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④HACCPのフローダイアグラム作成で注意すること!!


 今回は食品安全のHACCPについてです。
 これからHACCPに取り組む食品工場の方に向けた内容で投稿します。
 結論として、HACCPのフローダイアグラム作成の注意点はハザード分析を確実に行なえるように製造工程を記載することです。


≪フローダイアグラムの記載漏れは
 重大危害につながる可能性あり≫

 フローダイアグラムの各製造工程を基にしてハザード分析していくことになるため、そもそもフローダイアグラムの記載漏れがあるとハザード分析をすることができず、重大な食品危害を見落とす可能性があります。
 そのため、正しく製造工程の情報を記載する必要があります。
 ただし、製造工程についての不要な情報が多いとハザード分析がやりづらくなるので、情報量が多ければいいというわけではありません。

≪何の作業を記載すればいいの?≫

 今では初めて訪問する工場であっても、現場をぐるっと一周すればフローダイアグラムをすぐに書けるようになりましたが、私が10年以上前にHACCPを勉強しようとしたとき、フローダイアグラムは、何の作業を書き出して何の作業は書き出さなくていいの?ということで困りました。
 同じようにこれからHACCPに取り組む方はわかりにくいのかなと思いました。
 具体的には、
 「受入」「保管」「カット」「計量」「混合」「殺菌」「加熱」「冷却」「包装」「金属検出器」「X線検出器」「箱詰め」「出荷」・・・などの言葉で、製造工程の名前を書き出します。
 おおよその食品工場の製造工程はこの言葉で説明できると思うので、この言葉を原材料ごとに振り分けるといいかと思います。製造工程には矢印を引いて繋げていきます。

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≪本来はフローダイアグラムは何を記載するの?≫

 フローダイアグラムとは、対象製品の「原材料受入れ」から「製品出荷」まで、全ての製造工程を作業順に書き出し並べたものです。
 本来であれば、製造工程ごとに合わせて製造工程を一つずつ書き出していくべきですが、多くの食品工場を見てきた経験のなかで、
「受入」「保管」「カット」「計量」「混合」「殺菌」「加熱」「冷却」「包装」「金属検出器」「X線検出器」「箱詰め」「出荷」
でほとんどの工程が説明できるかなと感じました。
 もちろん上記以外の製造工程があれば書き出す必要があります。
 その他に記載すべき情報として、
  ・「受入」の納品基準温度
  ・「保管」の温度帯
  ・「殺菌」の薬剤濃度(薬剤による殺菌の場合)
  ・「加熱」の加熱温度と加熱時間
  ・「冷却」の冷却温度と冷却時間
  ・「金属検出器」のテストピースサイズ
  ・「X線検出器」のテストピースサイズ
  ・「出荷」の温度帯
  ・  CCPの該当箇所・・・などがあります。

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≪フローダイアグラムを簡略化させる方法≫

 基本的に全ての製造工程を書き出す必要がありますが、作成した表が大きくなってしまう場合は簡略化することもできます。
 A4用紙1枚に収まるくらいの情報量がちょうどいいと言われたりします。
簡略化する方法はいろいろありますが、それは別の記事で機会があれば紹介できればと思います。


◆CCPの作業記録を残すために必要な情報
・ CCPの作業記録を残す≪ゴール≫

  ↓
・「CCPの作業記録を残す」ために
  CCPの管理方法を決定する
  ↓
・「CCPの管理方法を決定する」ために
  ハザード分析をする
  ↓
・「ハザード分析をする」ために
  製造工程を書き出す ←最終的に"食品危害を取り除くためのCCPを実施"ために今回はフローダイアグラム作成についての話でした。
  ↓
・「製造工程を書き出す」ために
 【製品情報を書き出す】 
  ↓
専門知識をもったHACCPチームをつくる


◇用語の説明
ハザード分析 ⇒ 食品の危険なものを調べること
CCP(読み方:シーシーピー) ⇒ 食品の危険なものを取り除くこと

≪具体例(ハンバーグの作り方)≫
ハンバーグには○○という菌がいるか調べてみよう ⇒ ハザード分析
○○という菌がいるから焼いて食べよう      ⇒ CCP



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