【アメリカ】国民の祝日に追加された「Juneteenth」とは?
2021年6月17日に「Juneteenth」という日が、アメリカの国民休日に加わる事が決まりました!
2021年の6月19日は土曜日であるため、前日の金曜が振替休日となり、学校や政府機関が急遽閉まる事になりました。一方で、Nasdaqによるとアメリカのマーケットは休まないと発表されています。また、昨年から急激に関心が高まっていたこの祝日は、既に会社指定の祝日としている有名企業も多く存在します。経営者やHR部門の方としては、Juneteenthをただの祝日と捉えるだけでは無く、DE&I (Diversity, Equity and Inclusion)やPR (Public Relation)などを考える上でも重要な要素となる事を留意する必要がありそうです。
Juneteenthに関する企業の対応
アメリカの国民休日が新たに指定されるのは、1983年にキング牧師の日が制定されて以来のできごとで、連邦政府によって指定された11個目の祝日となります。このJuneteenthが再度脚光を浴びるきっかけとなった大きな要因の一つとして、BLM (Black Lives Matter)運動があり、その影響を受けて昨年から6月19日を会社指定の祝日として導入した企業が出始めました。
その背景には、BLM運動に対して雇用主に「人種問題に直接対応している」という行動を求める従業員の声が強かった事が大きな原動力となっており、それがなされる事によって、従業員のエンゲージメント、つまり愛社精神や帰属意識の様なものを生む効果や、自社が「差別をしない会社である」という世間へのアピールにも繋がっていると考えられます。
Juneteenthにいち早く対応した日系企業としては資生堂などがありますが、アメリカで会社指定の祝日としている企業の例は、次の通りになります。
また、会社指定の休日だけでなく、Juneteenthに関連した様々な活動が行われる様でして、例としては次のものが挙げられます。
Juneteenthとは何なのか
そもそも、このJuneteenthが何なのかと言いますと、奴隷制度廃止を記念する日に当たり、他にもEmancipation Day、Freedom Day、Jubilee Day、Liberation Dayなどとも呼ばれています。もともと、奴隷解放宣言が第16代アメリカ合衆国大統領によって発令されましたが、全国の細部までその宣言が行き渡るまでには時間がかかり、
2年半後に遂に南部のテキサス州で奴隷解放命令が発令となり、その日が6月19日だった事もあり、現在の名称になっている様です。Juneteenthは以前からテキサス州では正式な祝日となっており、昨年の時点では翌年から州の祝日にする事をニューヨーク州を始め複数の州から発表されていましたが、遂には国の祝日となりました。
今後考えるべき事
在米日系企業の皆さまが考えるべき事としては、まずは会社指定の祝日の見直しが挙げられます。こちらは、単に「会社指定の祝日を選ぶ際の候補が増えた」と捉える事もできますが、前述の通り、企業理念やDE&I (Diversity, Equity and Inclusion)やPR (Public Relation)なども大きく関与するため、本来はアメリカの拠点単体といった形では無く、日本を含めた企業全体で取り組むべきものとも考えられます。
在米日系企業のトップマネジメント、またはHR部門の皆さまとしては、まずは日本サイドと情報共有する所から始めていただき、こちらの記事をご活用いただける様でしたら幸いです。
【関連動画】Juneteenthとは (2020年作成)
【Kimihiro Ogusu, SHRM-SCP (米国HRマネジメント協会上級プロフェッショナル)
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