自宅になった「ビワ」を売ってみたらいくら儲かる?
実家の前には2mくらいのビワの木がある。毎年6月になると小さく黄色い実がたわわになり、掃除が追い付かないので道路に落ち車に轢かれる最後を迎える実が多い。
毎日掃除するのも面倒だし、鳥のエサになるのはなんだか癪だなぁ、、、、、、と父が言うので、ビワを収穫して道の駅で売ってみることにした。
道の駅で販売するにはまず会員になる必要がある。そして事前に農薬の使用状況などに関する申請書を提出し、承認を得なければならない。実は父、今年分の申請書を既に提出済みだったらしい。商売する気満々じゃん。
出荷初日はあいにくの小雨。雨がぱらつく中、午前6時ごろから収穫を始めて、1時間で70~80個程の実が取れた。これを選別し、パッケージ詰めしていく。パッケージは前日の夜イオンで買ってきたらしい。ビワが5~6個入る中サイズと8~9個入る大サイズのもの2種類を準備した。
実を1つずつ枝から切り離す。水滴をふき取り、パッケージの中にいい感じに詰める。このいい感じに詰めるのがかなり難しい。パックの中でコロコロ転がるのを防がなければいけないからだ。いい感じの大きさの実を組み合わせるしかない。
そして熟しきっていない実やキズ・スレもかなり多く、結局中6パック、大7パック、計13パックになった。熟しきっていない実は追熟、キズ・スレがあるものは自家用にする。一つ味見してみたビワは、さわやかな甘みでいつもの初夏の味だった。
これを道の駅に持っていき、値札やラベルを貼る。中は360円、大は460円にした。スーパーでは6~8個700円程度だったので大体半額ぐらい。これでも手に取ってもらえるか不安だったが、低くし過ぎるのも品質が悪いと思われ売れない原因になりかねない。
店頭に出すのも自分でする。いい場所・目立つ場所は売れ筋商品が大きく占める。そのため売れ筋以外でいい所を取るには、開店前1時間前に行き場所を確保する必要がある。幸いにも1時間前に着いたのでレジからほど近い場所に置けた。
夕方、売れ残りを引き取りに行くと、全部売れていた。予想外の展開で思わず動揺し父に電話をかける。
「全部売れてたんやけど」「ほんまか!?」
明日も出すか!?と盛り上がる父だったが、翌日は平日。今日ほどは売れないだろうとは思いつつ、適当にあいづちを打つ。売上は手数料を引いて4000円ほど。時間に直すと最低賃金にも満たないが、まあこれはこれで趣味としてするにはよいだろう。
今回はこのような結果になったが、こんなに売れるのはまれだ。季節もので農家にはありふれているけど、それ以外の人には手に入れにくいものだっだのか。なぜ売れたのか。まだ不思議だ。
とりあえずもう今週はいいかな……と思いながら夕日を眺める休日であった。