【この頼りない背中からはいつか翼が生えて綺麗な夜空へ連れてってあげるから】②
僕は吹奏楽部にも所属していたが、自分たちだけが知ってる秘密のサボり場ってのがあった。
音楽室の奥にある、ピアノ室。
部活中にもかかわらず、サボるというダメ部員だった。
でも、実は副部長だったのはここだけの話。
3年生で引退してたけど、後輩達に会いにいくために遊びに行った。
さすがにずっといるのは迷惑かなと思い、ピアノ室へ行くと、
ウユちゃんが男といた。
何か、見ては行けない物を見てしまった感覚。
1番衝撃だったのはその男は僕が組んでいたバンドメンバーのアズマだったことだ。
一瞬で僕は悟った。
2人は付き合ってるんだと。
じゃなければあんな狭い空間に2人きりでいる訳がないと。
何だかわからないけど、裏切られた気分だった。
別に付き合ってもないのに、勝手に彼氏がいないと思い込んでただけなのに。
その日家に帰ってすぐ、ウユちゃんの連絡先を消去した。