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松村北斗って前世 硯駈だったかもしれない『ファーストキス 1ST KISS』

映画『ファーストキス  1ST KISS』を試写会で観ました。
松たか子、松村北斗、吉岡里穂、森七菜と、私の大好きな役者さんが大勢出演。しかも監督は塚原あゆ子で脚本が坂元裕二! え! 私が選んだ!? ってくらい大好きな人たちが関わっていて、情報が出てからずーーっと楽しみにしてました。

で、実際すっっっっっっっっっごく素敵な作品でした。もう本当に、お世辞抜きに涙なしでは観られない、美しい物語。感じたことも考えたいことも書き記したいこともたくさんある。あるんです。でもね、まずなによりも聞いてほしいことが1つあるんです。



松村北斗やば~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~くない!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!??!?!



やばいんですこの男。や、これまでも映画で言えば『すずめの戸締まり』とか『キリエのうた』とか『夜明けのすべて』とか『ディア・ファミリー』。ドラマで言えば『KNOKI'N ON LOCKED DOOR』『西園寺さんは家事をしない』でも散々、演技上手いなあ、メロっちまうよこんな顔されたらとか思ってましたけど、気になってましたけど、この度の、松村北斗、え、え~~~~~~~~~~~~~!?!?!?!?!
好きな演出家と好きな脚本家によって手掛けられ彩られ、好きな女優と共演した気になる男の破壊力がとんでもないんだが~~~~~~~~~~~~~!!?!?!?!?!?!?!?!?


※以下、本作のネタバレを含みます。


大前提として私、好きな人 or 配偶者や子どもがいる登場人物が大好きなんです。交際や結婚に至るまでの過程でもだもだっぷりを見せてくれる恋愛不器用人間だと尚好きです。誰かを愛している人の表情とか仕草ってたまらなく愛おしいじゃないですか第三者から見てても。駈なんてもうまさにですよね。

40代のカンナをかき氷屋さんに誘った時、左手の薬指に指輪を見つけてしまった時、エトセトラエトセトラ…その時々の表情、声色、言い方の全てからもう、それが出てるんですよ。愛も、まだ愛になりきってない愛までもがにじみ出てるんですよ。

そもそもカンナと付き合ってまだ1~2カ月しか経ってなかったのに「結婚しようか」ってプロポーズして、生物のなんたらかんたらの法則上僕たちは相性がいいのでとかなんとか言って、なんともいえない空気に間違えたかもしれない…みたいな顔してたら「硯カンナか……また言いにくい名前だな」「結婚しよう」って言ってもらえて、わ~~~~~~~~~~って顔に喜びが溢れてて、溢れすぎて零れそうで~~~~~~喜びと一緒に愛も溢れ出てて~~~~る~~~~~!!!!!!!! その表情~~~~~~~~~!!!!!!!!!! 

結婚指輪を見つけてしまった時もプロポーズにいい返事もらえた時もやってた、腕で口元を隠すようなポーズ、多分すごく驚いた時にやってしまう癖なんじゃないかと思ってるんですが(松村北斗個人の癖である可能性もありますが)、それもも〜〜〜〜〜愛おしい。何気ない癖がある登場人物ってより一層生きてる~~~~~って感じしません??? するよね~~~~~~~~~~。


……あれ?


え、


え、もしかして松村北斗って前世 硯駈だった????


だってあの、じゃなきゃあんな愛に満ちた表情できなくないですか????? え???? あれが、あれが……演技……!?!?

いやいやちょっと待ってください。ここで硯駈(29)の可愛いが過ぎる台詞を紹介させてくださいよ。


「これ以上、僕をドキドキさせないでください」



っえ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!?!?!?!?!?!? 何それ何その台詞と表情と声色と言い方~~~~~~~~~~~~~~~~!?!?!?!?!?!??!? そりゃあカンナだってもう1回どころか3回も4回も欲しがっちゃうよ貴重な時間費やして!!!!!!!!! 録音だってしちゃうよ~~~~~~~~~!!!!!!!!!!

「2人でパン屋さんやりましょう」なんてほぼプロポーズみたいな言葉を気になる人に言われちゃって、でもその人はそんなつもりきっとなくて、そりゃあ、ちょっと拗ねるような気持ちにもなりますよ。でも、でもよ、演技であんな表情ができるかね!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!

いや、確かに私は演技演技してる演技よりも自然な演技の方が好きで、この作品に出てる方々はみんなそうだからってのもあって観ていてすっごくのめり込める、けど、も、この時の松村北斗はさ、もう、本当に、すごい、すんごい、とんでもない。どの作品見てても演技が好みだとは思ってたけど今作はもう、なんか、え、もう、ほんとに、やっぱり貴方の前世って硯駈ですよね???????

台詞単体でいったら自然ではない気もするんですよ。ああいうことをはっきり言える人って今も昔も多くはないと思うし。言葉に台詞っぽさがある気がして。

でも、そういう言葉を、自然に言うんです。“貴方への気持ちが確かにここにあるのに、でも貴方はそんな素振りをみせないのに、どうしてそういうことをさらっと言ってしまうんですか”って拗ねたような気持ちと一緒に、言うんです。
もう、本心じゃんあれは。本気じゃん。めちゃくちゃ硯駈じゃん。本人じゃん。やっぱ松村北斗の前世は硯駈じゃん。

あれが演技だって言うんならもう、自然な演技大好き人間こと私の中で祭は三日三晩どころか一生続いちまいますよ。あの表情、声色になら騙されてもいい。あの台詞のあとに明らかな詐欺の話持ち込まれても乗っかる。無い貯金を絞り出す。


やっと硯駈の話をします

このままだと15年後に貴方は死んでしまうから、だからこの後20代の私とは出会わないで欲しい。結婚しないで欲しい。
そこまで説明されたのに、今の、40代のカンナに会えなくなるのは嫌だから、離婚もしたくないから、でも知らない赤ん坊と母親を見捨てるのもいやだから、だったら、15年を後悔のないようにやり直したいっていうんです硯駈は。
だって44歳ですよ。今や100年時代と言われていて、平均寿命だって80歳を越えてます。そんな世の中で44歳の若さで死ぬことがわかっているのに、たったの15年後なのに、それでもいいから、愛する人と後悔の無い時間を過ごしていきたいって言うんです。
これ以上ない愛の言葉じゃないですか、こんなの。

実際彼は、描かれていた以上に、15年間を愛おしく生きたんだと思います。
同じベッドで寝起きして、メニューは違えど同じキッチンで会話をしながら準備をして、同じテーブルで向かい合って朝食を取って、相手のためにいいトースターを買って、3年前には餃子も注文して。
悲しい気持ちはきっと、いつまでも消えないけど、自分が確かにここにいて、素敵な時間を過ごして、これからを生きるカンナにもいい時間を過ごせるようにと、たくさんのものを残してくれたことでしょう。

あの「いってきます」と「いってらっしゃい」が最後になるとわかっていたから、最後に少しでも長くカンナの顔を見つめていたのかと思うと、この記事を書いている今も涙が出てきそうになります。


15年間をやり直したいと言った時、なんて残酷な男なんだろうとも思ったんです。目の前の愛する人と一緒にいたい気持ちもわかるけど、他人も見捨てられない。欲張りで愛に深い、でも残酷な人だって。でも、犬に絡まれていれば助けに行き、目をぱちぱちしていればドライアイかもと目薬を差しだし、ひどいことを言われたのに40代のカンナが転べばすぐに振り返り、一度は見て見ぬふりをするのに結局駆け寄ってしまう。そんな優しさの延長線上であるだけで、彼はずっと、彼のままでした。


手紙のシーンは後撮りで、監督が声の太さや低さのために撮り直しをしたと言っていましたが、納得でした。
あの手紙には、駈からカンナへの15年の愛が詰まっているわけです。どれだけ演技が上手くっても、20代の声じゃダメなんです。15年間カンナと生きた、44歳の硯駈でなくては。
カンナの愛おしいところ、大切な時間、思い出。全部を詰めたあの手紙は、思い出すだけで泣きそうです。

どれだけ私を泣かせれば気が済むんでしょうか、この作品と松村北斗は。これはもうとてもじゃないけど演技とは思えないな。本物が過ぎるな。主演の松たか子との初共演とは思えないな。


ってことはやっぱり松村北斗の前世って硯駈じゃないですか????????


え? 違う? 演技? そんなばかな……おかしいな……これは確かめるためにも2月7日に公開したらまた観に行かなければ……まだ1週間も先なのか……今すぐにでも円盤が欲しいな……発売日はいつですか……

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