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カミングアウトと起業
32歳にカミングアウト
セクシャリティの話は、この数年は僕のなかでは当たり前のことになってしまったので、あえてこれだけをピックアップして話すことは減ってきたような気がしている。それくらい、セクシャリティの話が僕の中ではしっくりきてしまったんだと思う。ポジティブに。
僕はゲイだ。
それは紛れもない事実で、ゲイであったからこそ得られた経験が数えきれない。
32歳はまでは、基本的にカミングアウトはしてこなかった。一部の仲の良い人、心を開いている人にはしてきたが。カミングアウトをしてこなかった理由を思い返すと、
怖くて言えなかった
言わなくても困らなかった
そんなに仲良くなる気がなかった
こんなところだろうか。
結局、怖かったんだと思う。サラリーマンだったので、仕事がなくなったらどうしよう、や上司と関係が悪化したらどうしよう、といった、今となっては(僕にとっては)どうでも良いことに感じる。けれども当時の僕にとっては死活問題だったし、だからこそこれらを理由にカミングアウトの道を選択しないひとの気持ちは痛いほどわかる。
ただ、結局のところ、僕はカミングアウトをして、踏み出してみて「よかった」と思っている。色々な人と仲良くなれた。そして色々な人と仲良くなることは僕の人生に大きな彩(いろどり)を与えてくれているような気がする。
セクシャリティに限らず、僕の性格が嫌いない人はどっちにしろ僕には寄ってこないだろうし(笑)。
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32歳で起業
32歳で会計事務所を立ち上げた。
これはこれで試行錯誤の連続。(ネガティブな意味ではないが)こんな人生になっているとはサラリーマンを始めた25歳の年には思いもしなかった。
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僕が独立した一番の理由は「自分の名前で食べてみたかったから」。
ただそれだけ。それ以上の目的もなかった。
結果、やってみてよかった。苦労も多いけれども「生きているー!」と感じることが盛りだくさん。毎月給料が入ってこない。売上が上がるとすごく嬉しい。一緒に働いてくれているスタッフが成長していると嬉しい。彼らが笑顔で話しかけてくれる瞬間が何にも変えがたく嬉しい。お客様が僕たちを必要として、僕たちのサービスで感謝を伝えてくれることは生きがいになっている。
そして今、9年後の41歳を迎える僕
のべ何人にカミングアウトをしてきたのだろう。32歳のときに立ち上げた一人プロジェクト「ひとり草の根活動」。僕がカミングアウトを続けて、しっかりと仕事をすれば「ゲイだからってなんなんですかね?」って思ってもらえるのではないか、という活動。
セクシャリティがたいしたことではない、個性のひとつでしかない、と捉えてもらえるようになれれば、次の世代の人たちが、少しでも生きられる手助けになればと思って、今も続けている。
ゲイ×会計事務所の所長。
あえてわかりやすく書くと、僕個人の肩書きだ。
お客様になっていただくときはカミングアウトとセットに。これで失注したことは今のところない。
会計事務所は次のステージへ。
次は初台で、新たな一歩を歩む準備を模索中。
大切なもう一人の人を迎え、さらなる成長へ向けて。
当然なことではあるが、セクシャリティと仕事は一切関係がなく、それはそれ、これはこれ。仕事は一生懸命やり、お客様に貢献し、スタッフの人生がより豊かなものになるよう、全力でチャレンジをする。この思いは変わらない。
人生は決断の選択
僕は32歳のあのとき、「カミングアウトをする」と「独立をする」を選択した。
そして41歳になる僕がいる。僕はそう人生を選択し、そして今の自分に繋がった。人生には多くの決断ポイントがあるのだと思う。もちろん、どう決断するのかのアドバイスを求めることはできるだろう。ただし、最後の決断は自分だ。決断を今はしないという決断もあると思う。そして決断を周囲の人が否定することもできない。それくらい自分で下す決断は、自分にとって価値のあることなのだと思う。
今、僕は幸せだ。あの時の選択おかげで。