
笑え!アサイーを溶かすほど【2025年の目標】
先月、友人とはじめてアサイーボウルを食べに行った。理由は単純、SNSで流行っているから。正確にはちょっと前の流行りらしいが、私はタピオカだって飽和状態→衰退期にはじめて飲んだような人間なのだ。(アサイーには悪いけど、私が食べに行ったということは……覚悟を決めておいてほしい。)
うきうきで評価の高いお店を調べて、CUTIE STREETさん曰くかわいいが集まる日本の中心こと原宿へ!

スプーンですくって、一口目。新鮮なフルーツが美味しい~。その後もグラノーラやハワイアンハニーに舌鼓を打ちながら順調に食べ進めていく。
ところが肝心のアサイーに辿り着いたとき、手が止まる。
アサイーってこんなに冷たいの……?
なにぶん初・アサイーなもので全・アサイーがそういうものなのかはわからないが、私が食べたものはシャーベットっぽい食感だった。もちろん美味しい……のだけれど、食べれば食べるほど体温が下がっていくのを感じる。アサイーボウルは知覚過敏&冷え性の人間が真冬に食べるべき食べものではなかったらしい。結局友人の倍以上時間をかけて(その様子を笑われながら)、なんとか完食するという体たらくだった。
はじめてアサイーボウルを食べた!
— 汐見りら (@sio3rira) December 12, 2024
あの子の旬は夏です。
──という一連の顛末について、世間的にはプチ失敗談のひとつに過ぎないのかもしれないが、私のなかではかなり意味のある出来事だった(2024年ナイス経験賞8位くらいの!🏇)。
なぜかというと、私はこれまで「流行っている」という理由だけで流行りものに手を出せたことがとても少なかったから。
生来の逆張り気質のため、10代のころから世間が注目しているものに飛びつくことを敬遠してしがちだった。大衆に迎合するのってなんかダサくない?みたいな。10代の私にとっての「世間」はとても狭く、そこには学校行事や人間関係も含まれしまっていた。
かといって中身はかなり俗っぽい人間なので「流行りもの」のヒット率は普通に高く、そのせいで今更『VIVANT』が面白い!と一人で騒ぐ羽目になるのだ。もう友人のほとんどがノゴーン・ベキのことを忘れちゃっているのに……。
ところがここ数年、インターネット上では「冷笑」という概念が急速に普及した。
「冷笑系」という言葉をご存じだろうか。「個々の政治的主張や社会的活動を独りよがりであるとみなし、上から目線で冷笑する人々」という意味で使われる、近年流行しているネットスラングだ。
渡邊雄介「人の正義を笑うな。SNSに蔓延する「冷笑主義」はなぜ危険なのか」ForbesJAPAN(2020.06.07)
https://forbesjapan.com/articles/detail/34986?read_more=1
この記事では政治的主張や社会的活動に対しての態度とされているが、実感としてはカルチャーや日常生活上の何かに対する 斜に構えた姿勢も「冷笑」として扱われているような気がする。というか私は同じ問題として考えたい。人間ひとりが持っている力を信じていない、という点で根っこが共通していると思ったからだ。
「政治的主張や社会的活動」に価値を感じている人間なのに、ところ変われば個人・そしてそれが積み重なってできたムーブメントを見下すというのは間違っている気がする。
そして何よりインターネット大好きガールとして、インターネットの負の面を内面化した人間にはなりたくない。どうせなら電子の海が育んだ立派な魚!みたいな形でみなさんの前に現れ、インターネットのポジティブキャンペーンをしたい!
……という思考から、最近の私は逆張り冷笑の逆張り、みたいな感じに仕上がっている。アサイー行脚も実はその一環だったのだ。
実際カフェに行ってみたら別になんてことはなかった。
私はどうしてあんなに流行りのものに乗るのが嫌だったのだろう。
みんなと同じものを好きだと言うと、個性が埋没してしまいそうだから?
逆に良さがわからなかったとき、集団から落伍したような気持ちになるから?
でも私はアサイーボウルを食べられた。
みんなが食べていて気になるから食べに行って、結果として寒さに負けて表参道で震えるという個性(?)を発揮できた。アサイーボウルをみんなと同じように楽しめなかったとしても、真っ青な唇をけらけら笑ってくれる友人もいた。全然大丈夫じゃん!
ということで、2025年の目標は、脱・冷笑。
アサイーが溶けちゃうくらい熱く笑いながら、気になった波には積極的に乗りまくっちゃおう!と思っている。
もちろん見送る波もあるはず。
「みんなが好きだと言っているから」ではなく、「みんなが好きだと言っていて、それがどんなものなのか ”私が” 気になっているから」という風に、私の興味のほうにフォーカスしてあげることが楽しく波に乗るコツかも。熱笑素人の考えですが……。
そして二つ目の目標は、友だちを大事にすること。
今回のアサイーチャレンジも付き合ってくれた友人がいてこそのものだったし、お笑いの賞レースや競馬、アイドルオーディション番組など、友人に連れて行ってもらったおかげでかろうじて乗れた波(そしてそれらはとてもおもしろい!)がたくさんある。
『オオカミくんには騙されない』を冷笑ではなく真剣視聴していた10代が私にもあったこと、希望かも
— 汐見りら (@sio3rira) January 7, 2025
(↑は中高の部活同期のおかげ🫶)
今年は友人たちへこれまで以上に感謝するのはもちろん、私の領海でみんなが気になる波があれば全力で乗せてあげたい。アイドルのこととか、ちょっと前のアニメとか、私もまだまだだけど短歌とか?
自信を持って案内できるところが少なすぎるのでそこはインストラクターとしてもっと鍛えておかなきゃだ。がんばるぞ〜。
本当はやらなくてはいけないことが他にもたくさんある年なのにこんな目標でいいのかなあとも思うけど、まあ私らしいんじゃないかな。
改めて、2025年もどうぞよろしくお願いします。
そよ風にだって震えるくちびるで笑え!アサイーを溶かすほど /汐見りら
いいなと思ったら応援しよう!
