冗長になちがちな作品が多くて好きではないんですが無職は別だったです。
昔の作者のブクマにリモンが一番古かった気がするからリモンの影響かなと思ったりしました。あと夏にやる内密さん(異世界迷宮でハーレムを)。
・章構成
累計一位なったのって作品の質もありますがこれのおかげだと思っています。連載中当時更新すれば日刊10位以内に来たりする化け物だったのですが章が終わったらアホほどポイント入ってたました。区切り良いとポイント入れやすいのでポイント乞食解禁と最新話以外ポイントつけられるようになる前だとポイントつけやすいってだけで強いです。
あとポイントの話といえば2013年に年間一位、2015年に年間1位取ってたの怖すぎました。累計一位は変わりましたけど当時の無職転生は2位と10万ポイント差つけたり規格外すぎていまだに一位のイメージが強いです。
・感想返し
良い部分と悪い部分が見えたところかなと思いました。
まず良いところと悪いところは作者と読者の距離が近すぎることです。孫の手先生感想返しは5章までの全レスやシルフィ編までは評判よかったんですが新婚編あたりからよく小規模で何回か燃えてて悪いイメージもありました。例えば先生の友達が作った年齢表とかなんで燃えたのか意味不明だった。ただ感想返しがあるので設定披露とかよくあったので考察がすごく楽しかったです。感想返しあるおかげで更新すれば100件以上は当たり前に感想くるという化け物作品でユーザー数増えた今でも1話100件超える作品は少ないのでファンとの交流で作品を盛り上げるためにはやっぱり感想返しって必要だと思いなおしました。
なんか文章いろいろおかしいですがこれで投稿します。