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読書記録「臨床真理」

人の感情が色でわかる「共感覚」を持つという不思議な青年―藤木司を担当することになった、臨床心理士の佐久間美帆。知的障害者更生施設に入所していた司は、親しくしていた少女、彩を喪ったことで問題を起こしていた。彩は自殺ではないと主張する司に寄り添うように、美帆は友人の警察官と死の真相を調べ始める。だがやがて浮かび上がってきたのは、恐るべき真実だった…。人気を不動にする著者のすべてが詰まったデビュー作!
Amazonより引用

今日の1冊は柚月裕子さんの「臨床真理」を紹介します。

〜読後の感想〜

柚月裕子さんのデビュー作品です。

臨床心理士である主人公と、【共感覚】を持つ青年が話の中心となります。

知的障害施設に暮らす一人の少女が亡くなった。

少女と同じ施設に入っている青年は、これは事件ではないかと、主人公と真相に迫っていきます。

事件の裏にあったのは、障害者施設の苦しい現状という社会問題と、一人の医師が抱える苦しい性癖との葛藤でした。

事件に関わった人間たちには到底同情の余地はありません。

しかし、加害者側の苦悩を考えると…辛いものがありました。

でも、一番の被害者たちは、彼らに利用されていた亡くなった少女を含む施設の子供達だったと思います。

社会問題を取り上げた作品が好きでよく読むのですが、こちらの作品も同様に楽しく読むことができました。

まあ、読書中は常に苦しいんですがね(苦笑)

それでも、何故かまた読みたくなってしまう中毒性があります。


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