⑦HACCPのハザードとは?
今回は食品安全のHACCPについてです。
これからHACCPに取り組む食品工場の方に向けた内容で投稿します。
結論として、HACCPのハザードとは、
・生物学的なもの
・物理的なもの
・化学的なもの
の3つによって生じる食品安全に影響を与えるものです。
以下でもう少し詳しく説明していきます。
≪ハザードってどんなもの?≫
HACCPのハザード分析をするためには、そもそもハザードが何であるかを理解しておく必要があるので説明していきます。
HACCPは食品安全のために管理手法なので、食品安全に直接影響を与えない毛髪や昆虫死骸が食品に混入することは危害として考える必要はありません。実際に毛髪や昆虫死骸が食品に混入するとクレームになるので、食品工場では確実に管理する必要がありますが、「食べて体調不良になるもの」と「気持ち悪いもの」を混同しないようにしましょう。
≪ハザードの具体例≫
生物学なハザードは、
・病原微生物(黄色ブドウ球菌、カンピロバクターなど)
・アニサキス・・・など
物理的なハザードは、
・金属片
・動物の骨
・貝殻
・木片・・・など
化学なハザードは、
・農薬
・薬剤
・アレルゲン・・・など
≪ハザードを確実にとらえる重要性≫
ハザードは具体的に挙げる必要があります。
例えば、「異物」「病原微生物」というハザードの名前は適切ではないです。
「異物」であれば、金属片、ガラス片、木片などを明確にし、
「病原微生物」であれば、サルモネラ、カンピロバクター、腸炎ビブリオなどを明確にする必要があります。
ハザードの種類によって除去する手段が異なるため、ハザードを具体的に書き出す必要があります。
例えば、酸素がない状態で増殖しやすいボツリヌス菌が原材料に含まれているというハザードがあったとして、ハザードを適切にとらえていないと真空包装をして、無酸素状態になった包装袋のなかでボツリヌス菌が増殖するということにつながる可能性があります。
≪ハザードを確実にとらえる方法≫
ハザードを確実にとらえるためには、微生物についての知識などが必要になります。
微生物の特徴などを説明する記事については、次回以降で投稿していこうと思います。時間があれば食品業界ごとに分けて投稿していこうかなと思います。
すべての微生物について把握する必要はないと思いますが、自分の業界に関わる食品については知っておいておいたほうがいいと思います。
今回の記事では、
・HACCPのハザードとは、「生物学的なもの」「物理的なもの」「化学的なもの」の3つによって生じる食品安全に影響を与えるもの
・ハザードを確実にとらえることはHACCPで重要
ということを知っていただけるとうれしいです。