初恋
昨夜から宇多田ヒカルの「初恋」という曲に取り憑かれている。初めて聞いた時は、リピートする事などなく何となく流れていったのに昨夜だけは違った。
曲が終わると自然と人差し指で左のボタンを何度も押していた。
「First Love」と「初恋」宇多田ヒカルには二種類の初恋がある。「First Love」は恋という感じの儚さと切なさと美しさがあり、一方の「初恋」は初恋というタイトルと思えないほど人間の本質的なものが詩的に描かれている。
-----二度と訪れない季節が
終わりを告げようとしていた不器用に-----
宇多田ヒカルは以前に何かの記事で「初恋は、それを自覚した瞬間から、それ以前の自分の終わりでもある。」と言っていた。この言葉を見た瞬間、私は私が想像していた初恋の概念は飛び散っていってしまった。 初恋は一度きりしか出来ないもの。恋を自覚した瞬間に恋を知らなかった自分はいなくなってしまう。 恋を知らなかった自分自身のことなんて考えてみたこともなかった。
---風に吹かれ震える梢が
陽のさす方へと伸びていくわ
小さなことで喜び合えば
小さなことで傷つきもした
狂おしく高鳴る胸が優しく肩を打つ雨が今
こらえても溢れる涙がわたしに知らせる これが初恋と---
今日のような冷たい雨の夜には、目を瞑るとこの曲の景色が脳裏一体に浮かんでくる。