見出し画像

「児童の保護」に関して、踏み込んで考える。 ②

第1弾がそれなりに書けたので。今度は包括的性教育と子供の話。

note更新停止に伴い、記事の無料化を進めます。

第4章

包括的性教育の批判と社会の保守化について

「包括的」性教育(Comprehensive Sex Education)は、今やホットなテーマである。折角なので、ここでは私見と保守派とリベラル派双方への批判を述べる事に致す。

「包括的」としたのは英語の話なので日本語話者にはわかりにくいが、"Comprehensive (Sex Education) "と"Inclusive(以下略)"には微妙な違いがある。
英英辞典で調べてみると次のようにある。

Comprehensive
1.完全、または広範囲にカバーすること。

https://www.merriam-webster.com/dictionary/comprehensive

Inclusive
2.全員を包括する
歴史的に除外されてきた人々に寛容であったり、認めること(例えば人種、ジェンダー、セクシュアリティ、能力)

https://www.merriam-webster.com/dictionary/inclusive

簡単に言えば、Comprehensiveは全体をカバーすること、Inclusiveは歴史的に差別された人も含め包括することらしい。
この違いを自覚はあるにせよ意図的に混同しているのが昨今の活動家だが、改めて定義を確認するとまた違う視点が見えてくるのではないだろうか。

特に昨今は包括的性教育の行き過ぎで保守派が勢い付いているが、私はこの結果になった事は結果的に自由を奪っていると思う。
次から本題に入る。

嘘をつく子供

子供の自己決定権、特に性的な同意能力に関する研究が進んでいない事は前回のnoteで述べた。もう一度述べておくと、子供の性被害そのものは、深刻な問題であることは間違いない。然しそれを利用し、意図的に嘘をつく子供も中にはいるのだ。

https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/page/0000121167.html

人聞きで申し訳ないのだが、子供と関わる仕事で働いている知人曰く、気に入らない先生に対して「触られた」と嘘をつく子はいたのだという。残念ながらリベラル派はこう言った子供が中にはいることや、子供の発達段階と嘘との関係性に対して目を瞑る傾向にあるらしい。
彼等は発達心理学を齧ったことすらない人達だ(稀に齧った事のある人間もいるが)。

上の記事を読んで欲しい。「彼ら」が言う児童保護の主張がおかしな理由が凝縮された記事だ。韓国の女性アイドルグループ・NewJeansの『Cookie』という歌詞を曲解する営為を「児童の保護」と「彼ら」は主張するのだ。

児童ポルノ法自体がレイプカルチャー論と社会構築主義の産物

レイプカルチャー論については他のnote記事でも書いたと思うが、改めてリンクを張っておく。


当該記事では警察庁のサイトの一部記述がラディカル・フェミニズムのレイプカルチャー論に基いているという主張を行ったが、 本章ではこれを更に過激にしたい。

児童ポルノ禁止法自体が、社会構築主義(レイプカルチャー論含む)から成り立っていると。

何故そう言えるのか?


そしてこれは法学という学問の抱える問題点かもしれないが(トランス活動家に法学を生業とする人間は多い。例示しても、中岡しゅんや神原元等この手の論争ではお馴染みのメンバーが並ぶ。他称TERFが目立つので分かりにくいが、太田啓子氏は正統派のラディフェミである)、児童ポルノ法も最近制定された不同意性交罪や、監護者性交罪と同じく、ジェンダーニュートラルな法である。

児童ポルノ禁止法の定義には「児童」としか書かれておらず、性別の指定は無い(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=411AC0100000052)。ここがまずスタート地点である。
例えば改正前の強姦罪だと、

第二百九十六条(強姦)① 暴行又は脅迫を用いて,女子を姦淫した者は,二年以上の有期懲役に処する。 ② 女子が精神の障害その他の理由により抗拒不能の状態にあるのを利用し, 又は女子を抗拒不能の状態に陥れて,これを姦淫した者も,前項と同じである。

https://www.moj.go.jp/content/001137764.pdf

と明確に「女子」と書かれていたし、女性労働基準規則(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=361M50002000003_20190507_501M60000100001)はその名の通り生物学的な女性を対象にした省令だ。ジェンダーイデオロギーの元では、これらの法律は無効化されるってみんな気付いちゃったんだね!

ジェンダーニュートラルな法律の何が問題か。

当たり前であるが性暴力被害に遭うのは圧倒的に女性が多い。男性が同じような目に遭うのと、女性が同じような目に遭うのでは恐怖感やその後のトラウマレベルはまるで違う。

話を戻そう。少なくとも日本に限って言えば(アメリカ、ブラジルなどは別のアプローチが必要となる)、児童ポルノ禁止法はレイプカルチャー論により成り立っていると言えるかもしれない。

そもそも、児童ポルノ法案上程の契機となったのは、96年8月に開催された「第1回児童の商業的性的搾取に反対する世界会議」だ。ストックホルムで開催されたこの会議は、政府、国際機関、NGOなどが参加。その目的は、子供の商業的な性的搾取根絶を目指してはなしあうことだった。その中で、日本には児童の売春行為(※3:売春と買春について。性的搾取者を主体に置く場合「買春」を用いることが多く、中立的立場から表記する場合「売買春」が用いられる(脚注は当該書籍より引用。以下同文)の相手方になることや、子供ポルノを禁止した法律が存在せず、「インターネットで流される子供ポルノの発信地になっている」との指摘もされた(※4:「子供ポルノ輸出や買春、加害者として責任自覚をー性的搾取に反対する世界会議」『毎日新聞』1996年9月10日東京日刊 「社説 子供の性と人権を守るために」『読売新聞』1995年9月5日東京朝刊)。これを受けて、97年6月に、当時の与党3党(自社さ)は「与党児童買春問題等プロジェクトチーム」を立ち上げ、翌年法律案の要綱を公表した。

永山薫,昼間たかし,コミックマーケット準備会,全国同人誌即売会連絡会,"マンガ論争勃発 2007-2008". マイクロマガジン社, 2007年, p118-119.

勘のいい人間は気付いた人も居たかもしれない。
「買春」という言葉が、『ポルノグラフィ 女を所有する男たち』でポルノがいかに害悪かを主張したアンドレア・ドウォーキンや、キャサリン・マッキノン(尚現在のマッキノンは、トランスジェンダーの権利という体裁でジェンダーイデオロギーに肩入れしている)といったラディフェミの思想によって作られた言葉であるという事を。


ここから先は

0字

【椎名新書】法律、教育、医学まで、あらゆるジャンルで何も知らない「無垢な子供」という幻想が振り撒かれているが、その真実に関して、更に更に踏…

記事を読んでくださりありがとうございます。 少しの間お時間を頂けますか。 100円、200円と言ったほんのお気持ちでも構いませんので、サポートは力になります。 無論、それ以上支援して頂けるのであれば、私は有難く受け取ります。 サポート代は、通販や食事代、生活費に主に使います。