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アドラー心理学と私の興味

心理学の中のアドラー心理学

心理学は紀元前の哲学を始まりとして、20世紀にはフロイト(1856-1939)ほか多数の研究者によって多数の理論とアプローチが生まれた。アドラー心理学は、精神科医フロイトの精神分析学の元から独立したアルフレッド・アドラー(1870-1937)による心理学である。アドラー自身は個人心理学と呼んでいたアドラー心理学は、20世紀型の心理学の中のひとつである。

私の心理学への興味

学生時代、イベントの企画運営をするのが楽しかった。なので社会人になって企画運営業務を仕事の中心に選んだ。企画の発端が自分の「コレがやりたい!」から始まったとしても、仕事しての成果のため、被企画運営者側の分解・整理が必要になる。行動や気持ちの分解・整理は心理学の範囲となる。
被比較運営側=受け取り側がtoCであってもtoBであっても、企画運営側には目的(数字やら)の達成が求められているので、私の心理学への興味は学問としてではなく、数字を作るための理論としての利用へと向かった。教育工学のゴールベースシナリオ理論に紐づけ、認知心理学から神経科学に行きつき、行動(現象)を計測・分析できる人間工学が興味ある研究分野となった。という経緯で、アドラー心理学は多数ある心理学のひとつ、と、距離を置いていた。
社会人でありつつも、教育工学のゼミには欠かさず参加していたが、そのメンバーの中にアドラー心理学を学んでいる方が多いこと、そして参加している教育工学ゼミの主催者である向後千春先生がアドラーゼミを開催していることから興味を持ち、1年間アドラー心理学ゼミに参加した。

アドラー心理学ゼミで取り上げられたテーマの中のワード

2024年1年間参加したゼミでは、多くのテーマが取り上げられた。そして毎回テーマから議論が拡大した。
私が印象に残ったワードは以下。
・感情の仕組み/意味/目的とネガティブ感情の問題処理能力効果など
・子供時代に決まる感情とライフスタイルの関係と不安への準備方法など
・問題(課題)の所有者と教育に向き合う親子の関係、親の介入など
・課題の整理とその置き場のグラデーション化など
・マズローの基本的欲求階層の20世紀見直しなど
・サビカスのキャリア構築理論とカウンセリング体験など
・共同体感覚の教育、アドラー的な教育実践、話しかけの重要性など
・劣等感の補償と尺度
・対人関係や親子関係の場の安定性と表出化で劣等感を有効活用など

アドラー心理学ゼミを1年間受講して

参加して個人心理学という名前に、なるほどと思った。人間工学は最大公約数を取るアプローチを求めるが、アドラー心理学ではひとつひとつの現象をグループカテゴライズすることでアプローチの落ち着きどころを求める。
アドラー心理学では、単なる情報の伝達の完了がゴールではなく、自己肯定感と社会貢献のための成長、内発的動機引き出しから自発的行動の促進というように、主体性や協調性の育みのチャンスを見つけることができるのだと感じた。

まとめ

議論がテーマを拡大していくゼミだったが、その中で整理が進んでいく印象が残った。アドラー心理学を知るにはまだまだ足りないので、引き続き勉強したい。特に保護者と子供、子供と教育/学習についてのインサイトを探りたいと現在は興味を持っている。

おまけ

ゼミの話題として、アドラー心理学から見た推し活の話題が何度か出た。
先行研究に出てくる"同担"というワードの説明を(ついつい)しながら、自分の推しがバレないかヒヤヒヤだった。
推し活業界の新たなワード、他担狩りを超えた"他界隈狩り"も2025年は注目したい。
https://youtu.be/7z6_M8QpZ4I?si=MHDvKzo0FNc67K0O


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