メンタルが物故割れそうな人へ ~監獄を形成する医師が居るという話~

(追加)注意:この記事は1万文字以上あるクソ長文です。


0. 一番大事なこと

メンタルが物故割れて/物故割れそうになっていると判断力が鈍るので、会社に「会社指定の精神科医の診察を受けろ」と言われたら従ってしまいがちです。

ところで、「従業員に対して会社が"特定の"医師の受診を強制すること」は法的な定めはない(はず。就業規則で決まっていたりはするかもしれない)一方で、「医師の診断書」は法的拘束力を持ちます。言うまでもなく後者は強力です。
そのため、「会社に言われるまま 従業員が会社指定の精神科医の(「業務不可である」という内容の)診断書を貰って会社に提出すること」は、従業員(あなた)を休職させるための口実を会社に与えているのと同じです。そして多くの会社では、休職期間が一定の日数に到達すると解雇となります。

会社から精神科医を指定された場合でも「会社指定の精神科医を受診すること」「診断書を貰って会社に提出すること」には慎重になるべきです。
会社が医師を指定していない場合は自分で精神科医を選ぶことになりますが、その場合でも慎重に選びましょう。
※じゃあどうしたら良いんだよ? と言うのは書けません。私は失敗したので。(だからこそ こんなクソ長文を書いている)

1. 一般論:メンタルを物故割すとどうなるのか

昨今では、おおむね

  • 業務等(≒メンタルが物故割れた要因)から十分遠ざかって心身を休めつつ生活サイクルを取り戻して

  • 落ち着いてきたら精神科主治医の指示のもと精神科リワーク(復職準備のための医療)に通って

  • リワークでは自分のメンタルが物故割れた原因や再発防止策を考えたりして

  • 大丈夫そうになったら主治医から復職可の診断書を貰って

  • 会社の産業医と面談して復職

という感じだと思いますが、このへんの流れはたぶん私以外の人でも書けると思うのでこれ以上の詳細は割愛します。
重要なキーワードは「主治医」「リワーク」「診断書」です。

2. 精神科は病院等によって全く異なる

大事なのは、精神科の病院/診療所(以下「病院等」と表記します)や精神科リワークは、病院等によって内容が全く異なるということです。
とある本(この界隈では人気があるらしいです)では

最近はどの科でも「診療基準」や「治療ガイドライン」が決まっていますから、医者や病院によって診断や治療法が全く違うことは少ないはずです

精神科医が教える病気を治す感情コントロール術 樺沢紫苑 25ページより引用

などと書かれていますが、これは 少なくとも精神科に関して言えば明らかに誤りです。信じてはいけません。
いや、大半の精神科の医師や病院等は上記が当てはまる程度にマトモなのだと思います(思いたい)が、残念ながら世の中には信じられないようなことをするような医師や病院等が存在します。

2.1 一般論: リワークと主治医の関係

一般論として、精神科リワークに通う場合、「主治医が居る病院等」と「リワークを行う病院等」は同じである必要はありません。
主治医が患者に対してリワークが有効だと判断してリワークを認めれば患者はリワークに通院することができます。それがたまたま主治医が居る病院等であることもありますが、別の病院等であることもあります。

主治医とリワークが別の病院等である場合、主治医の診察とリワークを同日に行えない といった制約はあります。

どちらかを10割負担すればいけるようですが

2.2 監獄を形成する医師

ところが、世の中には
自分の患者に対して、自分の病院等でのリワークしか認めない」あるいは
主治医が自分ではない患者が自分の病院等でのリワークを希望する場合に、主治医を自分に変更させる
という医師が存在します。

さらに信じられないことに、世の中には
私は紹介状(診療情報提供書)なんか書かない!!
と言い放つ医師が存在します(実際、私は書いてもらえなかった)。

さて、上記2種類の医師が同一人物であったとき、何が起きるでしょうか。

  • 患者は、他の病院等へ転院したいと思っても紹介状を書いてもらえない

  • ほとんどの精神科の病院等は転院してくる患者に対して紹介状を要求するので、転院できない (例外はあります)

  • 患者は、(例外を見つけ出さない限り)その病院等から逃げられない

つまり 一種の監獄が形成されます

ここで言う「監獄」というのは、いわゆる「精神病院の閉鎖病棟」のような「物理的に閉鎖された空間」を指すのではありません
毎日家に帰って身体は物理的に自由であるにも関わらず、精神的に逃げられない状態のことを指しています。

2.3 パワハラする医師

先程「転院したいと思っても」と書きました。
そもそも、なぜ患者は転院したいと思うのでしょうか。

ここまで書けばある程度想像できるかもしれませんが、わざわざ監獄を形成するような医師は、パワハラ気質です。
自分の病院等で自分の患者に対して好き放題怒鳴り散らします。それを指摘しようものなら「あれは[患者名]が○○するのが悪い!!」と逆ギレします(そもそも後述する生殺与奪の心配があるので指摘することすら憚られます)。手がつけられません。
※言うまでもないことですが、仮に患者に悪いところがあったからといって医師が怒鳴り散らして良い理由にはなりません。それを治すのが医師の仕事でしょう。

そんなところからは逃げ出したいと思うのが当たり前なのですが、上記の通り 監獄が形成されているので容易には逃げ出せなくなります。

さらに、会社によっては「“休職時の診断書を書いた医師“が書いた復職可の診断書」を要求することがあります。休職時の診断書をパワハラ医師が書いていると、これも逃げ出せない要因になり得ます。このケースにおいては、会社も監獄形成の一端を担っていると言えるでしょう(このあたりについては後で述べます)。

会社が特定の医師の受診を要求する場合にありがち

2.4 パワハラ医師は復職を認めない

さて、パワハラ医師は監獄を形成して患者をその中に囚えました。しかし、ここで患者が復職してしまったら、患者に逃げられてしまいます。
ところで、「1. 一般論」で書いた通り、休職した者が復職するには主治医に復職可の診断書を書いてもらう必要があります。そして監獄となった病院等では、主治医はパワハラ医師です。

この状態において、パワハラ医師が患者の復職を認めなければ 患者に逃げられる心配はありません。
パワハラ医師は復職可の診断書をなかなか書きません。色々と理由をつけて復職を認めません。
患者が一度監獄に囚われてしまったら、長期間復職できません。

後述する再発率のために実績を作る必要があるせいか、患者の復職期限が近づいてくると叩き出すように復職させることはあるようです。

2.5 生殺与奪

ところで、休職している人は その間会社に対してどうしているのでしょうか。また金銭面ではどうしているのでしょうか。

  • 理由なく会社を休み続けることはできないので、定期的(月一回とか)に「引き続き療養が必要である」という内容の医師の診断書を会社に提出する必要がある場合が多いです(会社によります)。

  • 休職中は当然給与収入が無くなりますが、医師が傷病手当金意見書を書けば、傷病手当金(一般的には、休職直前の標準報酬月額の2/3の額を最大1年半)を受け取ることができます。

つまり、「休職しつつ会社に在籍し続けること」「休職しつつ金銭を得ること」のいずれにも、医師に書類を書いてもらう必要があります。言い換えれば、休職中は医師に書類を書き続けてもらわないと患者は生きていけません。
つまり、監獄を形成した医師は実質的に患者の生殺与奪を握っています

この状況で「私は紹介状なんか書かない!!」と言い放つパワハラ医師の元に置かれた患者はどう考えるでしょうか。

その状況に置かれた患者が

「主治医(パワハラ医師)の機嫌を損ねたら『私は診断書なんか書かない!!』『私は傷病手当金意見書なんか書かない!!』と言い出すかもしれない。そうしたら自分は生きていけない」

前述の通り 監獄が形成されているため、「転院して他の医師に書類を書いてもらう」という手段は封じられています

と考えるようになるのは自然なことです。
これによって、パワハラ医師が形成した監獄に囚われた患者の中では抑うつ感が増します。

この分野では「認知の歪み」というのが良く言われますが、この状況で患者が上記の認知に至るのは"歪んでいる"とは言えないでしょう。歪んでいるのはこの状況を作り出した医師のほうです。

2.6 ここまでのまとめ

ここまでのまとめです。

メンタルを物故割したので休職して精神科リワークに通ったら抑うつ感が増した。

こんな状態で精神疾患が治るわけがないですね?
精神科を選ぶのに慎重にならなければならない理由が、少しはおわかりいただけたでしょうか。

2.7 リワークは見学できる

精神科リワークを行っている病院等では、リワークの利用を検討している患者が見学できるようになっていることが多いです。
もし見学の機会があれば、リワークの実施内容について確認しましょう。少しでも違和感を感じたり、パワハラ的な雰囲気を察知したり、「主治医を変更する必要がある」等と言われたら、その病院等には二度と近づかないほうが良いでしょう。

…とは言っても、パワハラ医師は当然(新たなカモが欲しいので)見学の際はそこが監獄であることを隠そうとしますから、見学だけで見抜くのは簡単ではないかもしれません。

3. パワハラ医師を指定する会社がある

さて 困ったことに、メンタルが物故割れそうな従業員に対して、パワハラ医師の診察を受けることを指示する会社が存在します。
なぜでしょう?

3.1 前提: 生存バイアス

まず前提として生存バイアスを知って欲しいのですが、書くのがめんどくさいので知らない人はWikipediaを読んできてください。「例の帰還した爆撃機のアレ」で分かる人なら読まなくても大丈夫でしょう。リンク先にも爆撃機の例は書いてあります。
※私も爆撃機の話しか知らないレベルでこの先を書いてます。

3.2 一般論: 再発率

もう一つ 一般論として、精神疾患は再発率が高いというのがあります。つまり、「一度メンタルを物故割して会社を休職した人は、復職後 再度メンタルを物故割して休職する可能性が高い」ということです。
言うまでも無いですが、会社は精神疾患で休職を繰り返す人を嫌がります。そこで会社としては「精神疾患での休職者は、再発率が十分低くならない限り復職を認めない」という戦略をとることになるわけですが、それには「再発率が十分低い」ことを何らかの方法で知る必要があります。

一方 リワークを行う病院等もそのことは承知しているので、自病院等をアピールする指標として「自分の病院等でリワークを行ってから復職した者は、再発率が低い」というアピールの仕方をします。この再発率というのは、式で書けば

$$
\text{再発率} = \frac{\text{(分母のうち)復職後に再発した人数}}{\text{その病院等でリワークを行ってから復職した人数}}
$$

前者を分子 後者を分母と呼称します

ですね。

3.3 監獄病院等が提示する再発率には生存バイアスが働く

さて、先に書いたパワハラ医師のいる監獄となった病院等でリワークを行って復職まで耐えられる人はどんな人でしょうか?
言うまでもなく、「もともとメンタルがタフだった人」が多くなります。それ以外の人は途中で脱落していきます。そもそもメンタルを物故割したために精神科に通う羽目になっているわけで、「メンタルがタフな人しか生き残れない監獄」では残る人のほうが少ないでしょう。

つまり パワハラ監獄病院等で行われるリワークでは、再発率の分母も分子も「もともとメンタルがタフだった人」が大多数を占めます。そんな人たちの復職後の精神疾患再発率が低いのは当たり前です。本当にメンタルが弱っていた人は分母からも分子からも除外されています。パワハラ監獄病院等が提示する再発率は生存バイアスが働いています。

でも 会社はとにかく再発率が低いことを望むので、そのようなパワハラ監獄病院の実態を知らずに(あるいは敢えて知った上で:会社が監獄形成の一端を担っているケース)自社の従業員に対して再発率の低いパワハラ医師(≒再発率の低さを謳っているパワハラ監獄病院等の医師)の診察を受けるよう指定してしまいます。

3.4 会社側の人へ

もしあなたが会社側の立場の人で、「再発率が低ければそれ以外のことはどうでも良いし、パワハラに耐えられないような従業員は会社に戻ってこなくても構わない」と思っているのであれば 私から言うことは何もありません。
でも 少しでも従業員のことを考えているのであれば、病院等を指定する際は再発率だけではなく そこが本当にマトモな病院等であるのかどうか 良く確認してからにしてください。
また休職中の従業員が転院を申し出たら、受け入れてください。

これは、監獄で半年無駄に捨てた者からの切なる願いです。

実はこれ、「半年で済んで良かった」レベルなんですよ…

※誤解のないように書いておけば、会社が病院等を指定すること自体は必ずしも悪いことだとは思いません。メンタルが物故割れている人は判断力も低下していたりするので、会社が従業員に対して 安心して治療に専念できる病院を紹介してくれるならそれは決して悪いこととは思いません。

4. 診療点数

ここからはちょっと別の、細かい話を書きます。本題からは少し逸れるので興味の無いかたは読み飛ばして頂いても構いません。

4.1 一般論: リワークは医療である

ここでまた一般論です。
日本において、リワークとは診療点数が定められた医療の一種です。当然 保険も適用されますし(3割負担)、さらに自立支援医療という制度を使うと自治体が医療費を負担してくれて1割負担になったり自費負担額上限が0~2万円になったりします。

しかしその一方でリワークには様々な診療基準が定められており、例えば以下のような人員基準が定められています(その他に施設基準等もあります)。

厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/06/dl/s0604-7b_0001.pdf より引用
※赤線赤枠は引用時に付加

上記PDFは古いので4ページに記載されている診療点数が古く、令和四年における精神科デイケアの診療点数は大規模700点 小規模590点です。

精神科デイ・ケア(1日につき)

一般的に、リワークは「精神科デイケア 大規模/小規模」という診療点数で算定されます。上記の表を見ると、デイケアは小規模/大規模に関わらず、

  • 精神科医師1名以上(兼務可)

  • 作業療法士、精神保健福祉士又は臨床心理技術者のいずれか1名以上(専従)

  • 看護師1名以上(専従)

は最低限必要であることがわかります。
このように厳密に診療基準が定められていることも、冒頭に引用したような「医者や病院によって診断や治療法が全く違うことは少ない」という誤謬を生む原因なのかもしれません。
しかし基準が定められていることと、それが守られていることは全く別です。

なお「リワーク」と「デイケア」は厳密に同じ意味ではない(おそらく後者のほうが意味が広い)のですが、ここでは詳細は割愛します。
病院等によってはこの2種の言葉を使い分けています。

というか、私は違いをよく分かってない

4.2 診療基準を満たさずに診療点数を算定する病院等が存在する

大変残念なことに、診療基準を満たさずにリワーク(まがいの行為)を行って、精神科デイケアの診療点数を算定する病院等が存在します。

リワークを行っていることを自称する とある病院等の人員について書きます。前節で書いた最低限の人員基準が守られているかどうか 確認してみましょう。

  • 精神科医師
    その病院等には、精神科医師は居ます。その医師はリワークの時間内に外来の患者の診察等を行っていることもありますが、デイケアの人員基準では医師は「兼務可」なのでこれは問題ないでしょう。

  • 作業療法士、精神保健福祉士又は臨床心理技術者
    ところが、「作業療法士、精神保健福祉士又は臨床心理技術者のいずれか」は、毎日は居ません。曜日や時間帯によっては居ますが、居てもリワーク時間内に外来の患者の対応をしたりしていることもあり、とても「専従」とは言えない状態です。

  • 看護師
    看護師にいたっては、そもそも存在しません。専従かどうかとかいう以前の問題です。

「リワークに看護師が必要かどうか」とかいう議論をしたいのではありません。
診療点数を算定して患者から医療費を取るのであれば、診療基準を満たしていなければなりません。日本の現在の診療基準では、精神科デイケアの診療点数を算定するなら、人員として「作業療法士、精神保健福祉士又は臨床心理技術者のいずれか」と「看護師」は専従で必須です。人員基準を満たさずに診療点数を算定するのは、まともな病院等・医師のやることでしょうか?
これは患者はもちろん、医療費を負担している健康保険組合や自治体(自立支援医療の場合)に対する背信行為ではないでしょうか。

ところで、「(人員基準は別として)リワークに専従の看護師は必要か」と尋ねられたら、私は「居た方が絶対に良い」と回答します。
精神疾患はしばしば身体反応として身体に何らかの影響を及ぼすことがあります。これによって(あるいはその他の要因で)リワーク中に身体に変調があった時、専従の看護師が居ればその場で専門家としての適切な助言が得られます(「すぐに医師の診察を受けてください」「他科の診察を受けてください」「帰宅して休んでください」等)。
もちろん医師も専門家ですか、医師はリワークにおいては「兼務可」なので、いつでもリワーク利用者のことを診られるとは限りません。明らかに身体反応が出て不調になっている患者に対して「3時間後に診てやるから待ってろ」とか言い放つふざけた医師も存在します。

3時間待つぐらいなら帰って寝るっつーの

4.3 リワークの見学で人員基準の確認を

リワークを行っている病院等の多くは見学出来ることを書きました。
その際、(リワークの実施内容そのものはもちろんとして)人員基準を満たしているかどうか確認しましょう。
もしそこで「コロナなので今は人を減らしている」等の言い訳をし始めたら、その病院等は人員基準を満たしていない可能性があります。

「コロナで人員基準が緩和された」という話は聞いたことがありません。

と 別の(ちゃんとした)病院等のスタッフが言ってました

4.4 特定疾患療養管理料

特定疾患療養管理料という診療点数があります。
これは厚生労働大臣が定める疾患(特定疾患)に対して治療計画に基づき療養上必要な管理を行った場合に、月2回に限り算定できるものです。
対象となる疾患は厚生労働省告示第六十三号別表第一に定められています。が お役所文書のお約束として縦書きで読みづらいので、読むのがめんどくさければWikipediaの特定疾患#特定疾患療養管理料等に規定する疾患の「特定疾患療養管理料並びに処方料及び処方せん料に規定する疾患」を開いたところに見やすく纏められています。

Wikipediaより引用

見ての通り、特定疾患には いわゆる生活習慣病と呼ばれるものが多数含まれる一方で、多くの精神疾患は指定されていません。
ここまでずっとメンタル(精神疾患)について書いてきたのに、私はなんで突然こんなことを書き始めたのでしょう?

大変遺憾なことですが、患者が特定疾患ではないのにも関わらず 特定疾患療養管理料を算定する医師や病院等が存在します。おそらく、主治医診察のあった日に機械的に月2回算定しています。
これも患者や健康保険組合、自治体に対する背信行為ではないでしょうか。

「おそらく」というのは、その病院等が会計不明瞭で毎日の診療明細が出ず詳細が不明であるためです。そもそも厚生労働省は診療明細を出すことを求めており、毎日の診療明細が出ない事自体もおかしいのですが、その一方で一応抜け道も認められているのでこの件についてはこれ以上は追求しません。

ちなみに 患者が自費で3割ないし1割を負担した後 健康保険組合が医療費の7割(と自治体が2割)を負担するわけですが、その際審査機関による審査が入ります。私の場合、その審査で特定疾患療養管理料の分が査定(減額)された形跡があります(自分が支払った額と健保が提示する医療費に明らかな差がある(診療点数を四捨五入する際に誤差は発生するが、それでは説明できない額の差)。患者の側からは審査の詳細が分からないのでこれ以上のことは分からない)。
病院等が7割取り損ねてざまぁみろ と言うところではありますが、それで私が既に支払った自己負担分が返ってくるわけではありません。

4.5 基準を作っても守らない医師や病院等が存在する

要するに、いくら人員基準を作ったり特定疾患を指定したりしても、それを守らないでカネを取ろうとする医師や病院等が存在するということです。
「診療基準が決まっているからどこの病院等に行っても安心だ」などというのは全くの誤謬です。
医師選びは慎重に行なってください。

付記

a. 想定問答

“FAQ“って書こうとしたけど誰にも聞かれたことないから"F(requently)"が成立しないため、ただの想定問答になりました。

  • Q. 【医療関係者から言われそうなこと】このクソみたいな長文を書いた奴は、それこそ認知が歪んでいる。そんな医師や病院等が存在するわけがない。確証バイアスだ。
    A. そうだと良いですね。そうならどれだけ良かったかと思います。
    …まぁ 白状してしまいますが、「監獄」という表現がやや極端であることは認めます。当時の自分の認知は「収容所のようなところだ」でした。今回これを書くに当たって「収容所」から「監獄」にアップグレードしておきました。

  • Q. なんでそんな奴が医師免許持ってるんだよ?
    A. それこそ私が知りたいです。
    通常 会社等でパワハラをする者がいた場合、より上位の責任者等によって排除されるはずですが、病院等で最上位の者がパワハラしていると自浄作用が働かないんですかねぇ(会社等でも社長がパワハラしてたら排除されないから、似たようなものかもしれない)。
    このような医師が実際に存在し自浄作用が期待できない以上、精神科は抜き打ちかつ突発的な監査をしたほうが良いと思いますね(大多数のまともなところにとっては手間が増えるだけで大迷惑になってしまうと思いますが)。

  • Q. そのパワハラ監獄病院ってどこだよ?
    A. 書くとたぶん名誉毀損が成立するので書きません。聞かれても答えません。
    (「内容が事実であっても名誉毀損は成立する」というのが私の理解です)
    そもそも私はその医師や病院等を告発したいのではありません(もう関わりたくありません)。私のように不必要な苦労をして時間と金をドブに捨てる人を今後少しでも減らしたいと思って注意喚起のためにこんなものを長々と書いています。

  • Q. そのパワハラ医師の目的は何なんだよ?
    A. 正確なところはわかりませんが、「4. 診療点数」で書いた通り、あらゆる面でカネに汚いことが見て取れるので、目的の一つがカネであることは間違いないでしょう。
    ただ、私の主観ではカネだけが目的ではないような気がします。行動や言動の端々から“何らかの強い信念や信条を持っているのだろう“と感じることもありますし、私自身 世話になったと感じていることも無いわけではありません。しかし、(カネ以外の)目的が何なのか 他人である私には正確に推し量ることはできません。

  • Q. 2.2の「ほとんどの精神科の病院等は転院してくる患者に対して紹介状を要求するので、転院できない」の例外は何だよ?
    A. (対策されるとめんどくさいので)それはここには書きませんが、あなたが私の知り合いであれば 私に直接聞いてもらえれば答えます。あなたに実行可能な方法かどうかは分かりません。

  • Q. お前はどうやって抜け出したんだよ?
    A. 書きたくないし、(向こうが余程の馬鹿でなければ学習するだろうから)おそらく同じことは二度と実行不可能だ思われるので書きません。
    代わりに一般論として、問題やストレスの大多数は他人と話さないと解決しません(メンタルを物故割す人は、他人にうまく相談できないことが多いです)。家族 友人 同僚 上司等で信頼できる人に話しましょう("会社"は信頼できない場合でも、"同僚"や"上司"は信頼できる場合もあるでしょう)。私の場合は幸いにも優秀かつ私を思いやってくれる良い友人に恵まれました。

  • Q. 会社がそういう病院等を指定してきたらどうすれば良いの?
    A. 分からん(私も失敗しているため)。けど、やっぱり信頼できる人に相談じゃないですかね。あとセカンドオピニオンとか?知らんけど。

  • Q. お前はどういう疾患でその病院等にハメられたんだ? / お前の疾患名は何なんだ?
    A. そういうのを書くのは何となく私のポリシーに反する気がするので、少なくとも今は書きません(未来永劫絶対に書かない とまでは約束しない)。
    まぁ 精神科では割りとありがちな病名ですよ とだけ。

  • Q. そういう病院等は口コミ等で判断できるの?
    A. 口コミがはぼ一切無いんですよねぇ… こまめに消して回っているのか、そもそも誰も書いていないのか…(私も書いてない。関わりたくないから)
    言うまでもないですが、その病院等のホームページは綺麗事しか書いてないので見ても判断出来ません。

  • Q. 不当に算定されたと思われる診療点数で取られた医療費の自己負担分は取り返したの?
    A. 関わりたくないので取り返してません。ドブに捨てたと思って諦めてます。
    審査機関の審査で査定や返戻があった場合に患者に自動的に還元されるようなシステムにしてもらえませんかねぇ。

  • Q. 自立支援医療の1割負担とか上限0~1万はさておき、上限2万って意味あるの?
    A. 平日全日リワーク通院しても月2万いかないので意味無いような気がする。患者にとっても病院等にとっても薬局にとっても、手帳の管理がめんどくさいだけ。誰の得にもなってない。
    ※なお令和六年から上限2万は廃止されるらしい(追記:そもそも現状が経過措置) けどその枠の人は1割負担でもなくなるらしい。それは違うよ… 1日2000円以上かかったらリワーク通えないよ…

  • Q. (追加)その医師は精神保健指定医(措置入院(本人の同意がなくても入院させること)が可能)なの?
    A. はい。
    その医師が居る病院等には入院の設備が無い(から措置入院させる必要がない?)のですが、もし設備が有ったらその権利を使って何をしでかすのか、考えたくないですね…

  • Q. (追加)ところでお前はどこに住んでるんだ?
    A. 南関東です。

  • Q. (追加)闘病記みたいなのは書かないの?
    A. それを書こうとすると監獄の件に触れざるを得なくなるので、どうせそれを書くならこの形で書いたほうが良いと判断しました。
    あと、何となく自分のポリシーに反する気がする。(他のかたが闘病記を書いているのを批判するものではありません。未来永劫闘病記を書かないことをお約束するものでもありません)

b. FAQ

こっちは本当のFAQを書きます。主に交通費関係。

  • Q. リワークに通院するのに電車乗るんだけど、定期券って使える?
    A. 多くの鉄道会社では、通勤定期は(「通勤」と名がついていますが)目的の如何に寄らず購入し利用することが可能です(例えば塾通いの小学生は「子供用の通勤定期券」を使ったりします)。鉄道会社によって通勤定期の割引率は異なるので、月に何日通院すれば元が取れるかよく確認しましょう。

  • Q. 病院等に行くための交通費って医療費として扱われる?
    A. (以下伝聞)精神科に限らず、通院のための交通費は医療費として扱われ確定申告も出来るらしいです。リワークに通うと(通院頻度に寄りますが)リワークそのものの医療費に加えて交通費もえぐいことになりがちです。

  • Q. 普段電車で通院している病院等に、ある日自転車で行ったらその日の交通費はどういう扱いになる?
    A. 私も知りたい。

c. ドクターショッピング

昨今、ドクターショッピングなどと称して「医師を変えるのは悪いことだ」と思わせようとする風潮が存在するように感じられます。
しかし現実に酷い医師・病院等が存在する以上、このような風潮はいかがなものかと思います。患者としては、酷い医師・病院等に当たってしまったら終わりなので、少しでも違和感があったら回避するべく、別の医師・病院等をあたるべきです。

d. なんでこんなクソ長文書いてんの

メンタル(精神疾患)関連は初見殺しが多く、かつハメられた場合の負の影響が大きすぎると感じたので注意喚起のため。
(多いのは「初見殺し」の数であり、「監獄を形成する病院等」の数が多いかどうかは知らない)
その医師や病院等の告発のためではない。二度と関わりたくない。
「じゃあどうすれば良いんだ」というのは書いてない(私も失敗したから書けない)。

z. 履歴

2023/1/1 初版
2023/1/2 自立支援の上限2万が経過的特例措置であることを記載。精神保健指定医について記載。細部を修正。
2023/1/3 誤字修正
2023/1/4 自分が住んでいる地域を記載
2023/1/5 冒頭に文字数を記載
2023/1/9 闘病記を書かない理由を記載
2023/11/1 分数をTeXの書式で表記

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